感傷旅行 Tanabe Seiko Collection 3 ポプラ文庫

田辺聖子【著】

• 販売会社／発売会社: ポプラ社
• 発売年月日: 2009/02/05
• JAN: 9784591108352

商品レビュー

2025/05/14

　朝ドラ『芋たこなんきん』（長川千佳子, 2006〜2007）再放送の視聴から気になっていたが、ようやく。どマイナーな作家／作品ではないはずだが、大型新刊書店でもなかなか見かけないのは何故？
　子どものように夢見てはいなくて、若者のようなむちゃで情熱的なものは無く、老人のように達観しているわけでもない——おそらくは30〜50代の、“おばさん”と呼ばれる年齢の女性たちの描写が巧み。家庭・近所・職場といった自分の周りに確かにいると感じるほど、彼女たちの言動のアホさと正直さは等身大だ。
　パートナーがいることの疎ましさ・安心感／いないことの気軽さ・寂しさが並立し、混在する人間の心理が、「難儀だけど、まぁ仕方ないか」と言わんばかりの軽やかな文体で綴られている。グチャグチャのドロドロな展開になりがちなのに、クスッと笑えてスッキリとする読み心地。作者が生身の人と世の中をきちんと“視て”書いているためか、昨今の小説にありがちな「台詞くさい台詞」は全然無い。

2022/09/15

田辺聖子短編集。芥川賞を受賞した標題作を含めて4作の短編を掲載。
田辺聖子さんは、みんなが疲れ直しに読むような、慰めになるような小説を書きたいと。登場人物の会話がおかしくって笑っちゃうっていうような、そんな小説を書きたいと巻末をありました。
なかなかに魅力的で、愛すべき登場人物に、田辺聖子さんの人柄を感じさせます。

2022/09/03

旅に絡めて男女の機微について書いてあった。
旅先の感動を主にするのか、女の視点に惹かれて読むのか迷いながら読み進める。
どちらもいいなぁと思う。
また時間があったら読もう。