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戦争は女の顔をしていない
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 群像社 |
| 発売年月日 | 2008/07/26 |
| JAN | 9784903619101 |

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商品レビュー
4.3
15件のお客様レビュー
聞き書きを集めたものなので、文章が難解というわけではない。しかしページを滑らかにめくって読める本ではなかった。途中で何度も本を閉じ、深呼吸をしていったん心を休めなければならなかった。あとがきにベラルーシ在住の訳者の友人がアレクシエーヴィチの作品を読むと「読みかけては涙が抑えられず...
聞き書きを集めたものなので、文章が難解というわけではない。しかしページを滑らかにめくって読める本ではなかった。途中で何度も本を閉じ、深呼吸をしていったん心を休めなければならなかった。あとがきにベラルーシ在住の訳者の友人がアレクシエーヴィチの作品を読むと「読みかけては涙が抑えられずなんども中断して野原に泣きに行った」というエピソードが紹介されているが、あながち大げさではないと思う。 つまり、女たちの声を介して、人間存在の真実が示されているのだ。しかも重厚なポリフォニーとして。この本をノンフィクションだとして、文学作品ではなく反則ではないかと言う人がいるとしたら、間違いだ。なぜなら人間存在の真実を如実にそして鮮明に示したものとして、ドストエフスキーの諸作に比肩するからだ。 具体的に見ていこう。例えばこういう証言がある。 「…ベニヤの標的は撃ったけど生きた人間を撃つのは難しかった。銃眼を通して見ているからすぐ近くにいるみたい…。私の中で何かが抵抗している。どうしても決心できない。私は気を取り直して引き金を引いた。彼は両腕を振り上げて、倒れた。死んだかどうかわからない。そのあとは震えがずっと激しくなった。恐怖心にとらわれた。私は人間を殺したんだ。この意識に慣れなければならなかった…これは女の仕事じゃない。憎んで、殺すなんて。自分自身を納得させなければならなかった。言い聞かせなければ…」(兵長・狙撃兵) また、こういう別の証言もある。 「想像できます?身重の女性が地雷を運ぶ…赤ん坊がもうできていたんですよ…。生きていたかった。もちろん怖がっていました。それでも運んでいた…。スターリンのために行ったのではありません。私たちの子供たちのためです。子供たちの未来のためなんです…あたしたちは二つの部分からできている。二つの現実で生きていた。このことをわかってほしいわ…」(パルチザン(看護婦)) ほかにも、家族や祖国を蹂躙したドイツ兵に対して激しい憎悪が示される一方で、ドイツ兵の負傷者にも気がつけばソ連兵と同様に手当をしていたという女性の証言もある。ドイツ人にも家族があり祖国があるから…というのは後付けの理屈でしかない。戦争で敵兵を攻撃し残虐な行いをするのも人間だが、理屈を超えたヒューマニティを示すのも人間だ。 そこで読後の私は混乱してしまった。いったいどちらが人間の真の姿なのか? 戦争を体験していない私が軽々しく言っていると取ってほしくないのだが、この本から得た真実は一つだと思う。つまり、どちらも人間の真の姿である、人間は両面を持つのだということ。したがって日本の報道でもよく聞く「あんなにいい人だったのに、なぜあんな犯罪を…」というのは一面しか見ていない。人間とは究極的にはいい人であり、かつ悪い人である。善悪の両面性というのが極端だというのであれば、次の例はどうだろう。戦地に来たがおしゃれが忘れられず、人から隠れて鏡の前で自分のハイヒール姿を見て悦に入る女性航空隊員の話。人を殺めるために戦地に来た女性が、それを阻害しかねないおしゃれを捨てられなかった現実があった。 ここで批判承知で言うと、この作品で直接的にアレクシエーヴィチは戦争反対の意思表示をしていないと私は思う。誤解を避けるため違う言い方をすると、アレクシエーヴィチの視点は戦争自体よりも、戦争で媒介された人間性の真実に向いている。男性は人間が本来持つ両面性の一方を簡単に失い極端に偏る性向がある一方で、女性は戦地や戦闘状態でもしたたかに両面性を保持する資質に長けていることをアレクシエーヴィチは見ぬいていた。そしてそれゆえに、女性の生き方のありのままを徹底して描き出すことで、結果的にアレクシエーヴィチは“戦争反対”をあぶり出しのように表出させたのだ。 つまり、彼女は使い古されて(そして聞き飽きた)戦争反対論を意識的に避け、人間性を保持した生き方の追求という論点から人間と戦争との関係を見つめ、彼女独自の文学的創意工夫を経て、戦争反対に反対する者ですら戦争反対を納得せざるを得ない作品へと結実したのだ。 そしてアレクシエーヴィチによる戦争反対のテーゼの受容を託されたのは今を生きる私たちだ。ここでの「私たち」とは私をはじめとした日本人に限らず、ベラルーシやロシアやウクライナや世界中で生きる人類全体を指す。しかしSNSで他人への攻撃を止められない一部の日本人も含めて、残念ながら、アレクシエーヴィチの意図を読解できない人類が今も世界にあふれている。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読むと無限に気分が沈むが、洗濯部隊の話は優しくて好き。(コミカライズで1話目になっていて嬉しい。)驚くのは、中高生あたりの少女がこんなにも多く前線を志願したのか、ということ。もちろん志願してない人はインタビュー対象じゃないので出てこないのだが、それにしても…と感じた。戦後も報われたとは言い難い人生を歩む人が多く、更に落ち込む。
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第二次世界大戦時のソ連対ドイツで戦ってきた女性達から作者が話を聞き、書籍にまとめたもの。これを読んでいて、その感情を持つ人がまだ生きていて、あるいは数世代しか経っていないのに戦争がなんでおこなわれてしまうのかと思ってしまう… 男性向けの勝ったこと戦術やそこに向かう話ではなく、それ...
第二次世界大戦時のソ連対ドイツで戦ってきた女性達から作者が話を聞き、書籍にまとめたもの。これを読んでいて、その感情を持つ人がまだ生きていて、あるいは数世代しか経っていないのに戦争がなんでおこなわれてしまうのかと思ってしまう… 男性向けの勝ったこと戦術やそこに向かう話ではなく、それぞれの女性の日常と辛さと当たり前とギャップがある。何を信じていてその先に何があると思っていたのか… 重たくて読み進めるのがつらくなるけどそれが現実だとするならば、平和な世界のありがたさをしっかり認識していたい
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