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マーティン・ドレスラーの夢 白水Uブックス171
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マーティン・ドレスラーの夢 白水Uブックス171

スティーヴンミルハウザー【著】, 柴田元幸【訳】

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マーティン・ドレスラーの夢 白水Uブックス171

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 白水社
発売年月日 2008/08/30
JAN 9784560071717

マーティン・ドレスラーの夢

¥1,375

商品レビュー

4.2

17件のお客様レビュー

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2023/11/16

この本を読みながら、会社の友人が書いた一つの概念図を思い出してました。 横軸が時代、縦軸がニーズ。そこにやや右上がりの幅広の帯があり、ユーザー―ニーズと書かれています。そしてその帯を急な右上がりで貫く一本の線は製品です。最初の製品はユーザーニーズを満たしていませんが、時代を経るに...

この本を読みながら、会社の友人が書いた一つの概念図を思い出してました。 横軸が時代、縦軸がニーズ。そこにやや右上がりの幅広の帯があり、ユーザー―ニーズと書かれています。そしてその帯を急な右上がりで貫く一本の線は製品です。最初の製品はユーザーニーズを満たしていませんが、時代を経るにつれニーズを満たすようになり、やがて突き抜ける。つまり過剰装備に陥り、あるいはガラパゴス化する。 主人公は青年・ドレスラー。親の営む葉巻商店の改善を皮切りに、ホテルに勤務で頭角を現す。ホテルを飛び出してからは、自ら起業したレストランチェーンを成功させ、ホテル業界(日本には珍しい居住者型のホテル)に戻っても次々と新機軸を打ち出して大成功するが・・・。 最終的にはユーザーニーズを突き抜けてしまい、居住者が埋まらず、破産。でもあまり敗北感は無いのです。もともと経済的な成功をより自分の「思い」をホテルという形にすることにこだわった主人公です。その「思い」が一般に受け入れられなかったことを理解した主人公が抱いたのは、どこか寂寞とした達成感の様です。 もう一人の重要人物が主人公の妻・キャロリン。美人だが捉えどころがない。常に頭が痛いと言ってソファーから立ち上がらない。病気を口実に家族を支配する。性生活もおざなりで結婚後ほどなくしてセックスレスになる。一方キャロリンの妹・エメリンは美人ではないが、活動的で頭も良い。ドレスラーと常に行動を共にし、右腕としてホテルの副支配人として活躍する。それでもドレスラーは美人というだけの姉を取り続ける。 細部まで緻密な描写で、ところどころに強烈な状況の羅列があって、それが作者の文体らしいのですが、個人的にはやや苦手。 ピュリッツァー賞受賞作品だけあって読みごたえがありました。ミルハウザーさん、一作だけでなく読み込んで行くほどに味の出そうな作家さんですが。。。。

Posted by ブクログ

2018/11/18

20世紀初頭のニューヨークを舞台にした一人の男の物語。 この小説の原語タイトル「Martin Dressler The Tale of an American Dreamer」のとおり、マーティン・ドレスラーという青年の 絵に描いたようなアメリカン・ドリームとして話は進む。 ...

20世紀初頭のニューヨークを舞台にした一人の男の物語。 この小説の原語タイトル「Martin Dressler The Tale of an American Dreamer」のとおり、マーティン・ドレスラーという青年の 絵に描いたようなアメリカン・ドリームとして話は進む。 小さな葉巻商の息子として生まれたマーティンが、ホテルのパートタイマーから始まって順調に成功を重ね、ホテルの経営者にまで昇りつめる。 と、ここまではサクセス・ストーリーなんだけれど、マーティンのあくなき成功への欲望が半ば狂気とも思える様相を呈し始めた辺りから、物語はそれまでと少し違う展開を見せる。 彼の描くホテルのコンセプトや、そのコンセプトを具現化したホテルの描写に相当な行数を費やしていて、これがこの小説の肝と言えるところ。20世紀初頭が舞台だから、SFということでは決してないのに、何か近未来を思わせるような描写が続いて、これを追っていくと、何だかマーティンの狂気が狂気と思えなくなるような錯覚に陥る。んん、してやられた。 最終的にマーティンが現実をしっかり認めたところに救いが感じられたので、読後感はマル。 話の中心部分ではないけれど、個人的には、揺れるマーティンの恋心を描いた部分が印象的。独身で特定の彼女もいない時期のことだから、浮気とか二股の心配をする必要などまったくないのに、一人で勝手に揺れている心情が瑞々しく書かれていて、なんだかくすぐったい。 ところで、ワタシは単行本ではなくて、この8月に出た白水Uブックス版を読んだのだけれど、このUブックスはサイズが微妙。新書より少~しだけ背が高くて、市販の新書ブックカバーにおさまらない。なんでこんな微妙なサイズにしたんだか。

Posted by ブクログ

2018/10/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ミルハウザーは岸本佐知子訳、と認識してたのに、いつの間にか柴田元幸訳になってる。ポール・オースター翻訳現象か? ミルハウザーは白水社Uブックス率がすごく高い。担当に気に入られているんだろうか?

Posted by ブクログ

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