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モッキンポット師の後始末 講談社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 1986/07/01 |
JAN | 9784061312586 |
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モッキンポット師の後始末
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モッキンポット師の後始末
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商品レビュー
3.8
27件のお客様レビュー
▼中高生の頃、というと1980年代だったんですが。携帯以前、そして書籍界的には「BOOKOFF以前」だったあの頃、首都圏郊外の小さな「駅前本屋さん」の文庫本コーナーに文字通り日参していました。毎日買うわけではなく、毎日のように文庫本コーナーで、文庫本の「背表紙の紹介文」をとっかえ...
▼中高生の頃、というと1980年代だったんですが。携帯以前、そして書籍界的には「BOOKOFF以前」だったあの頃、首都圏郊外の小さな「駅前本屋さん」の文庫本コーナーに文字通り日参していました。毎日買うわけではなく、毎日のように文庫本コーナーで、文庫本の「背表紙の紹介文」をとっかえひっかえ読む。割と毎日のように読む。当然ながら同じものを何度も読む。そうやって気になったものをやがて買う。同じような思い出がある人は、この世代には多いはず。 ▼そんな時期によく井上ひさしさんを読んでいました。そして、この本はその頃からのお付き合いで、なんだけどなんとなくご縁がなく未読だったグループの一員。幾星霜を経て特段深い意味は無く読んでみました(近所のBOOKOFFで安く売っていたから)。 ▼終戦後数年の東京、東北から来た大学生、半自伝的。貧乏暮らし、毎日空腹。食べるがために、悪友たちと、あの手この手の悪だくみ。毎回失敗、抱腹絶倒、今日も夕日が目に染みる…。という青春爆笑小説です。実に井上ひさしさんの得意なゾーン。 ▼何より素敵なのが、タイトルになっている「モッキンポット師」。この人は主人公じゃありません。主人公は一人称の大学生含めた三人組。この三人は(井上ひさしさんと同じく)カトリック信者なんです。とはいっても敬虔な信者であるというよりは、恐らく全員が「親とか、そういう理由でなんとなくカトリック」なだけ。そしてモッキンポット師はこの三人が身を寄せるカトリック団体の学生寮の寮長さんである神父さん(イタリア人)。来日歴が長いので、日本語がペラペラなんだけど、それが関西弁である。そしてモッキンポット師は毎回毎回、この三人組の尻ぬぐいに東奔西走させられます(この小説は連作短編です。恐らく月刊誌掲載だったのでは)。 ▼このモッキンポット師と、悪だくみ三人組とのやりとりが面白い。「全く神も仏も無いですよ」「仏さんは知らへんけどな、神様はおんなはんで」みたいな。連作短編のはじめ2~3編は、瞠目するオモシロサ。本当に爆笑もので、「これは井上ひさしさんの最高傑作…少なくともAAA級の作品グループに入る」と思いました。「本当に笑える日本のユーモア小説ベストテン」があったら個人的にはランクイン。浅草フランス座事件、などはほんとに息が苦しくなるくらい笑いました。 ▼後半はちょっとパワーダウンかな、と。何しろこれだけ爆笑できるオモシロサ、というのは、縦軸のドラマ性とかっていう野暮なものが無いから面白いのであって、「爆笑できる」ということと、「後半終盤まで見事な感動と展開に満ちている」、ということは基本的に矛盾しますからね。
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聖パウロ学生寮で生活をすることになった小松という青年が、悪友の土田、日野とともにさまざまなアルバイトに手を出しては失敗し、その尻ぬぐいに寮長であるモッキンポット神父が奔走するユーモア小説です。 三人の学生たちに振りまわされるモッキンポット師は、コテコテの関西弁をしゃべるアクの強...
聖パウロ学生寮で生活をすることになった小松という青年が、悪友の土田、日野とともにさまざまなアルバイトに手を出しては失敗し、その尻ぬぐいに寮長であるモッキンポット神父が奔走するユーモア小説です。 三人の学生たちに振りまわされるモッキンポット師は、コテコテの関西弁をしゃべるアクの強いキャラクターですが、彼のひろく深い慈愛のまなざしのもとで、三人の学生の自由気ままな振る舞いが成り立っており、そんな彼にキリスト教の信仰に裏打ちされた強さをかいま見るようにも感じました。 ただ古い作品だけに、ユーモア・センスが現代の読者の感覚からズレてしまっているように感じられたのもたしかです。エンターテインメント性の強い作品は、やはり賞味期限が短いところが弱点なのかもしれません。
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井上ひさしの連作小説『モッキンポット師の後始末』を読みました。 『東慶寺花だより』に続き、井上ひさしの作品です。 -----story------------- 食うために突飛なアイディアをひねり出しては珍バイトを始めるが、必ず一騒動起すカトリック学生寮の“不良”学生3人組。 ...
井上ひさしの連作小説『モッキンポット師の後始末』を読みました。 『東慶寺花だより』に続き、井上ひさしの作品です。 -----story------------- 食うために突飛なアイディアをひねり出しては珍バイトを始めるが、必ず一騒動起すカトリック学生寮の“不良”学生3人組。 いつもその尻ぬぐいをさせられ、苦りきる指導神父モッキンポット師──ドジで間抜けな人間に愛着する著者が、お人好し神父と悪ヂエ学生の行状を軽快に描く笑いとユーモア溢れる快作。 ----------------------- 1971年(昭和46年)から1972年(昭和47年)に、講談社発行の月刊小説誌『小説現代』に発表されたモッキンポット師シリーズの5篇を収録した作品です。 ■一 モッキンポット師の後始末 ■二 聖パウロ学生寮の没落 ■三 聖ピーター銀行の破産 ■四 逢初一号館の奇蹟 ■五 モッキンポット師の三度笠 ■あとがきにかえて── ■解説 松田修 ■年譜 昭和30年頃の東京を舞台に貧乏学生の主人公・小松と寮友・土田、日野の不良学生3人組が巻き起こす騒動… 草野球向けの野球臨時要員派遣業を結成したり、アメリカからの救済衣料を着服したり、捨てられてるパンの耳からパン粉製造販売したり、犬の訓練業に手を出したり、大衆演劇の舞台に立ったり、、、 発想豊かなで犯罪まがいの珍バイトを次々と考え出し、それぞれ最初は成功するものの、慢心等から失敗することの繰り返し、それを関西弁を喋るモッキンポット神父が後始末するという展開… しかし、モッキンポット師の善意は空回りし、何度も裏切られ、最後は旅回り一座の舞台に立った事を咎められ本国送還されてしまいます。 井上ひさしの半生がベースの半自伝的ユーモア小説でしたね… 登場人物が生き生きと描かれているところが印象的でした、、、 読みやすく軽快な文章でしたが、流石に時代が違い過ぎるせいか、物語に入り込めませんでしたねー ちょっと物足りなさを感じました。
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