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考えるヒント 新装版(2) 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋/ |
発売年月日 | 2007/09/10 |
JAN | 9784167107130 |
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考えるヒント 新装版(2)
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商品レビュー
4.1
16件のお客様レビュー
忠臣蔵に見る高学歴ワープアの怨念
忠臣蔵という老害イビりテロ事件の戯曲がなぜこんな当たったのだろうか、なんであんなに長らく受け続けたのか、後世からすれば不思議である。しかし小林秀雄の「考えるヒント2」をまさにヒントにして現代と照らしあわせればなるほど分かりやすい。 武士は位は高かった。マルクス史観に基づく士...
忠臣蔵という老害イビりテロ事件の戯曲がなぜこんな当たったのだろうか、なんであんなに長らく受け続けたのか、後世からすれば不思議である。しかし小林秀雄の「考えるヒント2」をまさにヒントにして現代と照らしあわせればなるほど分かりやすい。 武士は位は高かった。マルクス史観に基づく士農工商がどこまで本当か分かったもんじゃないが、位は高かった。でも位は高いと言ってもガッチリした身分制というより「Fランでも大卒は大卒」みたいな感じだったように思われる。というかマルクスも階級は上下じゃなくて単にプログラミングのように○○クラスと定義しただけだったのだが、そんなことはどうでも良い。 ただし戦の全然ない天下泰平の時代なので、忠君の義や刀の存在は既に形骸化しつつあった。「何が武士だよただの官僚じゃねえか、地方公務員じゃねえか」といった有り様だった。おまけに夕張市のようにお取り壊しになれば、地方公務員ですらなくなる。食い扶持に困った浪人には番傘作りしか仕事がない。由井正雪は「無敵の人」になってテロを起こそうとしたがうまくいかず腹を切って死んだ。石濱朗は「派遣社員にさせてくれなきゃ腹切るぞ!」と庭先に居座ったが三国連太郎と丹波哲郎に「だったら本当に腹を切れ」と言われ切腹させられた。仲代ブチギレである。 このような浪人から刀を質草に巻き上げたり、金を貸したり物の売買の利ざやで私腹を肥やしブイブイやってヒャッハーとイキリ散らしてたのが商人であった。位は低いがポジションとしては最強だった。貧困ビジネスボロ儲けである。「商人調子にのりすぎやろ」と当時の物書きは記録に残した。でもそんな物書きや芸人も商人の旦那に食わせてもらってたりしてた。商人最強。 高学歴ナードコミュ障理系を差し置いてコミュ強DQNどもが若い女を食い散らかしたように、「読書をする人だけがたどり着ける場所」を真に受けて一生懸命ご本を読んでる秀才を尻目にyoutuberや転売屋、情報商材師どもが荒稼ぎしまくってるように、当時の商人はまさに武士を凌ぐ破竹の勢いであった。江戸の独身率は驚異の50%であり、そのダメダメさ加減は「おまいら」「おいら」と何ら変わりなかった訳である。そら春画も流行るわな。 小林秀雄曰く元禄の時代は「形の上でのカーストは一応高いといえど主君家臣の関係も形骸化してしまってる武士」と「銭を手にして今まさにナオンも地位も手に入れつつある商人」が、バチバチと火花を散らしていた時代だったからこそ近松門左衛門や井原西鶴のような「おもろい」文化が花開いたのだという。 赤穂浪士事件そのものは、ヒスを起こした浅野匠と御家のお取り壊しで食い詰めた浪人どもの逆ギレ老害抹殺テロ事件であり、それ自体は取るに足らんものであった。 しかしこの事件は戯曲化されて当たった。当時の武士や庶民に刺さりまくった。なぜか。 それは位もエートスも形骸化し、商人に勢いも押され食うのにも困ってた浪人、武士たちが「かつての御恩と奉公、忠君の関係が成立していた鎌倉~戦国時代のあの頃の、武士が武士だった時代のおもひで」を投影する対象として、絶好の素材だったからである。 天下泰平でご自慢の武道を見せびらかす機会もない。お取り壊しや御家断絶で浪人が出まくり、番傘作りしか職がないようなワープアに成り下がり、イキリ散らした商人たちに利子を取り立てられ、刀を質草として取られる、例え運良く飯を食えてたとしてもただの雇われリーマンであり戦をやって刀をブン回してるわけでもない。そんな情けねえ状態に陥ってるからこそ武士達は「かつてのあの主君と家臣の御恩と奉公の関係が成立してた、あの武士が武士だったゴールデンエイジのおもひで」のでっち上げと投影に血眼になり必死になった訳である。かくして浪士たちの食い詰めたあげくのやけのやんぱちのテロは「主君を慕った忠君武士の義」として美化されめでたく「武士道」となったのであった。 言うなれば食い詰めた挙げ句、女ともヤらせてもらえない、おまんまとomankoのダブルパンチ食い上げをくらった高学歴ワープアどもが「教養がビルドゥングスロマンとしてまだ生きてた、あの頃の古き良き旧教養主義のおもひで」の投影として「君たちはどう生きるか」を御輿に担いだようなもんである。 そしてそんなワープア武士どもの怨念は時を超え西南戦争、226を経て大東亜戦争によって暴発することになる。でもそれはまた別の話。
本は落ちるナイフ
学生の時読んで以来、久しぶりに読んだ。特に2巻の「信じることと知ること」の話が最初に読んだ時からずっと頭に残っていた。信じるということの次元と、実際のデータによる分析の世界の次元との違和感について考えさせられた。
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一文一文それぞれに深い意味がある(と思う)。全部は理解できなかったが、勉強になったことはたくさんあった。修行を積んだらまた読みたい。
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