谷崎潤一郎犯罪小説集 の商品レビュー
暴食、色欲、強欲、憂…
暴食、色欲、強欲、憂鬱、憤怒、怠惰、虚飾、高慢この小説にはひとの本性がちりばめられています。文学を「人間とは何か」を考えさせる哲学にまで昇華した一冊です。
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「途上」「柳湯の事件…
「途上」「柳湯の事件」など、ミステリー短編が収録されています。江戸川乱歩に影響を与えたというのが納得できる内容です。
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『柳湯の事件』 僕は今夜人殺しの大罪を犯したのかもしれません…!聞いてください。僕は瑠璃子という芸者上がりの女と同棲しています。僕は彼女にの肉体を愛溺していますが、淫奔な彼女は僕をあざ笑うかのようなことばかり。そんな時僕は彼女を酷く折檻するのです。 数日前のことです。いつものよう...
『柳湯の事件』 僕は今夜人殺しの大罪を犯したのかもしれません…!聞いてください。僕は瑠璃子という芸者上がりの女と同棲しています。僕は彼女にの肉体を愛溺していますが、淫奔な彼女は僕をあざ笑うかのようなことばかり。そんな時僕は彼女を酷く折檻するのです。 数日前のことです。いつものように瑠璃子を激しく痛めつけ、ぐったりしている彼女を残して風呂屋にでかけたのです。 さて僕は昔からヌメヌメした感触が大好きなのです。その柳湯はまさにヌメヌメヌラヌラし、僕はそのドロドロを愉しんでいました。 しかし、その湯船の底に感じたヌメヌメは…そう、それはまさに瑠璃子の体の感触、まさに僕が折檻して放置した瑠璃子の、その死骸だったのです…。 『途上』 湯河は探偵の安藤に声をかけられた。「血痕に関する調査は御本人に聞いたほうが早いと言うでしょう。あなたのことをあなた自身に聞きたいのです」 今同棲中の愛する女との結婚の調査かと聞き取りに応じた湯河だったが、安藤が話すのは湯河の最初の妻のことだった。 『私』 当時私がいた一高の寄宿舎には泥坊が出ていたのだ。私の同室の友人たちとは「ぬすっとはいけないよ。あれだけは人種が違う気がする。友達には持てないなあと思う」などと話をしていた。その時、私を嫌っている同室者の一人が私のことを嫌な目つきで見た。私は疑われているのだろうか。私は学校内でどのような態度を取ればよいのだろう。 『白昼鬼語(はくちゅうきご)』 友人の園村は、自らを精神病の遺伝があると称している。ある日彼は僕を呼びつけて言う。「僕は偶然暗号を手に入れた。解いてみたら殺人の予告ではないか。それがまさに今夜なんだ。僕はこれから殺人を見に行こうと思う」 半信半疑で園村に付き添った私だが、まさに目の前で男女による殺人が行われ…。 そして園村は、下手人の男女に是非とも近付きたいというのだ。 === 谷崎潤一郎短編の中でも犯罪をテーマとした短編集。 実は「犯罪小説集」という題名から、谷崎潤一郎による推理小説集か?と思って読み始めたのですが、いきなりヌメヌメヌラヌラ〜で始まりました(笑)。しかも凄い筆力で、自分も暗闇にヌメヌメ感触を味わっている気分。 収録作品では、犯人の心境とか、自分が被害者になりたいという心境が書かれています。 最後の話では、自分が覗き見た犯罪が、除きのためかなり近いが全部は見えないというところで想像を逞しくしたのか、今度は自分が被害者として再現したいという思いを抱くようになります。困ったもんですが自己完結してる分はまあどうぞという感じもする(笑)(←笑うしかない)
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大学時代の友人に 谷崎潤一郎を勧められて。 何とも言えない世界観。 人の微妙な、言葉にできない心情を うま~く描写してる。 そうゆうの、ぞくぞくしちゃう。 話も、展開が面白くて。 裏切られちゃう、自分の予想が。 でもそう予想せざるを得ない状況をつくるの。 やーらーれーたーー...
大学時代の友人に 谷崎潤一郎を勧められて。 何とも言えない世界観。 人の微妙な、言葉にできない心情を うま~く描写してる。 そうゆうの、ぞくぞくしちゃう。 話も、展開が面白くて。 裏切られちゃう、自分の予想が。 でもそう予想せざるを得ない状況をつくるの。 やーらーれーたーーって。 ぬめぬめした世界だな、と思う。 そうとしか表現できない。(笑) こういう本は初めてや! 谷崎さんをしばらく読み進めようかと。
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江戸川乱歩は谷崎に非常に影響を受けたのだそうだ。さもありなん。 そんな小説ばかりが収められている。 推理小説ともミステリ小説とも言えない、と解説にある通り、そんなつまらない区分けなど軽く超越してしまう見事な作品集。 「柳湯の事件」「途上」「私」「白昼鬼語」の4編が収録されている...
江戸川乱歩は谷崎に非常に影響を受けたのだそうだ。さもありなん。 そんな小説ばかりが収められている。 推理小説ともミステリ小説とも言えない、と解説にある通り、そんなつまらない区分けなど軽く超越してしまう見事な作品集。 「柳湯の事件」「途上」「私」「白昼鬼語」の4編が収録されているが、やはりスリリングな「白昼鬼語」が印象的だったかな。
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谷崎潤一郎のミステリー四編を収録。谷崎潤一郎記念館へ行った際、谷崎が江戸川乱歩や横溝正史に与えた影響の特集をしていたが、谷崎ミステリーを読んで納得しまくり。まさに江戸川乱歩的な世界観がありありと感じられた。さすが大谷崎!何書かせても面白い!
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谷崎が犯罪小説を書いていたとは、寡聞にして知らなかった。どんな内容だろうと思って手に取ったが、とても面白かった。「探偵小説」ではないので、探偵が出てきて事件を解決してくれることはない。あくまで犯罪に関する心理描写が主。特に「白昼鬼語」は展開も谷崎らしく、この本で最も気に入った作品...
谷崎が犯罪小説を書いていたとは、寡聞にして知らなかった。どんな内容だろうと思って手に取ったが、とても面白かった。「探偵小説」ではないので、探偵が出てきて事件を解決してくれることはない。あくまで犯罪に関する心理描写が主。特に「白昼鬼語」は展開も谷崎らしく、この本で最も気に入った作品。
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なんかすごく気持ち悪いのに、なんだかんだ言って全部読んでしまいました。江戸川乱歩よりも毒が強いようにわたしには感じます。
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