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「恥の文化」という神話
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 草思社 |
発売年月日 | 2009/10/01 |
JAN | 9784794217288 |
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商品レビュー
2.3
4件のお客様レビュー
第二次大戦後にルース・ベネティクトが書いた「菊と刀」という本。著者曰くはこの本は「巧妙に練り上げられたプロパガンダの書」であり、アメリカによる原爆投下を正当化するための本だったとし、その歴史と政治的背景を述べて痛烈に批判する一冊だ。 日本人の精神的背景を書いた本かと思って手にと...
第二次大戦後にルース・ベネティクトが書いた「菊と刀」という本。著者曰くはこの本は「巧妙に練り上げられたプロパガンダの書」であり、アメリカによる原爆投下を正当化するための本だったとし、その歴史と政治的背景を述べて痛烈に批判する一冊だ。 日本人の精神的背景を書いた本かと思って手にとってみたが、かなり事前に勝手に想像していた内容とは印象が違った。しかし文章の引用が多く、しかも引用元は海外の学者や思想家達の文献のため非常に読みづらく、読み終えるのに時間がかかってしまった。 教訓を得たとすれば、大国相手でも政治的信条に堂々と異議を唱えることができる世の中であるというありがたさと、歴史は勝者の目から語られるのが常である、ということか。
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日本人論だと思われていた『菊と刀』は、実は原爆投下を正当化するプロパガンダだったと唱えたもの。 著者は、アメリカの拡張主義を説明するために、さまざまな時代の言説を、その時代背景をはぎとって、現代の視点から解釈して引用しており、いささか軽率だと思う。 西洋の権威がなくなり、日本...
日本人論だと思われていた『菊と刀』は、実は原爆投下を正当化するプロパガンダだったと唱えたもの。 著者は、アメリカの拡張主義を説明するために、さまざまな時代の言説を、その時代背景をはぎとって、現代の視点から解釈して引用しており、いささか軽率だと思う。 西洋の権威がなくなり、日本もムラ社会から無縁社会になった今、『菊と刀』を読むとバカバカしく見えるのかもしれない。
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ベネディクト批判よりも、なぜ日本人はこれほどまでに浅薄な『菊と刀』を大事にしたがるのか、という問題意識のほうが重要です。しかしこの本ではそういった考察がほとんどなく、残念です。『菊と刀』が政治的プロパガンダの書物であったという事実は、相当まえからいろんな人に指摘されていることです...
ベネディクト批判よりも、なぜ日本人はこれほどまでに浅薄な『菊と刀』を大事にしたがるのか、という問題意識のほうが重要です。しかしこの本ではそういった考察がほとんどなく、残念です。『菊と刀』が政治的プロパガンダの書物であったという事実は、相当まえからいろんな人に指摘されていることです。なのでいまさらという気がしますが、それでもこんな本を書くのは勇気がいります。晃子の批判精神は称賛されてしかるべきです。 ひとつ気になるのは、フランスの反米を多用していることです。日本人の反米意識をよろこばせることにつながるのかもしれませんが、本質からはズレています。資料のつかいかたがちょっと変わっています。さらにはなしがそれますが、魔女狩りについて、フランスの『ラルース大百科事典』に記載されているものを紹介しておきましょう。 「アメリカ合衆国で、朝鮮戦争およびその後(1950~1953)、官公庁、大学、ジャーナリズム、映画界で、コミュニストとコミュニズム支持者の疑いがあるとみなされた人々の除去・排除の企て(1692年にマサチューセッツ州セーラムで起きた魔女裁判を想起させる表現)。既成の秩序・価値を覆すと判断された政治的意見または活動の疑いありとされたすべての人々の当局による訴追と排除」 晃子の解説はこうです。 「世界周知のことだが、十三世紀から十七世紀にかけて、ヨーロッパでは魔女狩り・魔女裁判で少なく見積もっても数万人といわれる犠牲者が火あぶりになった。フランスも憑かれたように魔女狩りを行った国だった。その国の百科事典が自国の事例には一切ふれず、アメリカの例をまず第一に取り上げているとは…」(p.218) フランスらしさが伝わってくる逸話ですが、本題から逸れています…。
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