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いのちをいただく
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 西日本新聞社出版部 |
発売年月日 | 2009/05/01 |
JAN | 9784816707858 |
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いのちをいただく
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商品レビュー
4.8
69件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
長女は小学校の先生をしている。 昨日、食育の授業の一環として、この本を子供たちに読んだのだという。 『いのちをいただく』 文 内田美智子 絵 諸江和美 監修 佐藤剛史 (西日本新聞社) 食肉加工センターで働く坂本義喜さんが経験した実話を、助産婦の内田美智子さんが文章にした物語である。 「貸して」も「貸してあげる」も何もなく、さらに娘は今日から二日間留守で、そこらへんに置いてあったこの本を私は勝手に読み、勝手に感動して、今これを書いている。 三回読んで三回とも泣いてしまった。 そして今、これを書きながらまたうるうるしている。 なんということ! それほど心にガツンとくる本だった。 本当のことを言うと、そもそも私はこういう“命”を道具にして人を感動させようとする話は嫌いなのだ。 でもこの本はなぜか、そういうのとは全然違った。 主人公の坂本さんが、もう泣きたくなるほど“本物”だったから。 坂本さんは、誤解を恐れずに言うと、いわゆる立派な大人ではない。 悲しんで落ち込んで、仕事を辞めたくなって、いろんな出会いに助けられて、それでも悩んで、大人なのに子供のように純粋な人なのだ。 著者の内田さんも、きっとそこに打たれたんじゃないだろうか。 坂本さんは、牛を殺して肉にする食肉加工センターに勤めている。 でも、殺される牛と目が合うたびこの仕事が嫌になり、いつか辞めよういつか辞めようとずっと思っていた。 そんな時、小学三年生の息子・しのぶ君に、「お父さんの仕事はすごかとやね」と言われて、もう少しこの仕事を続けようと思う。 最初はしのぶ君も、お父さんの仕事がかっこ悪いと思っていたけれど、担任の先生に言われて大切な仕事だと思うようになったのだ。 ある日坂本さんは、一人の女の子と、女の子と仲良しの牛の「みいちゃん」に出会う。 みいちゃんを殺して肉にするのが坂本さんの仕事だけれど、坂本さんにはできない。 「お父さんは、みいちゃんを殺すことはできんけん、明日は仕事を休もうと思っとる」 するとしのぶ君はこう言う。 「お父さん、やっぱりお父さんがしてやった方がよかよ。心の無か人がしたら、牛が苦しむけん。」 次の日の、坂本さんとみいちゃんの場面には胸が詰まる。 「みいちゃん、ごめんよう。 みいちゃんが肉にならんと、みんなが困るけん、ごめんよう」 「みいちゃん、じっとしとけよ。 動いたら急所をはずすけん、そしたら余計苦しかけん、 じっとしとけよ。じっとしとけよ」 もう、この場面は何回読んでも泣いてしまう。 もう一つ、すごいなと思う場面がある。 女の子のおじいちゃん、つまりみいちゃんの飼い主が、みいちゃんの肉をもらって帰って孫に食べさせるところ。 みいちゃんの死をうやむやにしようと思えばできるのに、おじいちゃんは、みいちゃんの命を感謝していただくことを孫に教える。 最初は泣いて食べなかったが、おじいちゃんの言葉を聞いて、いただきます、ありがとうと、女の子は泣きながら食べたのだった。 おじいちゃんは坂本さんにお礼を言い、坂本さんはもう少しこの仕事を続けようと思うのだ。 巻末には“いのち”を育てている人たちのインタビューが掲載されている。 愛情を注いで育てたニワトリを、最後は肉にする。 「かわいそうという気持ちは確かにある。だけど、自分はできんけん、他の人にやってもらおうとは思わない。最後まで自分でやってやろうと思う」 という言葉はすごい。 理屈では分かっているつもりでも、やっぱり牛や豚や鶏や魚を食材として見てしまっている自分にどきりとする。 “いのち”が“食材”になる過程に関わっている人たちの覚悟が、このインタビューから伝わってきて、日ごろの自分を猛烈に反省した。 なんだろう。 私ってこんなに素直な人間だったっけ? それほどの何かがこの本にはあった。 監修の佐藤さんのあとがきによると、日本の一年間の食品廃棄量は2,000万トン以上だという。 これは、ひとり一日1,800kcalで生活している発展途上国での3,300万人の年間食糧に相当するそうだ。 心が痛む。
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世の中にはこんなにも情報が溢れているのに、私は知らないことが多すぎる。 ここで描かれている事に触れて、少なからず価値観を見直す視点が生まれた。普段の生活にも恐らく葛藤を生み出すだろう。 しかし、知らないでいた過去の自分を幸せだったと思うだろうか? 葛藤をしても、苦しくても、目の前...
世の中にはこんなにも情報が溢れているのに、私は知らないことが多すぎる。 ここで描かれている事に触れて、少なからず価値観を見直す視点が生まれた。普段の生活にも恐らく葛藤を生み出すだろう。 しかし、知らないでいた過去の自分を幸せだったと思うだろうか? 葛藤をしても、苦しくても、目の前の事実に向き合える人間でありたい。
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ニワトリのくちばしを切らないでニワトリらしく過ごさせたいという想いに関して、ぐるんとびーを想起した。 パートナーに話したらそれに関してはトロッコ問題のような考えもあるのではという話に。たしかに。みんな考えて、自分の答えをみつけて生きているのかなあ。 ふと思い出して再読。 大切だ...
ニワトリのくちばしを切らないでニワトリらしく過ごさせたいという想いに関して、ぐるんとびーを想起した。 パートナーに話したらそれに関してはトロッコ問題のような考えもあるのではという話に。たしかに。みんな考えて、自分の答えをみつけて生きているのかなあ。 ふと思い出して再読。 大切だけど忘れてしまいがちなことが書かれているので本棚に置くことにした。
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