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ドリアン・グレイの画像 岩波文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 1936/09/30 |
| JAN | 9784003224519 |
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ドリアン・グレイの画像
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ドリアン・グレイの画像
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商品レビュー
4.2
16件のお客様レビュー
古本市で岩波文庫赤版をまとめ買い。その中からのレビュー第2弾。 ちなみに私が読んだのは旧版の「ドリアン・グレイの画像」で、現在岩波文庫から新訳版で刊行されている「ドリアン・グレイの肖像」ではない。でも旧版でも古臭さを感じなかった。それは翻訳が清新で、年数の経過をものともしないとい...
古本市で岩波文庫赤版をまとめ買い。その中からのレビュー第2弾。 ちなみに私が読んだのは旧版の「ドリアン・グレイの画像」で、現在岩波文庫から新訳版で刊行されている「ドリアン・グレイの肖像」ではない。でも旧版でも古臭さを感じなかった。それは翻訳が清新で、年数の経過をものともしないということだ。 この小説を数章読むだけで、登場人物の造形がほかの小説では見られない独特な色彩をもっていることに気づいた。例をあげてみよう。 ・ヘンリー・ウォットン卿のシニシズム(この本の訳者はそれを「皮肉癖」と書く)。しかし冷笑と言うのとは違う。教養を織り交ぜ(たぎらせ)つつ、箴言を発するように言葉でまとめないと気が済まないのだ。そう、まるで芥川龍之介の「侏儒の言葉」のように。 ・画家バジル・ホールワードの、自分が描いたドリアン・グレイの肖像画に対する倒錯的な心酔。それ以上に、肖像画と現実のモデルとの同一化による心酔。 ・ドリアン・グレイが自己の美しさを永遠に持ち続けたいために彼が選んだ方法。それは信仰や博愛などの善なるものではなかった。彼は自分が美しいゆえに、自分には選ぶ特権があると考えた。そして彼が選んだものは、驕奢、放埓、快楽。その結果、この小説の終幕で彼は自分自身の“美”から、極めて“芸術的な”返答を得る。 これはまさに三島由紀夫の小説のようではないか。ああ、英国をはじめとする世界中の人々は、実在しそうでしない“美を纏う者”が存在する世界を、オスカー・ワイルドの作品から読んでいたのだ。しかし私はそれを三島由紀夫の作品から読んでいた。つまり、私が三島由紀夫のオリジナルと思っていた数々の人物造形は、もしかしたらワイルドに原型があるのかもしれない。 いや、こんな考えは不毛だ。ワイルドだって、エドガー・アラン・ポーの小説の影響下で作品化したかもしれないのだ。考えたって意味がない。 それにしても、ドリアン・グレイに対して、自分自身もそして他者も、肖像画のように永遠の美を求め続ける考え方は、現代に生きる私たちが、例えば女性アイドルに可憐さや処女性を求めるように、いつの時代でも不変のテーマなのかもしれない。しかしそれが現実的でないのはアイドルの例のとおり私たちは痛いほど知っている。では私たちはどうすべきか? もちろん私自身はドリアン・グレイのように美を纏ってはおらず、泥にまみれながら生きている現実的存在に過ぎない。したがってこの小説を自分の実生活と比較しながら読んでもまったく面白くない。それで私はこの小説をどう読めばいいのか? この小説はモナ・リザのように材質上は劣化が進んでいるかもしれない。だがフレーズの1つ1つを注意深く見れば、綺羅星のように輝くものが多く隠れている。したがってこの小説から宝石を取り出すように気に入ったフレーズを抽出してコレクションすれば、この小説がたとえ古びているとしても、いつの時代でも読後の喜びへと昇華できるのかな、と私は考えた。 ヘンリー卿「実意のある人間は恋愛の些末な側面しか知らないものだ。恋愛の悲劇を知るは不実の徒なりだ。」そういってヘンリー卿は趣味のいい銀のケースで火をつけて、自分を意識した満足げな様子でたばこを吸いはじめた。一言にして全宇宙の真髄を要約しつくしたといわんばかりに。 バジル「芸術家は美しいものを創造すべきではあるが、しかしそのなかにいささかも自己の人生を注ぎこむべきではない。現代は芸術がまるで自伝の一形式にすぎないようなとり扱いをうけている。ぼくらは抽象的な美の感覚を失ってしまった。他日ぼくはそれがどんなものであるかを世間に見せてやる。だからドリアン・グレイ像は断じて公開しないのだ。」 ドリアンに関してのヘンリー卿の感想「かれは、また、ひとつの驚嘆すべき典型なのだ…優雅はかれのものであり、少年らしいあの純白も、古代ギリシアの大理石がとどめてくれているような美も、かれのものなのだ。かれにたいしてできないことなどひとつもない…このような美しいものが褪せるべき運命にあるとはなんと残念なことであろうか!…」
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美しかった。 ヘンリー卿は実に魅力的だ。彼の吐く言葉が毒であったとしても、それは魅惑されずにはおられない美しい毒だ。
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登場人物の考えや動機付けが適当で、しっくりこない。 ディティールが適当で、リアリティーが感じられない。 ネタありきで、後は終わらせるためにダラダラ書かれた感じを受ける。 あと、この本の会話部分は洒脱で皮肉な感じだが個人的にどうも好かん。
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