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完全版 最後のユニコーン
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 学習研究社 |
発売年月日 | 2009/07/21 |
JAN | 9784054037748 |
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完全版 最後のユニコーン
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商品レビュー
4.1
26件のお客様レビュー
この世で最後の一頭となってしまったユニコーンが仲間を求めて旅立つ。続編となる中編『ふたつの心臓』も収録。 どこか寓話性を感じさせる大作ファンタジー。不老不死のユニコーンが、魔術師や英雄と関わり、大いなる悪と戦う冒険の末、人間の愛を知ってどう変化したか。永遠と刹那の対比。優れたフ...
この世で最後の一頭となってしまったユニコーンが仲間を求めて旅立つ。続編となる中編『ふたつの心臓』も収録。 どこか寓話性を感じさせる大作ファンタジー。不老不死のユニコーンが、魔術師や英雄と関わり、大いなる悪と戦う冒険の末、人間の愛を知ってどう変化したか。永遠と刹那の対比。優れたファンタジーにある、深い真理を示す文章やセリフの数々も印象深い。 魅力的な登場人物たち。 主人公であったはずのユニコーンは、いつしか象徴のような存在になり、人間らしさを強く残すリーア王子とのコントラストを示す。 どこか頼りないイメージのあったシュメンドリックが、賢者にクラスチェンジしたかのように、王となったリーアを諭し導くシーンはカッコいい。 モリーの女性としての視点は、物語と世界を俯瞰しているところがある。 黒幕とラスボスの存在感も大きく、彼らにまつわる謎も物語の引力を高めている。 本書には何十年もあとに書かれた続編が付属しており、これがヒューゴー賞・ネビュラ賞の中編小説部門を受賞したとか。実際、少女視点で過去作の人物と触れ合う展開はとても面白かった。 長くて読みごたえのある本格ファンタジー、その読後の清澄感は相当なものだった。繊細な作風なため、どこか女性作家のイメージで読んでいたけど、調べてみたら男性。そりゃピーターですしね^^;。 P252 「あの時計は正しい時刻なんて打たないぜ。昔、ハガードがぜんまいや歯車をだめにしちまった。あるとき、振り子といっしょに動きつづける時間を手でつかもうとしたんだ。だが、おまえらにとって重要なのは、時計が次にいくつ打とうが関係ないってことを理解することだ。十打っても、七つ打っても、十五打っても、そんなことはどうでもいいんだ。おまえはおまえの時間を打てばいい。好きなところから数えはじめればいい。それがわかったら、いつどんな時だって、おまえにとっては正しい時間になる」
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ハヤカワで新版が出たというのを目にし、学研版を手に取りました笑。今度、Two HeartsとSoozの二編が組み込まれた新刊が出るとのことで、「ふたつの心臓」の方は読んだけれど、スーズ読みたい!!となっているので楽しみです。 久しぶりにファンタジーというものを読んだ気がする。フ...
ハヤカワで新版が出たというのを目にし、学研版を手に取りました笑。今度、Two HeartsとSoozの二編が組み込まれた新刊が出るとのことで、「ふたつの心臓」の方は読んだけれど、スーズ読みたい!!となっているので楽しみです。 久しぶりにファンタジーというものを読んだ気がする。ファンタジー・もどきはいくつも読んでいたけれど、その世界が世界として確立していて(設定が緻密であればいいということではなく)、言い換えればその世界に流れる律がしっかりとあり、読みだすとその世界にいるかのような、そんな気持ちにさせてくれた。最初の方は現代が舞台なのか?と思ったし、ところどころメタ発言・メタ描写があってなんとも不思議なファンタジーだった。ファンタジーの世界に住んでいることがわかっている住人たちのファンタジーは、ゲド戦記を読んでいた小学生の頃の感慨に近い気がする。決してのめりこむようなエンターテインメントではないし、淡々と進んでいくのだけれど、読了感は紛れもないファンタジーの重みがあって、やっぱり言葉にするなら「不思議」というのがしっくりくる。この文章がと指し示す文章があるわけではないのだが、物語が全体として「不思議」を構成している。そういう意味では言語化できない領域を体現した素晴らしい作品の一つだと思う。これは書こうとして書けるような物語ではない。 王道の、物語の型を追いつつ、こうして物語は生まれ、引き継がれていくのだ、という形式美を追うような…。悲しくてでも愛おしいと思う人々の物語、それは紛れもなく語り継がれるタイプの英雄譚なのだな。
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※このレビューにはネタバレを含みます
長い長いおとぎ話。ライラックの森に住む気高い雌のユニコーンは、森を出て仲間を探す旅に出る。でも人間は彼女がユニコーンだとは気がつかない。 ここぞというときにしか魔法が使えない魔術師、盗賊の仲間だった女性、荒れ果てた土地と王国、孤独な王と血のつながらない王子、ユニコーンを狙う赤い雄牛。語られる世界は荒んでいるのにファンタジー的な美しさに満ち溢れている。「ふたつの心臓」のユニコーンの選択は本当に美しい。 子どもの頃に触れた、白雪姫やシンデレラなどと同列のおとぎ話を感じさせてくれて陶然とするお話を読んだのは本当に久々かもしれない。 「ハッピーエンドは物語の途中で起こってはならないのだ」(P268)
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