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谷崎潤一郎犯罪小説集 集英社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 集英社 |
発売年月日 | 1991/08/20 |
JAN | 9784087497397 |
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谷崎潤一郎犯罪小説集
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『柳湯の事件』 僕は今夜人殺しの大罪を犯したのかもしれません…!聞いてください。僕は瑠璃子という芸者上がりの女と同棲しています。僕は彼女にの肉体を愛溺していますが、淫奔な彼女は僕をあざ笑うかのようなことばかり。そんな時僕は彼女を酷く折檻するのです。 数日前のことです。いつものように瑠璃子を激しく痛めつけ、ぐったりしている彼女を残して風呂屋にでかけたのです。 さて僕は昔からヌメヌメした感触が大好きなのです。その柳湯はまさにヌメヌメヌラヌラし、僕はそのドロドロを愉しんでいました。 しかし、その湯船の底に感じたヌメヌメは…そう、それはまさに瑠璃子の体の感触、まさに僕が折檻して放置した瑠璃子の、その死骸だったのです…。 『途上』 湯河は探偵の安藤に声をかけられた。「血痕に関する調査は御本人に聞いたほうが早いと言うでしょう。あなたのことをあなた自身に聞きたいのです」 今同棲中の愛する女との結婚の調査かと聞き取りに応じた湯河だったが、安藤が話すのは湯河の最初の妻のことだった。 『私』 当時私がいた一高の寄宿舎には泥坊が出ていたのだ。私の同室の友人たちとは「ぬすっとはいけないよ。あれだけは人種が違う気がする。友達には持てないなあと思う」などと話をしていた。その時、私を嫌っている同室者の一人が私のことを嫌な目つきで見た。私は疑われているのだろうか。私は学校内でどのような態度を取ればよいのだろう。 『白昼鬼語(はくちゅうきご)』 友人の園村は、自らを精神病の遺伝があると称している。ある日彼は僕を呼びつけて言う。「僕は偶然暗号を手に入れた。解いてみたら殺人の予告ではないか。それがまさに今夜なんだ。僕はこれから殺人を見に行こうと思う」 半信半疑で園村に付き添った私だが、まさに目の前で男女による殺人が行われ…。 そして園村は、下手人の男女に是非とも近付きたいというのだ。 === 谷崎潤一郎短編の中でも犯罪をテーマとした短編集。 実は「犯罪小説集」という題名から、谷崎潤一郎による推理小説集か?と思って読み始めたのですが、いきなりヌメヌメヌラヌラ〜で始まりました(笑)。しかも凄い筆力で、自分も暗闇にヌメヌメ感触を味わっている気分。 収録作品では、犯人の心境とか、自分が被害者になりたいという心境が書かれています。 最後の話では、自分が覗き見た犯罪が、除きのためかなり近いが全部は見えないというところで想像を逞しくしたのか、今度は自分が被害者として再現したいという思いを抱くようになります。困ったもんですが自己完結してる分はまあどうぞという感じもする(笑)(←笑うしかない)
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