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レ・ミゼラブル(1) 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社/新潮社 |
発売年月日 | 1967/05/10 |
JAN | 9784102117019 |
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レ・ミゼラブル(1)
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商品レビュー
4.3
43件のお客様レビュー
この歳で初読。世の中に、こんな面白い小説があるとは思いませんでした。 冒頭に登場するビヤンヴニュ司教の偉大さと人間としての面白さ、主人公ジャン・ヴァルジャンの数奇な運命と高潔さ。全5巻の1巻目で物語は目が回るような展開を見せます。舞台は19世紀初頭。フランス社会と民衆の生活も詳細...
この歳で初読。世の中に、こんな面白い小説があるとは思いませんでした。 冒頭に登場するビヤンヴニュ司教の偉大さと人間としての面白さ、主人公ジャン・ヴァルジャンの数奇な運命と高潔さ。全5巻の1巻目で物語は目が回るような展開を見せます。舞台は19世紀初頭。フランス社会と民衆の生活も詳細に描写され、当時の大衆が奪うように読み耽ったというのも理解できます。佐藤朔さんの翻訳もわかりやすく、まさに勘を置く能わずの名作。2巻以降も楽しみです。
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※このレビューにはネタバレを含みます
【ジャン・バルジャンが聖人に生まれ変わっていく長い旅の始まり】 物語全体を通して、ジャン・バルジャンが聖人に近づいていく課程が描かれています。1巻では、以下の内容が綴られています。 ・物語全体を通してバルジャンの目標となるミリエル司教のエピソード ・憎しみを持ったバルジャンが「正直者」として生まれ変わる ・「正体を明かすべきか否か」正直さとは何か問われる大きな試練 【理想人としてのミリエル司教】 冒頭のミリエル司教のエピソードが秀逸でした。ミリエル司教はこの物語で最大の聖人であり、理想的な人物として描かれています。物語全体を通して、ジャン・バルジャンは多くの苦しみ、葛藤を味わい、成長していきますが、常にこのミリエル司教を手本として生きていくことになります。 【ミリエル司教の優しさはバルジャンを苦しめる】 ミリエル司教から盗みを働いたバルジャンはすぐに捕まりますが、赦され、釈放されます。そして、「正直な人」になることをミリエル司教に約束させられます。 この寛大さはバルジャンを苦しめることになります。今まで感じていた憎しみを捨て、正直者/善意の人になることは、「憲兵に捕まって監獄に入った方がよかった」と思うほどに辛いものでした。この苦しみを乗り越え、彼は正直者として生まれ変わり、新たな人生が始まります。 【工場主、市長として街の発展に尽くす】 バルジャンはミリエル司教との約束「正直な人」になるため、正しく生きることを選びます。彼の興した工場のおかげで街は発展し、得られた富を貧しい人に分け与え、皆豊かになっていきます。バルジャン自身も人格を磨き、ミリエル司教のような聖人に近づいていきます。最初は素性の分からない彼を疑っていた市民も、彼の行いを見て信頼するようになっていきます。 しかし、全ての人を救える訳ではなく、意図せずして新たな苦しみを生み出してしまいます。哀れな女性ファンチーヌを救えなかったことが、後にバルジャンの人生を大きく変えていきます。 【正体を明かすべきか否か、究極の選択】 順調に街を発展させていたバルジャンでしたが、あるとき、過去に自分の犯した罪の濡れ衣を着せられた無関係の男が捕まったことを知ります。自分が正体を明かせばその男は助かります。 しかし、そんなに単純ではありません。自分が捕まれば工場で働く人々はどうなる?市政はどうなる?そしてなによりファンチーヌとその娘を誰が守る?その他にも様々な要因が絡み合い、正体を明かしても、明かさなくても、いずれにしても大きな犠牲を伴います。彼が「正直者」として生きるようになってから最初の大きな試練を迎えました。この部分の葛藤が1巻で最大の山場です。
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他者から示された優しさにより罪人が改心し、やがて人望の厚い模範的な市長へ生まれ変わる。自己犠牲を示し、人々に寄り添い、徳を積み続けるジャン・バルジャンに過去を知る人物が忍び寄る、生まれ変わった人物に纏わりつく過去の罪という構図が物語として純粋に面白いです。
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