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キャンセルされた街の案内
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2009/08/21 |
JAN | 9784104628056 |
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商品レビュー
2.8
54件のお客様レビュー
短編集 読みやすい やや物足りなさを感じるが、のんびりとした時間を過ごす時に良い 平成のスタイリッシュだった今では懐かしい恋愛感が味わえる
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短編集・凝った装丁~僕がクラス東京のワンルームに長崎でぼんやり過ごしている兄が来た。僕は勤めの傍らで小説を書いているのだが、長崎にいる頃は端島に渡る船の主に軍艦島のガイドをやるように勧められていたのだ~表題作のあらすじを書こうとしたが、ぱっとしない内容だなぁ。ほかは短くて、どこか...
短編集・凝った装丁~僕がクラス東京のワンルームに長崎でぼんやり過ごしている兄が来た。僕は勤めの傍らで小説を書いているのだが、長崎にいる頃は端島に渡る船の主に軍艦島のガイドをやるように勧められていたのだ~表題作のあらすじを書こうとしたが、ぱっとしない内容だなぁ。ほかは短くて、どこかですれ違った二人が違う思いを抱えていたって話が多かったような気がする
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
吉田修一による街をテーマにした短編集。表紙の装丁には架空の街の地図が描かれ、エアメールのようなカバーもかわいらしい。東京、大阪、ソウル、長崎の軍艦島と、それぞれの街を舞台にしているが、あくまでも舞台としてそこにあり、その土地に関わり暮らしている人々の日常は千差万別である。 吉田小説を無条件に愛す、と決めて以来、どんな内容でも賞賛する心構えができている。だからこの短編集も無条件に素敵だなと思う。ただ、各作品の読み方についてはその時々の自分の状況や彼の過去作が影響してくるのは仕方がないと割り切っている。個人的には、悪人の描き方、というのが最近の吉田修一の作品に対する注目点となっている。 決して悪人が多く登場する本ではないのだけど、『灯台』という短編の悪事が心に残る。飲み潰れ、金がないままにタクシーに無賃乗車するという話が、すごく身につまされるような気がした。 【部屋に戻ったところで金などなかった。布団に潜り込むと、耳を塞いで目を閉じた。すぐそこで待っている運転手に、心の中で何度も何度も謝った。本当に気分が悪かった。胃はムカムカして、目が回った。大勢に囲まれて、蹴られているような気分だった。二千数百円という金額が、はした金にも、もう取り返しのつかない大金にも思えた。】 表題作の『キャンセルされた街の案内』は軍艦島の周辺に住む少年の話である。当地のガイドとして小遣いを稼いだ青年の今と昔の記憶を描いている。軍艦島というのは、歴史的背景からしても観光的にも人気のある、いわゆるキャッチーな土地、と言える場所である。そこに関わる人物にももちろんドラマがあり、そこをテーマに小説を書くというのが吉田修一の着眼点の良さだと思う。ただ、島はあくまでも舞台であり、そこに関わる人の描き方にこそ、この小説の良さがある。 取り立ててコレ! という主題がないような短編が並ぶ。結末もなんとなく、日々の延長のように終わる。そこが物足りないという人には物足りないのかもしれない。ただ、こんな過去があり、こんな現在があり、こんな人が生きているんです、と、そんな市井の人を鮮やかに描ける筆致はさすがだと思う。
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