岬 文春文庫
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岬 文春文庫

中上健次(著者)

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岬 文春文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋/文藝春秋
発売年月日 1978/12/09
JAN 9784167207014

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商品レビュー

3.7

76件のお客様レビュー

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2010/05/28

学校の教科書に掲載さ…

学校の教科書に掲載されることはないでしょうが、多くの作家に影響を与えた作品です。

文庫OFF

2024/11/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

評価は岬について。 黄金比の朝  腹違いの兄弟、弟と斎藤は予備校生、のところへ過激派の兄がやってくる。弟の母は女将で、そんな母、そして女をクサレオマンコと嫌っている。喫茶店である女に出くわし占い師を探しているというが、老婆ですでに死んでいる、女は信じようとしない 火宅  男は喧嘩っ早くそれに兄はいつも従った。遊郭など二件火事を起こした。兄の家に男が来て、母が子を身籠った。その男は捕まり浮気してすぐ居なくなり最近死んだ。その子もまた喧嘩っ早く、何処の馬の骨かと騒ぎ嫁を殴る。嫁は出て行けと言う。 浄土寺ツアー  旅行社の男が主人公、知り合いの女、和尚、老婆達、白痴の子と父親で浄土寺へ行く。男は女とやる事ばかり考えているが、家では嫁が出産の頃だった。子供を何回もおろしてきて、もう限界だった。ツアーは女の母の自殺の参りでもあった。 いったいなにをしにこの世界に来たのだ? 生まれて、やって、死ぬためか? (心中を批判して)でも違うよ。母親ひとり苦しんで死んでいくの、たまんないわよ、一緒に死んでやればどんなにいいかと思う 岬  芥川賞受賞作。和歌山で土木で働く主人公。兄と姉がいたが、主人公は父が違い女に手を出しまくる。女郎の子供(主人公の妹)が近くの街で娼婦をやっている。兄は自殺した。姉は身体が弱い。叔父が酒を姉にせびりに来る。同じ職場の安雄が妻光子の兄を殺す。それきっかけに姉は体調不良になり、殺される、死にたいなどと言い始める。母は三回結婚し、最初の父の法事を今の夫の家でやる。母は兄に刺して見ろと言い、兄は何も返せなかった。母は叔父も怒る。主人公は妹の店に行き妹を襲う。妹が愛おしい。あの男(実父)の血が溢れる。 お前たちみたいにどろどろじゃない 秋幸には全てが疎ましい。母や実父には自殺した異父兄、発狂した姉を返せと言いたい。お前たちが犬のようにつがって滅茶苦茶やって、複雑な血縁をつくり、そのツケが子供に来ている。そう思う。 https://ja.m.wikipedia.org/wiki/岬_(小説)

Posted by ブクログ

2024/10/06

私たちの人格はどうやって作られたのか。先天的に与えられた部分と、後天的に獲得した部分がある、と言われるが、おそらくはそのいずれにも当てはまるのが、時代、そして地縁・血縁だろう。私という存在は、この時代に、この場所に、この親のもとに生まれるほかなかった。どんなに新しい未来を手にしよ...

私たちの人格はどうやって作られたのか。先天的に与えられた部分と、後天的に獲得した部分がある、と言われるが、おそらくはそのいずれにも当てはまるのが、時代、そして地縁・血縁だろう。私という存在は、この時代に、この場所に、この親のもとに生まれるほかなかった。どんなに新しい未来を手にしようとも、出自から完全に逃れることは不可能だ。一般的に言われるように、文学というものが、何らかの意味で書き手にとって「やむを得ず」書かれるものだとすれば、自分という存在の根源に潜行し、そこから言葉を立ち上げてくる小説が、文学でないはずがない。そういう小説、そういう文学に、青年期にこそ出会いたい。 中上健次は、一九四六年、和歌山県新宮市生まれ。一九九二年に四六歳で没するまで、故郷紀州の土地を舞台に、複雑な家族関係だった自らの出自を見つめる作品を書き続けた。それらの作品群は「紀州サーガ」と呼ばれている(「サーガ」とは、「一家一門の物語を壮大に描く長編の叙事小説」Wikipediaによる)。 『岬』は、一九七六年の芥川賞受賞作。翌年に出版された『枯木灘』はその続編。さらに後年出版される『地上の果て 至福の時』はさらにその続編。主人公ほか、登場人物も時間も連続している。螺旋的に繰り返し紹介されるその複雑な人間関係と、人間の根源が剥き出しの出来事を追いながら、これら三作読み進めていく作業は、文学と向き合うという行為が、生ぬるい娯楽ではないことを教えてくれる。中上文学にいつ入門するか。考えておいてほしい。(K) 紫雲国語塾通信〈紫のゆかり〉2016年5月号掲載

Posted by ブクログ

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