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物の本質について 岩波文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 1998/11/01 |
JAN | 9784003360514 |
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物の本質について
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商品レビュー
4
8件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
エピクロスを神とあがめる詩人ルクレティウスの作品。原子の働き、精神と体の働き、自然現象の成り立ち等について書いてある(未完のため倫理学関連の記述はない)。神は人間世界には不干渉であるとの思想のもとに、自然について神話に頼らず当時の水準で科学的に解き明かしている。空気抵抗や色と光の関係など、何千年も前の記述とは思えない水準のものも。神は不干渉と言いながら、各章の初めには必ず神への賛美と力添えを願う歌があるのがちょっと面白い。注によれば叙事詩の形式的なものとのことだが、本人はどう思っていたんだろう。 エピクロスやプリニウスが地震は風が起こすものだと言っているのがいまいちわからなかったのだが、ルクレティウスが地面の下に空洞があり、そこで風が活動しているという考え方を詳しく説明してくれたのでようやく意味が分かった。ありがとうルクレティウス。懇切丁寧な印象の作品なので、倫理学関連のところも読んでみたかったなあ。
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ルクレーティウスは古代ローマのエピクロス派の哲学者です。同時代人にはあのカエサル(前100-44)やキケロ(前106-43)がいます。 私はこの作品を読み衝撃を受けました。 「2000年以上も前にすでにこんなことを言っていた人がいたのか!」とそれこそ度肝を抜かれました。 本...
ルクレーティウスは古代ローマのエピクロス派の哲学者です。同時代人にはあのカエサル(前100-44)やキケロ(前106-43)がいます。 私はこの作品を読み衝撃を受けました。 「2000年以上も前にすでにこんなことを言っていた人がいたのか!」とそれこそ度肝を抜かれました。 本紹介で「エピクロス哲学の原子論的自然観を詳述した科学的啓蒙書として現在無二の史料的価値をもつ作品である」と述べられているように、この作品は科学的思考が書かれた作品です。 恐るべき人物が古代ローマにいました。 古代ローマの文化水準の高さに改めて驚いた読書になりました。
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エピクロスを尊敬していたローマ人ルクレティウスの叙事詩を散文調にしたもの。そのため、ちょっと冗長で読みにくい部分などがある。 エピクロス解説本に近いので先にエピクロスを読んでいないと理解し辛い。自然現象を解説しつつその中から人生について語るというパターンである。エピクロスの、死...
エピクロスを尊敬していたローマ人ルクレティウスの叙事詩を散文調にしたもの。そのため、ちょっと冗長で読みにくい部分などがある。 エピクロス解説本に近いので先にエピクロスを読んでいないと理解し辛い。自然現象を解説しつつその中から人生について語るというパターンである。エピクロスの、死は恐れるに値しない、という考え方を説明しており、死後の世界が現世での悪行の抑制につながるのではないかという意見については、その本人の引け目、負い目が抑止になると説く。しかし、故意犯には効果がないだろうし、自己の中に律する基準を常に持っていなければならないとすれば、安易に神に頼れない、求める基準がとても高いと思う。 なお、本書の一節は、イリーン、セガールの「人間の歴史」に取り上げられている。筆者が本書を手に取ったのもそれに基づく。エピクロス派の、神の支配を否定し人が自己に依って世界を理解しようとする姿を賛美する一節である。 こうして心の恐れは散り失せる。世界の壁は引き退く。そして彼は無限の空間に物の動きを見る。 (人間の歴史より抜粋)
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