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内容紹介 | 桜の森の満開の下は怖ろしい。妖しいほどに美しい残酷な女は掻き消えて花びらとなり、冷たい虚空がはりつめている。女性とは何なのか。肉体と魂、男と女。安吾にとってそれを問い続けることは自分を見つめること。淫蕩、可憐、遊び、退屈……すべては〈悲しみ〉へと収斂する。 |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2008/10/18 |
JAN | 9784003118221 |
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桜の森の満開の下・白痴 他十二篇
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桜の森の満開の下・白痴 他十二篇
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商品レビュー
4.3
71件のお客様レビュー
情痴作家って言葉、すごいなって思ったけどたしかに恋愛、女、情欲にかかわる話が多かった。そういうのを選んで編纂したんだろうか。エロいし浮気なのに爽やか、誠実、孤独、悪魔的という感じの女性像。 谷崎潤一郎や泉鏡花を読んでみようと思った。不連続殺人事件と私は海を抱きしめていたいも読みた...
情痴作家って言葉、すごいなって思ったけどたしかに恋愛、女、情欲にかかわる話が多かった。そういうのを選んで編纂したんだろうか。エロいし浮気なのに爽やか、誠実、孤独、悪魔的という感じの女性像。 谷崎潤一郎や泉鏡花を読んでみようと思った。不連続殺人事件と私は海を抱きしめていたいも読みたい。
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坂口安吾の世界観にとても惹き込まれた。限りある人生のなかで心をかきむしり続ける恋の不思議に触れたように感じました。 プラトニックか肉欲かという葛藤、人の浮気性、利己的か利他的か、人間のもつ苦しい業をここまで描くのかと驚きでした。しかもそれらを批判的ではなくて人間の美しさとして...
坂口安吾の世界観にとても惹き込まれた。限りある人生のなかで心をかきむしり続ける恋の不思議に触れたように感じました。 プラトニックか肉欲かという葛藤、人の浮気性、利己的か利他的か、人間のもつ苦しい業をここまで描くのかと驚きでした。しかもそれらを批判的ではなくて人間の美しさとして肯定的なところがどこかしら感じられました。読み終わって安吾の堕落論にみられる人間が持つ欲するものを欲する精神の悲しさと美しさがわかった気がしました。 個人的には『恋をしに行く』と『夜長姫と耳男』が好きでした。恋をしに行くは最後まで精神か肉体かの対立が明確で、それを踏まえて迎えるラストは清々しくもどこか虚しい。夜長姫と耳男は終始グロい黒さが漂うのにとても静謐な感じが好きでした。
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一篇目の『風博士』で狐に摘まれたような気分になり、はやくも頭の中では仕事帰りにBOOKOFFで売り払うこと考えつつ、しかし頑張ってのりこえ、そこから先は天国。痴情作家といわれるらしいが、個人的にはそうは思わなかった。男女の関係はいわば生物学の基本で、人間感情の基本でもあるわけで、...
一篇目の『風博士』で狐に摘まれたような気分になり、はやくも頭の中では仕事帰りにBOOKOFFで売り払うこと考えつつ、しかし頑張ってのりこえ、そこから先は天国。痴情作家といわれるらしいが、個人的にはそうは思わなかった。男女の関係はいわば生物学の基本で、人間感情の基本でもあるわけで、言ってしまえば政治小説とかの方が異常。それはさておき、痴情というからテッキリ小澤さん甘いよ、甘すぎるよーな筋かと思いきや、自分が完全にこの作家に対して無知から入った所為もあるが、戦争と切っても切れないような作品ばかりで、面食らった。解説曰く、作者は谷崎潤一郎に若い頃憧れていたらしく、言われてみれば系統的に似ていると思うが、同じく解説曰く、系統は似ていても中身はやはり違う、具体的には、谷崎文学は被虐愛で、作者のは奇怪な性格の女性を前にして聖のような主人公の性格が浮き彫にされる感じらしい。確かに、別に被虐愛に溺れている感じではない。『卍』のようなヒョエーな感じはない。思うに、太宰治とは別系統ながら女性に対する観察が鋭いのかなとも思った。思っただけ。期待せずに、それどころかむしろ恐る恐る読んだのでほとんどメモも何ものこさなかった。また近いうちに再読したい。 総じて言えるのは、男女関係の深層に孤独が巣食っている感じ。
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