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ノモンハン戦争 モンゴルと満洲国 岩波新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2009/06/22 |
JAN | 9784004311911 |
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ノモンハン戦争
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商品レビュー
3.8
31件のお客様レビュー
一般的に「ノモンハン事件」と呼ぶが、モンゴル人からみると彼らの領土で行われた戦いであり「戦争」となる。 「ノモンハン事件」については、日本陸軍の稚拙な行動に関する書籍が殆どだが、本著は大国(中国、ソ連、日本)の権力闘争に巻き込まれながらも真の独立を勝ち得たモンゴル民族史から捉えた...
一般的に「ノモンハン事件」と呼ぶが、モンゴル人からみると彼らの領土で行われた戦いであり「戦争」となる。 「ノモンハン事件」については、日本陸軍の稚拙な行動に関する書籍が殆どだが、本著は大国(中国、ソ連、日本)の権力闘争に巻き込まれながらも真の独立を勝ち得たモンゴル民族史から捉えたものであり大変興味深い。 遊牧民のモンゴル人には国境の概念がなかったと思う。 遊牧民のモンゴル人が恐れたのは、豊かな牧草地が漢族により農耕地とされることだった。 歴史的に、農耕・稲作が社会に「領土」の概念を持ち込んだのかもしれない。 よく考えれば日本も同様だ。 面白い。 以下引用~ ・族境が国境へと転化し、分断された民族の間に生じた衝突がノモンハン戦争であり、ノモンハン戦争の舞台はそのような場所であったことを理解しておくことが重要である。 ・外モンゴル、すなわちハルハ族は、ソ連のかいらいになることによって、からくも中国からの分離を果たし、満州のバルガ族は、満州国というかたちで、同じく中国からの分離を実現したのである。バルガ族にとっては、満州国の成立は、少なくとも漢族の支配からの解放という意味では、一歩状況が進んだのである。 しかしかれらの理想はさらにその先にあった。何らかのチャンスをつかんで、ソ連を利用しながら、最終的にはソ連のくさびからも離脱することであった。 ・次のことを忘れてはならない。 ノモンハンにおける満州国軍と日本軍の敗北は、ソ連、ボリシェヴィキとコミンテルンが、モンゴル諸族が追い続けてきた夢、パン・モンゴリズムに最後のとどめを刺すための、かけがえない機会を与えたということを。
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日本の傀儡国家・満州国とソ連の傀儡国家・モンゴル人民共和国、二つの国家に分断されたモンゴル民族が、ノモンハン戦争で対峙する。 あらためてソ連の全体主義の恐ろしさに震撼させられる。最終章で著者は、この戦争に大きな責任があるとして、辻政信という軍人を糾弾している。
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「ノモンハン」という言葉から、とかく戦史として語られることがほとんどの歴史上の出来事について、モンゴルという国または民族の視点からアプローチした本書は、その意味で画期的なものであると言えよう。
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