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贖罪(下) 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2008/02/28 |
| JAN | 9784102157244 |

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商品レビュー
4.6
33件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「世界文学の新たな古典となった名作」とあり、期待して読んだ。読んだことがないタイプの小説だった。強いて言えば、アンソニー・ホロヴィッツの作中作がある推理小説に似た構成だけど、本作は推理小説ではない。謎は謎のまま終わる。 上巻を読み終えた時点では、こういう展開は全く予想出来ず。 ローラにイタズラした犯人が断罪されて終わるものと思っていたら、セシーリアが本命の真犯人と信じるダニー・ハードマン(使用人の息子)に加えて、嘘の告発者ブライオニーが信じる別の真犯人としてチョコバー長者のポール・マーシャルが登場するも、灯りの乏しい夜の目撃証言から決定打は無い。 ローラが強姦者ポールと結婚する、という展開から、ローラは、「強姦されたわけではない、これは恋愛だ」と思うことで、トラウマを封じ込めようとしている、とブライオニーは受け止めている。(この辺り、”誘拐犯”と”人質”の間の恋愛を描いた「流浪の月」における、周囲の理解と似た構造に思えた。) P205〜211 に登場するホライズン編集長シリル・コノリーからのブライオニーの持込原稿に対するコメントを読んだ時点で、上巻の内容は、このコメントを受けて書き換えた改訂原稿なのか?ということがジワジワ見えてきて、ならば、どこまでが虚構でどこまでが真実なのか?という点に大きな留保が付き、極め付けとして、第三部のラストに、 ブライオニー・タリス ロンドン、一九九九年 と署名が入り、上巻のみならず下巻のここまでが全てブライオニーによる小説だったことが明らかとなる。 最後の30頁ちょっとは、付け足し程度かと思いきや、ブライオニーの原稿中、ロビーとセシーリアの再会が虚構で「こうだったらいいな」という願望を書いたに過ぎないことが告白され、読者は大いに戸惑うこととなる。 最後の最後に放り投げられた感じで、なんとも座りが悪いが、程度の差はあっても、皆、自分に都合の良いように改変された記憶の中で生きているのかもしれないなあ、と思った。 戦争の記述は徹底して写実的で、大岡昇平の「野火」とサン=テグジュペリの「戦う操縦士」を思い出した。 細かいところでは、イギリス軍が戦闘に負けて敗走することを、「予め定められた地点への戦略的退却」と表現しているところが、大本営発表とまったく同じで、戦争はどこも似たり寄ったりだなと思った。
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人は誰しも少なからず、大小を問わず罪を犯すものだと思う。それを大人になって自慢したり吹聴する者もいれば、償うこともある。果たして償うという行為は、1つの行動なのだろうか。その行動をした途端、赦されるのだろうか。否。被害を受けたものは永遠にその過去を消せはしないのに、なぜ加害行為を...
人は誰しも少なからず、大小を問わず罪を犯すものだと思う。それを大人になって自慢したり吹聴する者もいれば、償うこともある。果たして償うという行為は、1つの行動なのだろうか。その行動をした途端、赦されるのだろうか。否。被害を受けたものは永遠にその過去を消せはしないのに、なぜ加害行為をした人間が赦されるのだろうか。贖罪とは継続を意味するはず。 イアン・マキューアンは、ブライオニーの心情を長編に渡って描き出した。いや、結末は読めなかった。名作と呼ばれているのも納得の文書であった。
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下巻は舞台が替わって戦場へ。償うべきブライオニーではなく、罪を押し付けられたロビーの戦場シーンがしばらく続く。結末を知っていて読んだのでこの下巻の半分程度を占める戦場シーンを読み進めるのは少し苦痛だった。 ネタバレは知っていたのであまり驚きはなかった。ただ、いわゆる信頼できない語...
下巻は舞台が替わって戦場へ。償うべきブライオニーではなく、罪を押し付けられたロビーの戦場シーンがしばらく続く。結末を知っていて読んだのでこの下巻の半分程度を占める戦場シーンを読み進めるのは少し苦痛だった。 ネタバレは知っていたのであまり驚きはなかった。ただ、いわゆる信頼できない語り手による作品で、被害者のローラに対する見方や真犯人についても、真相究明というよりは、なお自己の世界に陶酔する少女のような偏執によるものだと思うと怖くなる。
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