セバスチャン 新装版 河出文庫
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セバスチャン 新装版 河出文庫

松浦理英子【著】

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セバスチャン 新装版 河出文庫

定価 ¥682

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2007/12/20
JAN 9784309408828

セバスチャン 新装版

¥495

商品レビュー

3.9

10件のお客様レビュー

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2025/08/03

『ヒカリ文集』でハマってしまって、この1か月で3作目の松浦理英子作品。 本作『セバスチャン』はデビュー2年目のごく初期の作品。先に読んだ『ヒカリ文集』と『最愛の子ども』は最近の作品で、両者の間は40年くらいの隔たりがある。作者の視点が同一線上にありながらも、格段に洗練されたこと...

『ヒカリ文集』でハマってしまって、この1か月で3作目の松浦理英子作品。 本作『セバスチャン』はデビュー2年目のごく初期の作品。先に読んだ『ヒカリ文集』と『最愛の子ども』は最近の作品で、両者の間は40年くらいの隔たりがある。作者の視点が同一線上にありながらも、格段に洗練されたことがわかった。 主人公の麻希子は21歳の女性。知識先行の頭でっかちな理論。マゾヒストを気取り、自分をやたらと貶めるが、他人を俗人と蔑むどこか選民的な態度。ミニコミ誌やインディーズバンドといったあの界隈が肥大化した自意識とともに青臭いまま綴られている。 登場人物達は皆似たもの同士であるが、麻希子が、頭が良くてどこか振り切ってしまっている律子や、肉体的不具(跛)を持つ露悪趣味のギタリスト工也に劣等感を感じているところが興味深い。 そして、その3人を『発育不全』と瞬時に看破した律子の叔母の地に足がついた感が逞しかった。 工也や背理に現実とのギャップを見せられた麻希子のこの先が気になります。

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2024/06/01

21歳の浅淵麻希子と佐久間背理の「主人と奴隷」の関係と、ギタリストの政本工也の三人を中心とする物語です。 巻末に収録されている著者と富岡幸一郎の対談では、本作が『ナチュラル・ウーマン』に接続するようなテーマをあつかうことを認めつつ、「無駄な迂回」だったと著者は振り返っています。...

21歳の浅淵麻希子と佐久間背理の「主人と奴隷」の関係と、ギタリストの政本工也の三人を中心とする物語です。 巻末に収録されている著者と富岡幸一郎の対談では、本作が『ナチュラル・ウーマン』に接続するようなテーマをあつかうことを認めつつ、「無駄な迂回」だったと著者は振り返っています。「性」という枠組みのなかで女性が女性という役割を割り振られてしまうことへの違和感が、両作品の根底にあるといってよいと思いますが、本作での「性」の解体は、たしかに『ナチュラル・ウーマン』とくらべると中途半端に終わってしまっているような印象もあります。 麻希子と背理の同性愛的な関係が、「「主人と奴隷」ごっこ」と表現されているように、その関係のなかで自己のアイデンティティが完全に規定されてしまうことを拒否する身振りは示されているものの、性的な関係のなかで自己が他者のありかたを規定してしまうという困難からどのようにして脱け出ることができるのかという問題に対する解答は示されていません。むしろマゾヒストである工也が、麻希子にベルトで自分を打ってほしいと要求し、そのことに麻希子が気持ち悪さを感じてしまうことが示すように、他者との相克を脱して「性」から自由になることの困難さが浮き彫りになってしまっているようにも感じました。

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2024/03/17

同性愛と主従関係。それから異端。麻希子にとって背理は世界だと述べられるけれど背理こそ麻希子に奉仕しているようにも感じた。背理も麻希子と同じで従属する性だから反抗的な態度を取り続けているのでないか。この小説が書かれた四十年前の雰囲気を知らないけれど麻希子も背理も同性愛者の律子も社会...

同性愛と主従関係。それから異端。麻希子にとって背理は世界だと述べられるけれど背理こそ麻希子に奉仕しているようにも感じた。背理も麻希子と同じで従属する性だから反抗的な態度を取り続けているのでないか。この小説が書かれた四十年前の雰囲気を知らないけれど麻希子も背理も同性愛者の律子も社会が求める女性像から大きく外れていることは分かる。そのことに励まされる。

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