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ヤスパース 人類の知的遺産71
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 講談社 |
| 発売年月日 | 1982/02/01 |
| JAN | 9784061453715 |
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ヤスパース
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著者の重田英世氏は1924年に生まれ、東京大学文学部哲学科と東京慈恵医科大学を卒業し、開業医として診療業務に従事する傍ら、ヤスパース哲学の紹介に努めた。 著者は「まえがき」で次のように述べている(概要)。 <ヤスパース思想の全貌を、要領よく遺漏なく平均的に組織立てて呈示する道を...
著者の重田英世氏は1924年に生まれ、東京大学文学部哲学科と東京慈恵医科大学を卒業し、開業医として診療業務に従事する傍ら、ヤスパース哲学の紹介に努めた。 著者は「まえがき」で次のように述べている(概要)。 <ヤスパース思想の全貌を、要領よく遺漏なく平均的に組織立てて呈示する道をとりえなかった。ヤスパース思想の深みと驚異的な拡がりを具えた巨大な体系性は、現代のみならず哲学史上でも屈指のものであるが、これを余すところなく伝える、しかも限られた紙面に詰め込むとなると、哲学辞典や概論風の叙述に幾分水増ししたものができ上るが、ヤスパース思想のミイラのようなものである。 さらにヤスパースの二大主著『哲学』、『真理について』は千頁を超える大著で、内容は極めて濃く、そこには言葉の遊戯など入る余地はない。特に『哲学』では初めから全体が、渾然と一体化し、「読者はどこから読みだしてもよい」という円環構造をなしている。第一頁から順次読み進めれば必ずわかるというものではない。この環のいずれかに跳び込む飛躍がどうしても必要である。飛躍により環のどこかに食い込めさえすればしめたものである。 それ故著者は、ヤスパース思想の全面的な、かつ圧縮した叙述より、飛躍の一助たるべく、ヤスパース思想の根底にあってしかもそれを動かしている最も内奥のもの、哲学することの原動力に迫るべきと考えた。> 臨終のヤスパースの様子と残された言葉が印象的である。 <2月20日夜再び何事かが起ったに違いない。四肢が完全に麻痺した。失語症が再び現れた。衰弱ははなはだしかった。医者が来る前に彼はザーナーに何か言いたかったが、何も理解できなかった。何か喋っても、それは弱い音声に過ぎなかったが、彼はそれが気に入らず頭を振った。医者が来た。ヤスパースは身を起したい様子であった。上体に力を込め、顎を上げ、頭を軽くザーナーのほうへ向け、突発的にほとんどぶっきらぼうといってもよい仕方で、やっとの思いで言葉を発した。《哲学以外のすべては疑わしい。哲学だけが確実である。それゆえ人は、少なくとも哲学者たちは、お互いに理解し合ったのだと、本来なら考えるべきだろう。しかし、私は君に言っておくが、哲学者たちはお互いに決して理解し合わなかったのだ!彼らはひたすら語ったにすぎない》。こう言い切って頭を枕に沈めた。> ハンス・ザーナーは、1962年からヤスパースが亡くなる1969年まで、バーゼル大学でヤスパースの最後の私設助手を務め、ヤスパースの多くの著作の編者である。 ヤスパースが言う「哲学以外のすべて」は主として「現代思想」を指しているような気がする。哲学と現代思想は異なるものらしい。哲学と現代思想はどう違うのか?例えば、「哲学はブログで現代思想はツィッター」という説明がある(出典は失念)。現代思想は「さえずり」「つぶやき」のようなもの、悪く言えば「ヘ(屁)」のようなものだから、「現代思想を自分の人生にどう役立てようか?などと生き方的な角度から見ると、ひどい目にあうので注意が必要である」という忠告まで添えられている。 とにかく、「哲学だけが確実である」のに、臨終のヤスパースの実感が「哲学者たちはお互いに理解し合わなかった。ひたすら語ったにすぎない」とは、寂しい話である。 また、ヤスパースさんがそう言うのだから、私が哲学を理解できないのは当然であると考えるのは、もちろん、大間違いであろう。
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