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悲しみよこんにちは 新潮文庫
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悲しみよこんにちは 新潮文庫

フランソワーズサガン【著】, 河野万里子【訳】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2008/12/22
JAN 9784102118283

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商品レビュー

4

396件のお客様レビュー

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2010/01/15

才能に脱帽

眩しい太陽、南仏の海、松林。煌めく夏に包まれて、少女は想いをめぐらせる。思春期の少女だけに許される、ある種の残酷さと傲慢さ、危うい魅力。それを余すことなく描ききった18歳のサガン……その才能に脱帽。

yui

2026/02/07

 父親の恋愛をまるで自分のことのように捉え、無意識のうちにコントロールしてしまう。自分とは価値観が異なる人間を、制御できない異物のように感じて遠ざけてしまいたくなる瞬間。手放したいけど自分のせいで失うのは耐えられない。刹那の感情に振り回され、先々の実感しにくい幸福を自ら捨ててしま...

 父親の恋愛をまるで自分のことのように捉え、無意識のうちにコントロールしてしまう。自分とは価値観が異なる人間を、制御できない異物のように感じて遠ざけてしまいたくなる瞬間。手放したいけど自分のせいで失うのは耐えられない。刹那の感情に振り回され、先々の実感しにくい幸福を自ら捨ててしまう。そういった少女から女性へと移り変わっていく時期の心理描写が見事だった。

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2026/02/01

南フランスの別荘を舞台に、一夏のバカンスで起こった恋愛が主人公セシルの回想のような形で描かれる。セシルは17歳。母を15年前に亡くし、プレイボーイな父と2人で暮らしている。 南フランスの別荘へバカンスに来たセシルと父レイモン、そして愛人のエルザ。ある日、レイモンは別荘にアンヌとい...

南フランスの別荘を舞台に、一夏のバカンスで起こった恋愛が主人公セシルの回想のような形で描かれる。セシルは17歳。母を15年前に亡くし、プレイボーイな父と2人で暮らしている。 南フランスの別荘へバカンスに来たセシルと父レイモン、そして愛人のエルザ。ある日、レイモンは別荘にアンヌという、亡くなった妻の友人である女性を招待する。アンヌは地位も教養もある立派な女性で、セシルは彼女から女性というものを学んだのだった。この「超然的な」女性の訪問は、3人の生活を一変させる。 レイモン、エルザ、アンヌの三角関係や、セシルとレイモンの父娘関係、セシルとシリルの恋愛関係が、「悲しみ」のベール越しに語られる。 フランス文学を読んだのは『ボヴァリー夫人』ぶりだったが、良い意味でフランス文学特有の長ったらしさや回りくどさみたいなものがなくて読みやすかった。セシルの17歳らしい感情の機微が、回想の体をとることで細やかに巧みに表現されていて、少女らしさと女性らしさの入り混じった描写がとても良かった。恋愛における性的な匂わせも、生々しくなく、かといって神秘的でもなく、重くも軽くもなく、まるで詩の一節を読んでいるようだった。全体として、一つの芸術作品を見ているかのような、詩的で、絵画的でもあって、音楽的でもある、そんな小説のように感じた。 セシルの少女ゆえの未熟な愛と、大人の女性であるアンヌの超越した愛、レイモンの軽薄な愛やシリルの実直な愛、そして愛を語らないエルザを含めたその他大勢のレイモンの愛人たち、様々な形の「愛」が美しく多彩な言葉で綴られる。善悪や正解不正解といった価値観が登場せず、人物のもつ愛をそれぞれの姿のままに描いているのも、芸術作品のように浸ることができる要因だろう。 焼け付くような夏と肌に滲みる水、甘美な恋と闇に葬られた悲しみ、大人と子どもの境界を生きる少女だからこそ見るのことのできた「あの夏」であった。

Posted by ブクログ