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内容紹介 | 中学校教諭生活を終える女性教師の、最後のホームルームでの「告白」。それは「愛娘を殺害した犯人がこの教室の中にいる」という衝撃的なものであった。事件とその後を関係者の視点で描く。登場人物達の告白により事件の真相が明るみになると同時に、価値観の歪みの連鎖は衝撃の結末を生む。読者の心理にまで迫る戦慄…これぞミステリ!序章「聖職者」は第29回小説推理新人賞受賞作。 |
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販売会社/発売会社 | 双葉社 |
発売年月日 | 2008/08/07 |
JAN | 9784575236286 |
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湊かなえ著『告白』(双葉社) 2008.8発行 2024.5.8読了 登場人物の誰一人として同情できない、これぞイヤミスの女王の処女作、と称すべき会心の一作だった。湊かなえの代表作といって間違いないだろう。ここまで人をこき下ろした作品は、ちょっと普通は書けない。森口悠子先生は本...
湊かなえ著『告白』(双葉社) 2008.8発行 2024.5.8読了 登場人物の誰一人として同情できない、これぞイヤミスの女王の処女作、と称すべき会心の一作だった。湊かなえの代表作といって間違いないだろう。ここまで人をこき下ろした作品は、ちょっと普通は書けない。森口悠子先生は本作の狂言回し的な役割を果たしている重要な登場人物だが、他の登場人物の主義主張が人格障害者のそれに似たり寄ったりであるのに対し、森口悠子先生の主義主張は理路整然としたものがあり、よって、作者が最も伝えたいメッセージであったのだろうと推測される。 教育者としての職業倫理、犯罪被害者遺族が加害者に抱く憎悪の解消法、加害者を勘違いさせる少年法の規定、刑罰を科す意味や目的について。 森口悠子先生は、刑罰を「目には目を、歯には歯を」の応酬刑と捉え、司法の力で加害者に制裁効果を与えられないときは、当事者が直接加害者に制裁を加えても構わないと考えた。それは、自身が中学校教師であるという事情を加味しても揺るがず、むしろ先生の職業倫理においては「生徒を対等に扱っている」ということになるのだろう。 湊かなえは過去に森口悠子先生と似たような立場になったことがあるのだろうか。最初から最後まで衝撃的な一作であった。 https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009436048
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「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」 我が子を校内で亡くした中学校の女性教師森口によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。 語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的な...
「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」 我が子を校内で亡くした中学校の女性教師森口によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。 語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。衝撃的なラストを巡り物議を醸した、イヤミスの女王・湊かなえのデビュー作にして、第6回本屋大賞受賞のベストセラー。 自分だけの世界に浸り肥大した承認欲求をもてあまし命の価値を実感出来ない思春期の生徒、娘を殺した生徒に対して巧妙に仕組まれた復讐を仕掛ける担任教師森口、犯人生徒、犯人生徒のひとりに片思いする女子生徒の視点から描かれる森口の復讐から浮かび上がるのは、思春期の生徒の独り善がりな正義感や自分の感情と承認欲求しか大事に出来ず命の価値を実感出来ない歪んだ心理(特に自分の才能を発揮して自分を捨てた母を振り向かせたい一心で起こしたのが殺人だった主犯の生徒のサイコな心理や女性教師森口に操られているとも知らず主犯の生徒をいじめる生徒の独り善がりな正義感など)、息子を美化するあまり本性が見えず悲劇的な結末を迎える犯人の一人の生徒の母と熱血教師でいようとするあまりクラスの実態に気づかない熱血教師ウェルテル、復讐の果てにあるとことん救いのない結末まで、アンチ学園ドラマイズムで描き抜く、逆説的命の授業的な傑作イヤミス小説です。 「あなた方は嘘をつくのが上手いですから」「誤った生徒に自分の罪を認めさせ命の大切さを実感して欲しい。自らの犯した罪の重さを知り、それを背負って生きて欲しい」「法律が許しても私はあなたを許しません」「これが私の復讐です。本当の地獄。ここからあなたの本当の更正が始まるんです」
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とってもおもしろかった!楽しい気分にはならない内容だが、どの章も引き込まれる!読み終わった後、もう一度読み返してみて、なるほど、こういうことね、と納得を重ねていった。
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