フォークの歯はなぜ四本になったか 実用品の進化論 平凡社ライブラリー693

ヘンリーペトロスキー【著】, 忠平美幸【訳】

• 販売会社／発売会社: 平凡社
• 発売年月日: 2010/01/08
• JAN: 9784582766936

商品レビュー

2025/09/27

実用品の進化の過程を踏まえた著者の分析。
「道具の形の変化は機能(出来ること)によるのではなく、失敗(出来ないこと)によって生じる」という主張を様々な道具の進化の流れを説明することで展開していく。
話が冗長に思えましたが、プロダクトデザイン・エンジニアリングする意味を与えてくれる本だと理解しました。

2025/09/24

フォークをはじめとしたさまざまな日用品の開発についての歴史について書かれています。
フォークも、単なる突き刺す道具から「持ちやすい」「運びやすい」「刺した食べ物が落ちにくい」という実用面の改良を繰り返し、現在の主流形状になりました。
こうした進化はデザイン面のみならず、ユーザー（食べる人）が抱える不便を解決する失敗から学ぶ工夫の積み重ねです。本書では食器に関する多様な起源が理解できれば、ありとあらゆるモノの進化もわかるといいます。

また、「形が機能に従う」説の限界について語られており、形は機能に「従う」ことはあるが「決定される」わけではなく、多様な意味や文化、歴史的背景をも含めて決まると理解することが重要です。フォークやナイフなどの銀製品が社会的地位や富の象徴だったという歴史や、カトラリーの各種専門品が揃うことで、食事の席での格式やマナーが向上し、社会的儀礼としての意味合いも強まったことも本書で詳しく解説されています。

ちなみにアジアで箸が中心なのは食事中にナイフをみると「君子が近寄らない」場所を思い起こすから孔子が食卓でナイフを使わないように諭したそうです。

他にもステープラーやノコギリなどの進化について当時の図面など掲載し解説されていますが、ちょっと説明がややこしくてあまり理解できない部分もあり、飛ばし読みで読了しました。

2022/05/26

所有は復刊前の単行本。

文章は固いけど、身の回りにある「あれ」がどんな経緯で今の形状になったかを書き起こしている。
個人的にはポストイット誕生秘話がすき。