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フラナリー・オコナー全短篇(下) ちくま文庫
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フラナリー・オコナー全短篇(下) ちくま文庫

フラナリーオコナー【著】, 横山貞子【訳】

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フラナリー・オコナー全短篇(下) ちくま文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2009/04/10
JAN 9784480425928

フラナリー・オコナー全短篇(下)

¥1,540

商品レビュー

3.6

9件のお客様レビュー

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2025/12/09

”冒頭の魔術師”と名付けたくなるぐらい、各話最初の数段落の重要さを身に染みて感じさせられた経験は稀である。 短篇小説の書き手として、高い評価を得ている書き手の腕前を、まざまざと見せつけられた感じ。登場人物やその間の関係性、物語の舞台など、冒頭で提示すべき情報はたくさんあるが、あ...

”冒頭の魔術師”と名付けたくなるぐらい、各話最初の数段落の重要さを身に染みて感じさせられた経験は稀である。 短篇小説の書き手として、高い評価を得ている書き手の腕前を、まざまざと見せつけられた感じ。登場人物やその間の関係性、物語の舞台など、冒頭で提示すべき情報はたくさんあるが、あんまり書きすぎても、読み手の想像力の余地を奪ってしまうという弊害が出てしまう。フラナリー・オコナーの作品はどれも、その塩梅が本当に絶妙で、話に入りこむための情報がぎゅっとまとめられつつ、でも読者に委ねられる余地も残っている。 ウィリアム・トレヴァーのように、登場人物の設定ですら10頁ぐらい読まないと全貌がつかめないというようなパターンと、まさに好対照。トレヴァーも好きだがオコナーも好き。

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2025/11/18

基本的には上巻と変わらない感想で、この作家はずっと一つのテーマを手に替え品を替え、追求していくタイプなのだなと改めて思った。執筆も後年寄りの作品が多いのか?より粒揃いでキレ味も増していて、文章も上巻では景色や光景を浮かべるのに苦労した箇所が結構あったけど(訳文の出来とは無関係な問...

基本的には上巻と変わらない感想で、この作家はずっと一つのテーマを手に替え品を替え、追求していくタイプなのだなと改めて思った。執筆も後年寄りの作品が多いのか?より粒揃いでキレ味も増していて、文章も上巻では景色や光景を浮かべるのに苦労した箇所が結構あったけど(訳文の出来とは無関係な問題で)、そういうのも少なく物語に入りやすかった様に思う。なので、最初の3篇、「障害者優先」などは特に面白く読めた。ただ上巻の「善人はなかなかいない」、「田舎の善人」ほど屈指と言える突き抜けた作品はなく、そこだけ少し残念。

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2025/03/20

主に米国文学を手に取るなかで思いがけず本書と出会い、フラナリー・オコナーの存在を知った。人間の内奥に潜む醜さを率直且つ的確に表現する文筆力にはただただ驚くばかり。なかでも知能指数高く信仰心の厚い非行少年と神を否定するカウンセラーの対峙を描く「障害者優先」は短篇小説とは思えぬ深遠さ...

主に米国文学を手に取るなかで思いがけず本書と出会い、フラナリー・オコナーの存在を知った。人間の内奥に潜む醜さを率直且つ的確に表現する文筆力にはただただ驚くばかり。なかでも知能指数高く信仰心の厚い非行少年と神を否定するカウンセラーの対峙を描く「障害者優先」は短篇小説とは思えぬ深遠さ。著者が難病により若くして逝去されたのが惜しまれてならない

Posted by ブクログ