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何もかも憂鬱な夜に
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何もかも憂鬱な夜に

中村文則【著】

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何もかも憂鬱な夜に

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2009/03/10
JAN 9784087712872

何もかも憂鬱な夜に

¥770

商品レビュー

3.6

110件のお客様レビュー

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2024/11/06

生まれてすぐに捨てられて施設で育ち、刑務官として働く「僕」。「僕」の中に残る奇妙な記憶、そして以前付き合っていた彼女、「僕」の好意を裏切って再犯した男、同じ施設で育って自殺した友人と彼が残した日記、夫婦殺害で死刑判決を受けた19歳の若者。「僕」を導いてくれた施設長。青春期のぶつけ...

生まれてすぐに捨てられて施設で育ち、刑務官として働く「僕」。「僕」の中に残る奇妙な記憶、そして以前付き合っていた彼女、「僕」の好意を裏切って再犯した男、同じ施設で育って自殺した友人と彼が残した日記、夫婦殺害で死刑判決を受けた19歳の若者。「僕」を導いてくれた施設長。青春期のぶつけようのないモヤモヤした気分を生と死を通して描く。見事だ。 抑えようのないイライラ、そして性衝動。暴発すれば犯罪に走るか自殺するか、しかない。「僕」も同じような衝動に捉えられた経験があり、施設長に教えられたこの世界の素晴らしさと考え方を死刑囚の若者にも伝える。「僕」は若者の魂を救えるのか。 「自分以外の人間が考えたことを味わって自分でも考えろ。考えることで人間はどのようにでもなることができる。世界に何の意味もなかったとしても人間はその意味を自分で作り出すことができる」それが答えだ。 死刑宣告を受けた若者に言う。 「お前は今ここに確かにいるってことだよ。それならお前はもっと色んなことを知るべきだ。どれだけ素晴らしいものがここにあるのか。お前は知るべきだ。命は使うものなんだ」 そう、命は使うものなのですよ!死刑制度の賛否については2つの意見をバランスよく取り上げ答えを出さずに読者に委ねる。 そして話は、すとんと憑き物を落として終わる。もうこんなイライラが懐かしいくらい過去のものになった自分だからこそ、すとんと落ちたが、若い頃に読んだら違う印象を受けたのだろうなとも思うけど。

Posted by ブクログ

2024/09/07

人が人を裁くとは何なのか。 ここで描かれる刑の執行や罪を犯した者への接した方はネット上で散見されるようなセンセーショナルなものではない。 淡々とし、絶望も希望も何もない。本人がやらかした事=罪に対して罰があるのだからそれでいいという人もいるかもしれない。 死刑とは人が人を満足させ...

人が人を裁くとは何なのか。 ここで描かれる刑の執行や罪を犯した者への接した方はネット上で散見されるようなセンセーショナルなものではない。 淡々とし、絶望も希望も何もない。本人がやらかした事=罪に対して罰があるのだからそれでいいという人もいるかもしれない。 死刑とは人が人を満足させるための娯楽ではない。村上龍はかつて青春の青さを限りなく透明に近いブルーと表現したが、ここで描かれるのは全てが灰色に染まった人間の日々である。

Posted by ブクログ

2024/07/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

孤児院あがりで刑務官を務める主人公が受刑者や自らの生い立ちを見つめて人が人を裁くことや死刑制度と向き合う物語。 辿々しく曖昧な文章が多いが自分の気持ち等を上手く言語化できないのは壮絶な来歴がゆえだと思うと納得できる。人でなしの受刑者に影響されてやさぐれだ主人公がまた蘇生していくきっかけに劇的なものがない。でも実際はそんなもんだろうとも感じる。刑務官の先輩の「一番聞いていて辛いのが、死刑存続か、廃止か、という言葉だ。 ・・・・・・それなら廃止でなくて、 停止にするべきだろ。じゃないと、過去に俺達がやってきたことが、全て間違っていたってことにな る......。それは身勝手過ぎるじゃないか」が一番心にずしんときた。

Posted by ブクログ

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