凍える牙

乃南アサ【著】

• 内容紹介: 第115回直木賞受賞作。深夜のファミレスで突然発火した遺体には、獣の咬み痕が残されていた―音道貴子。年齢、三十と少々。職業、刑事。バツイチ女性刑事の孤独な闘いが読者の圧倒的共感を集めたベストセラー。
• 販売会社／発売会社: 新潮社
• 発売年月日: 2007/11/20
• JAN: 9784103710097

商品レビュー

2025/11/06

11年ぶりの再読。
シリーズの『鎖』をずっと読みたかったのだが、音道さんのことを忘れてしまったため躊躇していた。
その状態でも楽しめると読友さんにお聞きして読むことにしたものの、ある程度は把握しておきたい！とこちらの再読に至る。
正直言うとなかなか進まなかった…
が、残り3分の1ぐらいから急に世界に入り込めて一気に読了♪
冒頭のショッキングな焼死事件と、咬傷死事件がどう結びつくのか？
事件そのものよりも、疾風、音道＆滝沢の関係の変化、登場人物の抱える問題などの描写がとてもよかった
それにしても疾風…

2025/08/17

　決して面白くないわけではないのですが、他のレビュアーが思ったより高評価なので、ちょっと自分とのギャップを感じました。
　謎解きの楽しみという点では少しはまらず。人物描写が評判が良かったようですが、話の進行をぶれさせているのかなとも思い、メリットばかりでもないのかなと。笑子のくだりなんかは、あっさりしていて、アンバランスかもしれません。
　最も作者が書きたかったのは、ウルフドッグの疾走シーンなんだろうなと推測します。こういうのは、映像の方がかっこよく描けそうだと思いました。

2024/01/25

あらやだ直木賞でらっしゃるのね
しかもシリーズものじゃございませんこと
マダムメロンですわ

『凍える牙』です
乃南アサさんの初物は、マメムさんの推薦本でございますことよ！
そしてマメムの語感でマダムメロンとか言い出したっぽいですよ！

うーん、やばいね
乃南アサさん、良いね
そして主人公の女刑事音道貴子ええやん！
1996年の作品ということでバリバリの男社会の捜査現場が描かれております
そして男社会の代表選手のようなベテラン刑事と組むことになる貴子さん
お互いに葛藤を抱えた二人の視点で進むストーリーも良い

この二人がどうやって「仲間」になっていくか？あるいは落としどころを見つけるか？が物語の肝でもあると思うんだけど、二人の心の中を交互に見せて行くことで、男社会を守りたい男と男社会を軽蔑する女の変化が鮮明になるのよ
そしてオオカミ犬の神秘性が物語にすごい奥行きを与えると同時に貴子の秘められた経歴を輝かせる

うん、そりゃあ納得
直木も納得（直木が選んだわけ違うだろ！）
マダムメロンも納得の1作
続けて読むかぁ〜

またシリーズ増えてしまいましてよ！（思い出したようにマダム感）