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ラウィーニア
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ラウィーニア

アーシュラ・K.ル=グウィン【著】, 谷垣暁美【訳】

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ラウィーニア

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2009/11/14
JAN 9784309205281

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商品レビュー

3.7

21件のお客様レビュー

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2025/07/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ラウィーニアとは叙事詩『アエネーイス』に出てくる女性の名前。トロイア戦争の英雄アエネーアスの妻の名前。 さて、なんのことやらさっぱり……と思ってあとがきを読むと、トロイの木馬の戦争で負けて逃げ出したアエネーアスが妻を得るまでの話とあった。 トロイの木馬……やっと理解できそうな単語が出てきた。詳しくないけど、戦争で木馬のなかに忍びこんで敵陣に入り込んだエピソードは知ってる。あの辺りの話なのねと思いながら、読むことにした。 でも、この物語面白いのは『詩人ウェルギリウス』が物語の中のキャラクターとして出て来ること。ウェルギリウスとは『アエネーイス』を書いた人。彼は自分が書いた詩の中のキャラクターと出会うことになっている。そして、未来をラウィーニアに語る。 ラウィーニアはその運命を受け入れて、詩人が語った通りの未来を歩む。語られたのはアエネーアスが死ぬまで。その先はどうなるんだ……と思ったけど、その後もアエネーアスの前妻の息子アスカニウスが色々と事件を起こしてる。アスカニウスの話はゲドっぽいなとも思う。父親を越えられないと思い込むのとか、傲慢さなんかがゲドの雰囲気がある。ただ、ゲドと違ってアスカニウスには義弟(ラウィーニアの息子)シルウィウスがいる。義弟君は母親の手の中でぬくぬく育っていて、憎らしいという気持ちも混ざるので、さらに複雑。 そして、さらりと混ざり込む同性愛。ああ。この時代は同性愛は普通だったんだっけ、でも唐突過ぎてどういうこと??と思ってしまった。同性愛が普通であっても、王として世継ぎは必須で、王妃とはご無沙汰って……アスカニウスの人物像は中々に複雑で面白かった。 他にもラウィーニアの母親のアマータ。息子たちがみんな亡くなって、少しおかしくなってしまってラウィーニアにつらく当たる。けれど、甥のトゥルヌスとラウィーニアを結婚させようと画策して、戦の扉を開き、その戦でトゥルヌスが死んでしまうと自ら死を選ぶ。と、このキャラも中々に強烈。 ラウィーニアの友のシルウィアは牧畜を生業にしている家の子で、王の娘であるラウィーニアとは格が合わないけれど、ずっと仲良くしていた。けれど、ラウィーニアがシルウィアの兄のアルモを結婚相手に選ばないことを知ってからは会うことがなくなる。この時代だからなのか、平和だからなのか『王』と『農民』がこんなに近いんだなぁと思った。近いけど、分かり合うことはない。仲良くしていた友がいなくなるけど、代わりに奴隷のマルーナとは一生を共にする。マルーナはラウィーニアの儀式の手伝いをしたり、結婚後もラウィーニアのやっていた儀式を引き継いだりと、中々に重要な役どころ。王家に近いからこそ弁えていて、全てを話せる親友ではないけれど、一番近い存在になる。 こういう文化が垣間見えるのも楽しい。儀式もわかりやすく書かれていた。こういう文化はがっつり調べて書いてあるんだろうな。でも、やっぱり『奴隷』というものが理解できてないと思う。この時代の『奴隷』は敗戦国(戦に負けた部族なども含めて)から連れてきた人たちなので、一応『戦』という儀式めいたものはあるんだよな。西洋人がアフリカに対してやったような強制誘拐とは違う……。 でも、日本にはそう言う文化があったわけではない(と思う。聞いたことがない)からか、いまいちつかめないなぁと思いながら読むことになる。知識としては理解できるけど、どんな立ち位置で、どういう価値観の元に労働してるのかなと。。特にこういう王族に仕えた奴隷……がよくわからない。 日本だと、それなりの家柄の婦女子だったよね。江戸時代の大奥なんかの影響かな。そういうものという感覚があるせいで、『奴隷が王族に使える』というのが本当にわかんないんだよな。 ちゃんとトロイの辺りの神話を他の本で読んでみようかなと思ってしまった。 アエネーアスが最後、フクロウになってるのも、読んでいて圧巻だった。その視点で書かれていたのかと思ってしまった。そして、鳴きかわすフクロウって……。最後にさらりと回収していく伏線がすごいな。やたらとフクロウが出てくるけど、それが『ラウィーニア』だからだと最後でわかる。 ラウィーニア……元の神話をちゃんと読んでみたい。 物語は面白かった。ごちそうさまでした。

Posted by ブクログ

2022/03/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

SL 2022.3.7-2022.3.12 ウェルギリウスの叙事詩「アエネーイス」の後半六歌をもとに、ラウィーニアを語り手に据えてル=グウィンが語り直したファンタジー。 ウェルギリウス本人が登場して、ラウィーニアが自分の未来を知っているというちょっと変わった構造。アエネーイスを底本にしているけれど、これはラウィーニアの物語。死ねないラウィーニアが切ない。

Posted by ブクログ

2018/10/08

ヴェルギリウスの『アエネーアス』にちょびっと出てくるラウイーニアのストーリーで、所謂二次創作物。ちょっとまぁ、エキセントリックではある。昨今読んだルグウィンの中ではかなり異色な題材だが、文章が醸し出すムードは同じ。アイロニー満点の子供向きブラックファンタジーよりは読みやすい。これ...

ヴェルギリウスの『アエネーアス』にちょびっと出てくるラウイーニアのストーリーで、所謂二次創作物。ちょっとまぁ、エキセントリックではある。昨今読んだルグウィンの中ではかなり異色な題材だが、文章が醸し出すムードは同じ。アイロニー満点の子供向きブラックファンタジーよりは読みやすい。これから読めばよかったか、と思ったほど。

Posted by ブクログ

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