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フジコ・ヘミング 魂のピアニスト 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2008/10/27 |
JAN | 9784101361918 |
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フジコ・ヘミング 魂のピアニスト
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商品レビュー
3.8
8件のお客様レビュー
CDや演奏会で彼女の演奏に触れていると、表現することの切実さ、そうとしか表現し得ないもの、そういうものに出会う。 音程を外さないように弾くこと、間違えずに弾くこと、正しいリズムで弾くこと、確かにこういったものは見やすくてわかりやすい。素晴らしいことかもしれないし、誰かに教える上で...
CDや演奏会で彼女の演奏に触れていると、表現することの切実さ、そうとしか表現し得ないもの、そういうものに出会う。 音程を外さないように弾くこと、間違えずに弾くこと、正しいリズムで弾くこと、確かにこういったものは見やすくてわかりやすい。素晴らしいことかもしれないし、誰かに教える上で手っ取り早く伝達する術なのかもしれない。 けれど存在というものは必ずしもそんな風にはなっていない。音程なんて時代や場所で異なるし、どんな理屈で調律しているかベースにしている文化でもまちまち。楽譜通り間違えずに弾くことは表現者の考える力を奪う。記譜上そうとしか書けなかっただけで本当は何かもっと別なものが含まれているかもしれない。リズムだって決まり通り正しくやっていたら面白みに欠けるし、飽きが来る。正しい演奏というものは果たして何を表しているだろうか。正しく演奏するということで一体何が表現されるというのだろうか。 必要な技やルールを知ることという意味で正しく演奏することは大事だ。しかしそれ以上にそうした必要な技やルールは一体なぜ存在せざるを得なかったのだろうか。人間は身体のつくりは確かに同じだが、個性がある。必要な技やルールではなくてもできることやそうしなくてももっといい方法がある場合もある。表現するとはその瀬戸際で、そう演奏せざるを得なかったというひとりの人間の歩いてきた道のりだと思う。 ほんとうにここまで長い道のりを、歩いてきて舞台に立たれている。その姿を見るだけで、ピアノ音がショパンがリストがドビュッシーがエスコートしてくれているのではないか、そんな風に思えて仕方がない。
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フジコさん、天使みたいな人。 きれいな世界しか知らない天使ではなくて、哀しみや醜さを知ってもなお、飛ぶことをあきらめなかった人だ。
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苦労の連続の人生だけれど、この本ではそれほど重く感じさせず、むしろほほえましく感じた。フジコさんの心にしみる演奏が思い起こされる。また聴きたくなった。
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