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「死の棘」日記 新潮文庫
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「死の棘」日記 新潮文庫

島尾敏雄【著】

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「死の棘」日記 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2008/07/28
JAN 9784101164052

「死の棘」日記

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商品レビュー

3.2

6件のお客様レビュー

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2025/11/26
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※このレビューにはネタバレを含みます

単行本は「死の棘日記」2005年。 文庫化が「「死の棘」日記」2008年。本書。 で、ミホ夫人の死後、2010年に「島尾敏雄日記―『死の棘』までの日々―」が刊行されている。 逆にいえば、赤裸々とはいえ、ミホ夫人監修であるということ。 あとがきも書いているくらいだし。 期間としては、1年4ヶ月。 面白いのは、「死の棘」のその後、島へ渡って(ミホ夫人の視点では島へ戻って)からも描かれている点。 「死の棘」と開始は同じだが、「死の棘」の半年後くらいまで、収録されている。 そのころからは急激にカトリックの記述が増えるのも、興味深い。 これはトシオの悔恨や告解なのか、ミホに合わせたのか。 のちに書かれた「死の棘」が、この日記から取捨選択されていることが、よーくわかった。 で、小説化するにあたって、文体の工夫が施された。 その効果は抜群で、「死の棘」を思い出すと、壮絶なのにおかしみもあるという、美味しい味つけ。 この日記の「無限地獄ぶり」は、小説よりおそらく執拗で、よくなりそうに思った翌日にまた……という、繰り返し。 果ては、本書の最後のほうでは、「●」と「○」が日付のあとに記されているが、これってたぶん、ミホの調子が悪い、いいを記号化しているのだ。 なかなかどうにも。 あと、子供たちへの目線は、小説ではなく日記ならではの記述のはずだが、……子らへの言及は多いのに、結構恬淡というか、子が視野のスポットライトの中心に、決してなっていないあたりが、また島尾敏雄の特徴なんではないか。 敢えて意地悪に表現するなら、フツーならアタマおかしいヨメなんか切り捨てるのがトーゼン、なんだけれど(子を守るためのヒロイズム)、逆にこのヨメ、小説のネタになりそーだから家族一丸となって地獄下りを甘受しよう、子らも道連れにするのもやぶさかではない、という、悪鬼の所業。 クロスロードで悪魔に魂売り渡したロバート・ジョンソンとか。 いやさすがに考えすぎか。 でも、まずこの日記と現在進行形で「われ深きふちより」に収められた諸作が書かれているわけだし、数十年後、夫の死後、これを編纂し発表するミホ。 どういう意識? リアリティショー(を数十年後に監修するがわに)? 自我の拡散? 共同制作? いずれにしても、「あの頃」をこすり続けることに加担しているのは間違いない。 ……みたいな作家論とか芸術論とかも気になるが、単純に、島尾敏雄の交友関係も面白い。 埴谷雄高、吉本隆明、庄野潤三、吉行淳之介、遠藤周作、武田泰淳、花田清輝、安岡章太郎、小島信夫、三浦朱門、曽野綾子、平野謙、奥野健男、邱永漢、山口瞳、etc…… あとはミホ入院かつトシオが子育ての数か月、家計簿も兼ねていて、当時の物価に思いを馳せるのも、面白かった。 解説で加藤陽子が「「本文をすべて読まれてこの解説まで辿り着いた方には、心からお疲れさまといい、生還を祝したい」と書いていて、笑った。 そしてこの解説文中で、夫妻の息子伸三の著作からの引用もあったが、それもまた読んでみたい……。 家族写真って、身を寄せ合って、いかにも仲良さげで幸せってこんなもんよといいたげな笑顔なのに、こんな業が裏面にびっしりと。 わかる、わかるぞトシオ、そしてミホ。 俺が中年になったからこそ、あなたたちの業に、共鳴できるのだ。 @ 「『死の棘』日記」刊行に寄せて 島尾ミホ 昭和二十九年九月  島尾敏雄、ミホ、伸三、マヤの一家は、昭和二十七年三月、神戸より東京都江戸川区小岩町四の一八一九に転居。敏雄は、都立向丘高等学校定時制の非常勤講師として、世界史と一般社会を担当。(翌年三月、退職)当時、伸三は六歳。マヤ、四歳。 十月  二十四日、ミホ、三十五歳の誕生日。 十一月 十二月 昭和三十年一月  十日、一家で敏雄の故郷である福島県相馬郡小高町へ行く。(二十日、帰京)/三十一日、ミホ、慶応病院神経科に入院。(三月三日、退院) 二月 三月  七日、ミホ、慶応病院に再入院。(三十日、退院)/九日、敏雄、伸三とマヤを連れて小高町へ。(十三日、帰京) 四月  七日、一家で千葉県佐倉市並木町八五に移る。/十七日、“事件”起こる。/十八日、敏雄、三十八歳の誕生日。 五月  三日、東京都豊島区池袋七の二○七一、林和子(ミホの従妹)方に移る。 六月  六日、ミホ、千葉県市川市の国立国府台病院精神科に入院。敏雄も連れ添う。/十九日、伸三とマヤ、林和子と共にミホの故郷である奄美大島へ。/二十七日、ミホ、持続睡眠治療に入る。(七月十日、投薬中止) 七月 八月 九月  六日、ミホ、冬眠治療に入る。(十月六日まで) 十月 十一月 十二月  三日、名瀬、大火に見舞われる。/十八日、敏雄の新刊「われ深きふちより」が河出書房より届く。 解説 加藤陽子

Posted by ブクログ

2022/04/11

著者の小説『死の棘』にえがかれることになった、著者と妻のミホとの凄惨なやりとりを記録した日記です。 昭和29年9月から30年12月までの、1年4か月の記録ですが、毎日のように「ミホ反応する」「もつれる」といった記述があり、救いのない日々が連綿とつづいていく様子が記されています。...

著者の小説『死の棘』にえがかれることになった、著者と妻のミホとの凄惨なやりとりを記録した日記です。 昭和29年9月から30年12月までの、1年4か月の記録ですが、毎日のように「ミホ反応する」「もつれる」といった記述があり、救いのない日々が連綿とつづいていく様子が記されています。 『死の棘』のトシオとミホのやりとりが、現実に存在していた家庭のすがたであったことが実感され、あらためて慄然とした気持ちにさせられます。加藤陽子の「解説」に、「本文をすべて読まれてこの解説まで辿り着いた方には、心からお疲れさまといい、生還を祝したい」と記されていますが、『死の棘』と同様に体力を根こそぎうばわれるような読書体験でした。

Posted by ブクログ

2020/07/01

両親がこれじゃあホントに子供がかわいそう。 ちゃんと奥さんや子供達の面倒見れる父親なんだよね。優しそうな感じだし。  この本だけでなく、島尾敏雄著の他のものも併せて読まないとここに至った背景は理解できない。そして その後のことも気になるなら、島尾伸三のものも含めて読むと良い。伸...

両親がこれじゃあホントに子供がかわいそう。 ちゃんと奥さんや子供達の面倒見れる父親なんだよね。優しそうな感じだし。  この本だけでなく、島尾敏雄著の他のものも併せて読まないとここに至った背景は理解できない。そして その後のことも気になるなら、島尾伸三のものも含めて読むと良い。伸三の妹や母親の晩年などが分かる。

Posted by ブクログ

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