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宮沢賢治 存在の祭りの中へ 岩波現代文庫 文芸35
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店/岩波書店 |
発売年月日 | 2001/06/18 |
JAN | 9784006020354 |
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宮沢賢治
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4.4
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リンゴの中を走る汽車 -2007.06.28記 こんなやみよののはらのなかをゆくときは客車のまどはみんな水族館の窓になる 乾いたでんしんばしらの列がせはしく遷ってゐるらしい きしゃは銀河系の玲瓏レンズ巨きな水素のりんごのなかをかけてゐる りんごのなかをはしってゐるけれどもここはいったいどこの停車場だ枕木を焼いてこさえた柵が立ち 八月のよるのしづまの寒天凝膠-アガアゼル 宮沢賢治の「青森挽歌」という長詩-252行詩の、冒頭の数行。リンゴというものの形態-- それは丸いものにはちがいないが、閉じられた球体などではなく、孔のある球体であること。それ自身の内部に向かって誘い込むような、<本質的な-孔>をもつ球体。 「りんごのなかをはしってゐる」汽車とは、存在の芯の秘密の在り処に向かって直進していく罪深い想像力を誘発しながら、閉じられた球体の「裏」と「表」の、つまりは内部と外部との反転を旅するものとなる。畢竟、私たちの身体の、その脊髄内部の中枢神経は、もとはといえば、肺の表面を覆っていた外胚葉の<陥入>によるものである」という。 いわば、私たちの身体は、内側に向かって、一旦、裏返されているものなのだから、賢治の、このリンゴのなかを走る汽車のように、空間の外部が内部に吸い込まれていくという反転のイメージは、生物の発生学では、なじみの深い形象でもあるのだ。
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宮沢賢治の作品を通して「自我」とは何かを論考する。 著者は「ふつうの高校生に読んでほしい」と思って書いたのだそうだ。 「自分とは何者か」を考えるのは近現代における人間最大のテーマだからね。だけど「ふつうの高校生」って誰だよって思っちゃう。難しいというか、こういう文章への習熟は必要...
宮沢賢治の作品を通して「自我」とは何かを論考する。 著者は「ふつうの高校生に読んでほしい」と思って書いたのだそうだ。 「自分とは何者か」を考えるのは近現代における人間最大のテーマだからね。だけど「ふつうの高校生」って誰だよって思っちゃう。難しいというか、こういう文章への習熟は必要だよね。 人が何を見てどう生きたのかのすべてをテキストにすることなんてできるはずもない。表現されたものの背景を読者により感じさせる力が賢治の作品にはある。だから宮沢賢治に魅かれるんだ。
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