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かもめ・ワーニャ伯父さん 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社/新潮社 |
| 発売年月日 | 2004/11/01 |
| JAN | 9784102065020 |

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かもめ・ワーニャ伯父さん
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商品レビュー
3.8
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30年近く前に読んだ北村薫さんの 「六の宮の姫君」で、 初めてその名と作品を知った チェーホフ「かもめ」。 堤防の上に割れた瓶の首がきらりと光り、水車の影が黒く横たわっていた… 情景描写だけで月夜を描き出すという内容で、作中に紹介されていたのを読んで以来、私の頭の中にチェーホフ「かもめ」という文字列が長らく収納されていた。 と、いうわけで、ひかり書店さんで、この縦の文字列を背表紙に見つけた瞬間にお迎え決定。 さて、しかし。 約30年越しの答え合わせ、 読み始めてビックリしたのがこの作品が戯曲だったということ。 あれれ?「六の宮の姫君」に そういう説明あったかしら? 古典、しかもロシア語の翻訳、 しかも戯曲。 正直読むのにはめちゃくちゃ ハードルが高い。 シェークスピアの「リチャード3世」に手こずったのは割と最近だ。 案の定、登場人物の名前が難解すぎて、 男性か女性かも一見わからなくなる。 基本会話劇なので、 いろいろと見失いながら 時間をかけて通読した。 1回目、「かもめ」を読んだ時点で 本当に意味がわからなかったので、 登場人物の名前を無理やり頭に叩き込んですぐ再読。 …めちゃくちゃ面白いやん。 大事件は起こらないし、 派手な場面展開もない。 会話劇で登場人物の関係性を表しながら、この時代の空気感…停滞している感じや年代や立場による芸術の捉え方、立場の違いから来る視点の差、時間の経過で変わる関係性、そして同じ世代にあっても経験で分離する生き方に対する解釈。 これは演劇としても面白そう。 続く「ワーニャ伯父さん」も、 自分と年齢が近いこともあり、 実体験として、昨今よく目にする ミドルエイジクライシスの話だなと、 テーマの普遍性に頷きながらも、 この時代、この場所だからこそ起きる物語の展開がますます面白く、興味深く読んだ。こちらは「かもめ」より登場人物が少なかったので物理的に読みやすかったな。 さて読み終えて、「かもめ」が再演で成功した1898年を振り返る。 戦争と革命を直前に控えるこの時代、 ロシア国内は農奴解放からも時間を経て、いろんな社会システムが停滞、フラストレーションも溜まっていたのだろう。 また、物語の筋に恋愛感情が中心に据えられる展開は、リアリズムの中にもロマン主義の尻尾が見えて興味深い。 「かもめ」にしろ「ワーニャ伯父さん」にしろ、一見普遍的に見える恋愛が成就しないことへの不幸と、嵐の前の静けさと、ここを耐えることによる祈り、みたいなものを感じた。 また、この時代の日本と照らしてみても面白い。「かもめ」が作られた頃は日清戦争が終わり、ロシアが朝鮮半島を巡って日本に干渉を強めていた時期にあたる。日露戦争の英雄、広瀬武夫がロシアに留学していたのも再演成功の頃だから、彼もどこかの劇場で観ていたかもしれないと思うと感慨深い。 とりあえず次は 「三人姉妹」と「桜の園」だな。 戯曲の読み方を覚えているうちに 入手しなくては。
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