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白い巨塔(中) 改題 白い巨塔(下) 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 1993/11/01 |
JAN | 9784101104249 |
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白い巨塔(中)
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教授に就任した財前五郎は、ドイツの国際外科学会に招かれることになります。一方、第一内科の助教授・里見脩二は、胃ガンが疑われる佐々木庸平という患者の手術を、財前の第一外科に依頼します。財前の執刀で胃ガンの摘出がおこなわれ、手術は成功するものの、患者の具合は優れません。里見は肺への転...
教授に就任した財前五郎は、ドイツの国際外科学会に招かれることになります。一方、第一内科の助教授・里見脩二は、胃ガンが疑われる佐々木庸平という患者の手術を、財前の第一外科に依頼します。財前の執刀で胃ガンの摘出がおこなわれ、手術は成功するものの、患者の具合は優れません。里見は肺への転移を疑いますが、ドイツ行きの準備に追われる財前は里見の意見を突っぱね、術後肺炎に違いないと決めつけます。 その後、患者の容体は悪化の一途をたどっていきますが、財前は里見のたびかさなる検査の要請に耳を貸そうとしません。彼はそのまま、学会のためにドイツへと旅立っていきます。ところが彼が留守の間に、患者の容体が急変し、死亡します。しかも、大河内教授の執刀によって患者の解剖がおこなわれ、里見が再三警告した通り、肺への転移が起こっていたことが発覚します。 患者の遺族は、財前の誤診によって患者が死にいたらしめたと訴え、裁判を起こします。ドイツから帰国した財前は、鵜飼教授らと対応策を図り、自身の地位と大学病院の権威を守るため、誤診の嫌疑をはねのけようと画策します。一方里見は、患者ときちんと向き合おうとしない財前の態度に反発をおぼえ、鵜飼医学部長の要請があったにもかかわらず、裁判で財前に不利な証言をすることを心に決めます。東教授の娘の小枝子は、そんな里見の態度に感動をおぼえながらも、彼の大学内での将来を心配します。 中巻は、医療ミスとそれを隠蔽しようとする大学教授の権威主義がメイン・テーマです。裁判の場面は緊張感があって、ページを繰る手が止まりません。
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上巻はメインストーリーラインが教授選だったが、本巻は医療裁判。難解な医学的記述は斜め読みし、裁判における原告被告の攻防をじっくり読むという典型的な文系読書法をとった。 結論を言えば、原告(患者側)は敗訴してしまうのだが、ドラマで観て結末を了知しているとはいえ、あまりの不条理に憤っ...
上巻はメインストーリーラインが教授選だったが、本巻は医療裁判。難解な医学的記述は斜め読みし、裁判における原告被告の攻防をじっくり読むという典型的な文系読書法をとった。 結論を言えば、原告(患者側)は敗訴してしまうのだが、ドラマで観て結末を了知しているとはいえ、あまりの不条理に憤ってしまう。これは私が患者側の立ち位置に近いためであろう。作品の当時と現代では医療裁判も変わってきていると思うのだが、医療のプロたる医師に裁判で争うなど敷居が高過ぎる。そもそも医師に比して知識的ハンデは歴然であるし、そもそも証拠となる診療録自体が医師側にあり、握り潰しや改竄などが容易になされてしまうからである。 結局、本巻においては、「真実がどうであれ、医学的な証拠が無ければ法律的責任に問われない」という帰結であった。下巻においては控訴審が描かれるだろうが、原告側の奮闘に期待しよう。 哀れなのが、所属大学病院を敵に回して原告側証言者となった里見助教授。 本巻最後の「初診した患者の死の経緯について正しい証言をした者が大学を追われ、患者の診療に誤りを犯した者が大学の名誉と権威を守るという美名のもとに、大学のあらゆる力を結集して誤診を否定し、法律的責任を逃れて大学に留まるという不条理。」という里見の心情の吐露は、大多数の読書の気持ちを代弁したものだろう。 こうした憤りが、山崎作品の魅力なのかもしれない。
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初めて山崎氏を知った作品。 強烈な印象が残りました。 「財前」この苗字は、一生忘れないでしょう。
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