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論争 日本のワーク・ライフ・バランス
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 日本経済新聞出版社 |
発売年月日 | 2008/04/21 |
JAN | 9784532133528 |
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商品レビュー
3.7
4件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
・ この手の政策科学(だと思うのだが)は制度をいじることを通じて(この場合は)男性や管理職の意識や働き方を変えることでワーク・ライフ・バランスを実現しようとしていると思うのだが,佐藤博樹は安易なワーク・ライフ・バランス支援が男女の役割分業を正当化する危険性について自覚的である一方(113),彼が御船に「強固な男女の役割分業をどう変えるか?」と質問しているように(131),上手いワーク・ライフ・バランス支援策を考えることと,それでもなお残る分業規範をどう変えるかは別問題だ.結局,ワーク・ライフ・バランス支援に一つ望ましいものがある訳では決してなく,せいぜい御船のいう「働きたい人が男女とも多様に働けるというもの」(134)に過ぎない(というと言い過ぎな気もするけれど).4人の論者の中で御船が一番こうした問題に意識的なのは明らかであるが,その御船でさえも「男性女性の差別が無い教育」という優等生的な発言しかできない(のか?)という点が,私が政策科学に興味を持てない理由である.(つまりこの手の本は好きではないのです(´・ω・`)) ・ 「男女の別なく,多様に」というのは簡単ですけど,preferenceの問題だけしか扱わないのは議論に厚みが無いというか,そこらへんは社会学がもう少し貢献できるところだと思います.(なぜか口語)例えば,決定が自らの選択肢であると認識する「主観的選好」を可能にする「目に見えない権力」の存在を指摘した権力論は魅力的な議論の一つのように思える.第一次出産を間近に控えた夫婦にインタビュー調査をした三具淳子は出産後の妻の就業継続等の行動を決定する過程に,ジェンダーイデオロギーと男女の賃金格差から生じる合理主義的判断を背景とした「目に見えない権力」が作用していることを主張した.(三具, 2007) さて,ワーク・ライフ・バランス支援は「夫の仕事が出産によって変化するかという質問に対して,男性は一瞬何を聞かれているのかという顔をしたり,『そんなばかな』という意味の笑いを浮かべたりする.それほどまでに,仕事と育児のいわゆる『両立問題』は男性にとって他人事であり,それまでの働き方を微調整する程度にとどまる問題なのだ.また,妻の側も夫が育児のために仕事を辞めるなど予想すらしていない」(同, 318)という状況に対して,何が言えるのであろうか.
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日本のワークライフバランスについてたくさんのデータを援用しながらまとめられた本。もとはシンポジウムですが、別に「論争」というほどの論争はされてません。むしろ全体的にプロ・ワークライフバランスの集団からなる議論なので、細かい違い以外は問題にならなかったようです。データはとても参考に...
日本のワークライフバランスについてたくさんのデータを援用しながらまとめられた本。もとはシンポジウムですが、別に「論争」というほどの論争はされてません。むしろ全体的にプロ・ワークライフバランスの集団からなる議論なので、細かい違い以外は問題にならなかったようです。データはとても参考になりました。
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非正規労働者が正規労働者になることは日本以外の先進国でも難しいことがよくわかりました。(英米を除く、これらの国はそもそも日本でいうところの正規労働者としての待遇を受けている労働者が少ない) なので、非正規と正規の壁を崩すには、正規労働者の解雇制限をもう少しゆるくして非正規と正規の...
非正規労働者が正規労働者になることは日本以外の先進国でも難しいことがよくわかりました。(英米を除く、これらの国はそもそも日本でいうところの正規労働者としての待遇を受けている労働者が少ない) なので、非正規と正規の壁を崩すには、正規労働者の解雇制限をもう少しゆるくして非正規と正規の間の行き来をしやすくする。といった大胆な意見がありました。とても納得です。
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