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フラナリー・オコナー全短篇(下) ちくま文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
| 発売年月日 | 2009/04/10 |
| JAN | 9784480425928 |
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フラナリー・オコナー全短篇(下)
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フラナリー・オコナー全短篇(下)
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商品レビュー
3.5
8件のお客様レビュー
”冒頭の魔術師”と名付けたくなるぐらい、各話最初の数段落の重要さを身に染みて感じさせられた経験は稀である。 短篇小説の書き手として、高い評価を得ている書き手の腕前を、まざまざと見せつけられた感じ。登場人物やその間の関係性、物語の舞台など、冒頭で提示すべき情報はたくさんあるが、あ...
”冒頭の魔術師”と名付けたくなるぐらい、各話最初の数段落の重要さを身に染みて感じさせられた経験は稀である。 短篇小説の書き手として、高い評価を得ている書き手の腕前を、まざまざと見せつけられた感じ。登場人物やその間の関係性、物語の舞台など、冒頭で提示すべき情報はたくさんあるが、あんまり書きすぎても、読み手の想像力の余地を奪ってしまうという弊害が出てしまう。フラナリー・オコナーの作品はどれも、その塩梅が本当に絶妙で、話に入りこむための情報がぎゅっとまとめられつつ、でも読者に委ねられる余地も残っている。 ウィリアム・トレヴァーのように、登場人物の設定ですら10頁ぐらい読まないと全貌がつかめないというようなパターンと、まさに好対照。トレヴァーも好きだがオコナーも好き。
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基本的には上巻と変わらない感想で、この作家はずっと一つのテーマを手に替え品を替え、追求していくタイプなのだなと改めて思った。執筆も後年寄りの作品が多いのか?より粒揃いでキレ味も増していて、文章も上巻では景色や光景を浮かべるのに苦労した箇所が結構あったけど(訳文の出来とは無関係な問...
基本的には上巻と変わらない感想で、この作家はずっと一つのテーマを手に替え品を替え、追求していくタイプなのだなと改めて思った。執筆も後年寄りの作品が多いのか?より粒揃いでキレ味も増していて、文章も上巻では景色や光景を浮かべるのに苦労した箇所が結構あったけど(訳文の出来とは無関係な問題で)、そういうのも少なく物語に入りやすかった様に思う。なので、最初の3篇、「障害者優先」などは特に面白く読めた。ただ上巻の「善人はなかなかいない」、「田舎の善人」ほど屈指と言える突き抜けた作品はなく、そこだけ少し残念。
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人間の悪い箇所に焦点をしぼって表現しているので読んでいるといやな感情しか湧いてこない、しかし面白いというのには違うかもしれないがなぜか読み続けてします。不思議な魅力のある短編集です。 登場人物の描き方は悪意しかないがその中に真実が紛れていることが驚きです。例えば『パートリッジ祭...
人間の悪い箇所に焦点をしぼって表現しているので読んでいるといやな感情しか湧いてこない、しかし面白いというのには違うかもしれないがなぜか読み続けてします。不思議な魅力のある短編集です。 登場人物の描き方は悪意しかないがその中に真実が紛れていることが驚きです。例えば『パートリッジ祭』のシングルトンをこのように表現しています、「シングルトンの顔写真だけが独特だった。幅があるくせに骨張っていて、暗い表情だ。片方の目が、もういっぽうにくらべると大きくてまるい。そのまるいほうの目には、実行する意志をもつ人、自分自身として存在する権利のためには進んで苦痛に耐える人の沈着さが宿っている。カルフーンはそのように見た。ふつうのかたちをした目のほうには慎重な軽蔑がひそんでいたが、その表情には全体として、まわりの狂気のせいでついに発狂させられた者の苦悶が現れていた」シングルトンは悪人だが、信念を前ったいな曲げない男であることがわかる。主人公のカルフーンもわかっているくせに、根拠のない自信をもって面会したために痛い目にあってします。一瞬にして自我が崩壊するさまは悲劇です。 この短編集を読んでいると人間は簡単には変わらないことがよくわかってきます。条件付きの良心を振りまくところは、現在でもまったく同じです。『すべて上昇するものは一点に集まる』ではジュリアンの母親は自分の生活が落ちぶれているのは、黒人が権利を主張して白人の生活エリアで我が物顔で振る舞っているからだと考えています。思いっきり差別主義者なのに、私は黒人の権利を認めますみたいなことを言ってるところはなんか憎たらしいです。あと、黒人の子供は白人の子供よりかわいいみたいなことをしゃべっているのですが、こうゆう人はいまでもいるよねと言う感じがします。バスで同情する黒人女性がジュリアンの母親と同じ帽子をかぶって登場するところは、めちゃくちゃ笑える面白い箇所です。笑いながらも、私も差別主義者ではないと思いながらも、なにか条件付けていないかと思い返して嫌な気分になってします。そこらへんがフラナリー・オコナーの小説の恐ろしさです。
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