商品レビュー
3.4
224件のお客様レビュー
読んでいると、自分も土の中に潜り、溶けていくような感覚になった。作品全体に漂う冷たさや孤独が伝わってきて、読んでいて苦しかった。
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2005年 第133回芥川賞 芥川賞受賞作らしく難解で、現実と過去の記憶、妄想の境界が分かりづらい描写と終始暗い世界観に気が滅入ってしまい、正直私には合わない作品だった。 幼少期の虐待は、たとえ体罰のない精神的な虐待であっても、自己肯定感を奪い人格、人生に深い影を落とす。 作...
2005年 第133回芥川賞 芥川賞受賞作らしく難解で、現実と過去の記憶、妄想の境界が分かりづらい描写と終始暗い世界観に気が滅入ってしまい、正直私には合わない作品だった。 幼少期の虐待は、たとえ体罰のない精神的な虐待であっても、自己肯定感を奪い人格、人生に深い影を落とす。 作中の「私」も虐待の経験から、終わりのない生きづらさのなかで必死にもがいている。その姿はあまりに痛ましいが、だからこそ、彼が最後に目にした世界の光と、互いを必要とし合う白湯子の存在が、この息苦しい物語のなかで唯一のあたたかい救いに感じられた。 ふと、主人公に「52ヘルツのクジラ」の鳴き声を聞かせてあげたいと思った。誰にも届かない声で鳴く世界で一番孤独なクジラ。その声を聴けば、「私」も、少しだけ救われたのではないだろうか。 次はもう少し明るくなる本を読みたい。
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暴力的な環境で育った人間は暴力的なものに満たされていると安心する、それが自らを死に突き落とすものでも。 死への衝動、すべてを壊して投げ出したい衝動、でもいい人でありたい人間性。
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