ストリング理論は科学か 現代物理学と数学

ピーターウォイト【著】, 松浦俊輔【訳】

• 販売会社／発売会社: 青土社
• 発売年月日: 2007/11/08
• JAN: 9784791763696

商品レビュー

2014/10/27

［　内容　］
現代物理学最大の主流派であるスーパーストリング理論。
提唱から二十年以上たっても一つの物証もなく、検証可能な予測をたてることすらできないこの理論は、間違ってさえいない！
数学との関係を中心に素粒子物理学の歴史をたどりなおし、使えない理論を見限って新たな展開を呼びかける、科学界話題の論争の書。

［　目次　］
千年紀末の素粒子物理学
生産用具
量子論
量子場の理論
ゲージ対称性とゲージ理論
標準モデル
標準モデルの勝利
標準モデルの問題点
標準モデルの先
量子場の理論と数学における新しい見通し
ストリング理論―歴史
ストリング理論と超対称―評価
美しさと難しさ
スーパーストリング理論は科学か
ボグダノフ事件
他にゲームをやっていない―ストリング理論の威力と栄光
他の見方
結論

［　問題提起　］

［　結論　］

［　コメント　］

［　読了した日　］

2014/01/06

万物の理論としてもてはやされる超弦理論を酷評。その実態は何も予測しない，辻褄合わせの似非理論であり，これを正統的な科学ということはできない。原著タイトルにあるよくにそもそも「間違ってさえいない」のだ。よく聞かれる批判だが，数学者であり物理学者であった著者が基本から語るので説得力がある。一般向けにしては容赦のない難解さで議論をしっかり追うことはかなわなかったが，超弦理論批判も充分まともな根拠に基づいているということはよくわかった。よくある相対論批判とは訳が違う。
本書の前半は，主張の準備として素粒子論の標準モデル確立までの歴史をたどる。そして後半，超弦理論の概要を俯瞰し欠点を鋭く指摘，最終的にはこの一向に芽の出ない理論が，有能な人材を食い潰す現状を見直すべきだという主張まで展開していく。前半はともかく，後半を読みこなすのはかなり厳しい。

2011/06/01

現代物理の歴史から始まる。読む前は、いろんなストリング理論があって、それらを比較していく話だと思っていたが、実際は、通常の歴史が書かれている。しかも、わかりやすく書かれている。数学と物理の関係にも触れている。ワイルを評価していることに驚いた。