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体の贈り物
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体の贈り物

レベッカ・ブラウン(著者), 柴田元幸(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 マガジンハウス/マガジンハウス
発売年月日 2001/02/22
JAN 9784838712908

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商品レビュー

4.4

30件のお客様レビュー

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2024/05/06

職業的には冷静さと温かさが必要で、ただそれだけでは語り得ない想いの発露がここにはある。 例えば、受け持ちの患者であるリックの具合が急変して慌ただしく病院へと移送されていった朝。部屋に残された私は、当面は帰ってくる見込みもない彼の部屋で、いつも通りに掃除や洗濯をしてキッチンへ向か...

職業的には冷静さと温かさが必要で、ただそれだけでは語り得ない想いの発露がここにはある。 例えば、受け持ちの患者であるリックの具合が急変して慌ただしく病院へと移送されていった朝。部屋に残された私は、当面は帰ってくる見込みもない彼の部屋で、いつも通りに掃除や洗濯をしてキッチンへ向かう。 そこには食事が用意されている ー 彼が二人で食べようと用意した食事だ ー 。 それを目にしたときに彼女のとる行動に、ハッと胸が締め付けられる。 誰にも見届けられることのないこんな瞬間に人を動かすのは、職業的倫理感ではない。 自然とあふれでる人としての想いだ。 『汗の贈り物』この10ページ足らずの短編の中で、静かにそれでも大きく、彼女の中で被介護者であるリックに向けられる視点は変わってゆく。 ことさらにドラマチックな訳ではない。生と死というテーマにしては、いっそ抑制が効いた語り口ともいえる。 なのに主人公である私の心の揺れ動く様に共振して揺さぶられるような印象を受けた。 どの短編にも熟練したケアワーカーとしての配慮に満ちた気配りとテキパキとした対応が描かれている。なんだか清潔で頼れる感じに安心してしまいそうな錯覚すら覚える。しかし、当然ながらそれは錯覚に過ぎない。 本短編集は連作となっている。 担当として通った先で出会った見舞客が、次の編では病に伏せて患者となっている。 自宅で過ごせていた人が、後にはホスピスに移って登場する。 みんな不治の病で死んでゆく。 読み進めるにつれて、主人公である私の心が擦り切れてゆくのがわかる。 それでも、 希望がないところに尊厳を持つこと。 死や病に際して抗うことの是非を問うのではなく、それぞれの思いを尊重すること。 日常生活が送れなくなってゆく中で、まるでいつもと同じ明日がくるかのように振る舞うこと。 辛いテーマなのに、読後には、手にとってよかったという読んだことの幸せを噛み締めた。 きっともう一度読むときがくるだろう。 後書きで翻訳者の柴田元幸さんが述べている。 “訳した本はどれも、届くべき読者に届くことを祈りつつ世に送り出すものだが、この本はいつにも増して熱く祈りたいと思う。 この本をいいなと思ってくださるであろう方々の、できるだけ多くにこの本が届きますように。”

Posted by ブクログ

2023/10/26

エイズ患者を世話するワーカーの患者との交流の物語。死ぬことがわかっていて死にむかって時間が過ぎていく中で自分を強く持って過ごす、その尊厳を守り手助けする私の彼彼女との距離感、信頼関係が素晴らしい。

Posted by ブクログ

2022/12/11

エイズ患者のケアワーカー目線で書かれる小説。 翻訳に無理がなく、読みやすい。 訳者あとがきによれば、著者のレベッカ・ブラウン氏は、「中学英語の範囲に収まるような文章と単語を使‥」う作家だそうなので、次回読む機会が訪れた時には、原文で読んでみたい。

Posted by ブクログ

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