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の商品レビュー

3.7

85件のお客様レビュー

  1. 5つ

    14

  2. 4つ

    28

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学校の教科書に掲載さ…

学校の教科書に掲載されることはないでしょうが、多くの作家に影響を与えた作品です。

文庫OFF

2026/03/29

一年ほど前に岬は読んだ。それからしばらく経って今再び中上健次を読みたいと思うようになった。昔よりも悪くないなと感じた。それでも個性のような強いしぶきを感じることはできない。

Posted byブクログ

2026/03/27

戦後生まれとしては初の芥川賞作家の受賞作、というにしては、古い日本の姿が描かれているようで不思議な心地だった。近代文学とも違う異様な何か、生のエネルギーというか、そうしたものが戦後生まれの作家によって生み出されたこと、中上健次が日本文学の歴史おける特別な作家であることをはっきりと...

戦後生まれとしては初の芥川賞作家の受賞作、というにしては、古い日本の姿が描かれているようで不思議な心地だった。近代文学とも違う異様な何か、生のエネルギーというか、そうしたものが戦後生まれの作家によって生み出されたこと、中上健次が日本文学の歴史おける特別な作家であることをはっきりと感じられる作品だった。

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2026/02/28
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※このレビューにはネタバレを含みます

秋幸が最後妹とまぐわうことで自分の血を凌辱するという展開が予想外だった。それによって自分の出自を受け入れて、消極的な生から積極的な生に転換するところが臨場感にあふれていて、これが人間っていう感じがした。

Posted byブクログ

2026/01/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

かなり力強い純文学。個人的にはかなり好みだった。 とにかく一つ一つの話の力強さが凄い。鬱憤が溜まって仕方なのない人達の苦悩が、切れ味そこそこのナタで全力で振り下ろされているようだった。話は辛いものが多いが、鈍くもなく、鋭くもない。そこそこの切れ味。そこがとても良かった。 文学としてもかなり読み応えのあるいい作品だった。北方謙三が中上健次を読んで純文学を諦めた理由もわかる。文才が凄い。登場人物が少しごっちゃになってしまう時もあるが、一度で理解しきれずとも、何度読んでも面白そうなのでオススメです。誰が読んでも楽しめると思います。

Posted byブクログ

2025/11/23
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※このレビューにはネタバレを含みます

表題作のみ読んだ。 田中慎也「共喰い」を想起した。 平易な単語ばかりで、句読点が多く軽快な文体で読みやすい。しかし、内容は極めて難解に読んだ。 噛み砕ききれず、だがなにか心を掴まれたような気がして、秋幸になにか自分と似たところを感じた気がした。 人の解説を読んでようやく少しずつ掴めてきた気がする。他人にがんじがらめになっているところが、秋幸に共感したんだと思う。 紀州サーガをまた読もうと思う。 262 彼は一人になりたかった。息がつまる、と思った。母からも、姉からも、遠いところへ行きたいと思った。あの朝、首をつって死んでいた兄からも自由でありたかった。

Posted byブクログ

2025/10/26

初めての中上健次。現代の作家の中では村上春樹だけを学生時代から通して読んできた。村上龍もいくつかは読んだ。柄谷行人はできるだけ読もうとしてきた。理解しているかどうかは別として。しかし、中上健次だけはどうも手が付けられなかった。いつかは代表作だけでも読まないといけないと思っていた。...

初めての中上健次。現代の作家の中では村上春樹だけを学生時代から通して読んできた。村上龍もいくつかは読んだ。柄谷行人はできるだけ読もうとしてきた。理解しているかどうかは別として。しかし、中上健次だけはどうも手が付けられなかった。いつかは代表作だけでも読まないといけないと思っていた。先日、渡邊英理著「到来する女たち」を読んだ。石牟礼道子の名前を見つけたからだ。そこで中上について深く言及されているわけではなかったが、もう機は熟したと思えた。さらに松本卓也と東畑開人の対談を読んだ。そこには、村上春樹と河合隼雄の対極として中上健次とラカンの名前が挙がっていた。もう読むしかないと思えた。図書館で借りて読んだ。僕が10歳のころの作品だ。 「黄金比の朝」予備校や高校での学生運動は僕より一つ上の世代の物語だ。やとな、インバイ、クサレオマンコ、故郷で一人暮らしをする母親のことをボロカスに言う。異母兄に対しても敵対心むき出しで、その存在を凌駕しようとしているかのようだ。赫い女は何のために現れたのか。特に話が展開するわけでもない。ただ親兄弟に対する思いを際立たせるための存在なのか。兄が除籍になった学校が東京大学ではなく「東京」の「大学」であることが何か大きな意味を持つのだろうか。松根善次郎はどうしてフルネームなのか。我が家でも朝トイレに入ると「なむみょうほうれんげきょ」と何度も唱えている隣の女性の声が聞こえてくる。黄金比が何を象徴しているのか結局分からなかった。 「火宅」いったいその男はどの男か。父は誰か。語り手は誰か。一番下の弟か。弟が何もかもを見ているのか。誰が母か。誰の母か。誰が火をつけたのか。誰が誰を殺したのか。結局、何も分からなかった。ただただ言葉に圧倒された。 「浄徳寺ツアー」なんとなく情景を思い浮かべることはできた。どうして男は自分の妻が出産するという日に他の女とセックスをするのか。女はどうして最終的に受け入れてしまったのか。自分の母の弔いに来ている身でありながら。年寄りたちの言動が微笑ましい。少女の初潮も象徴的だ。 「岬」石牟礼道子を読んでいる気分になった。土方、土方と何度も登場するからだろうか。土のにおいがプンプンする。血生臭い感じもある。近代化以前の話がここにはある。相手が腹違いの妹であると確信して女を買う男、どう思って女の胸に顔をうずめたのか。どう思って固くなったペニスを女の体の中に入れたのか。どう思って射精したのか。弦叔父は何をして生きているのか。酒だけで生きているのか。声だけで顔はほとんど見えなかったが、こういう存在が物語には必要なのだろうか。恵美は気が振れてしまったのか。兄が首をくくって死んだことと関りがあるのか。そういう血筋ということか。血縁関係はいったいどうなっているのか。小さな部落の中の近親交配があるのか。芳子はこの部落から脱出したということか。しかし紀州の思い出を繰り返し語っているというのか。もっと深く知っていくと感じ方も違ってくるのかもしれない、と思えた。 さてさて、正直言って、ものすごく面白い、ぜひまたほかの作品も読みたいと思えたわけではない。ただ、怖いもの見たさではないが、ガルシア・マルケスのようにあと2冊くらいは読んでみることにしよう。マルケスももう1冊読まないといけなかったはずだが、何だっただろう。

Posted byブクログ

2025/09/22
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※このレビューにはネタバレを含みます

筆者の生い立ちから作り出された家族関係が複雑に描かれている作品でした。ラストに向かうにつれて姉がおかしくなっていってどう終わるのかと思えば、自分の血の繋がり全てを陵辱するために妹と交わるのは衝撃でした。

Posted byブクログ

2025/08/29

ぐいっと引き込まれるものがあります。 リアリティ溢れる描写は、作者の育った境遇が目の前に浮かぶようです。 それ故に、なかなかに辛く、救いがない。 どうにも乱暴になってしまう人達の性は、境遇によるもなのか。乱暴を乱暴のままにして許してはいけないと思う。 先に、紀州という著者のルポ...

ぐいっと引き込まれるものがあります。 リアリティ溢れる描写は、作者の育った境遇が目の前に浮かぶようです。 それ故に、なかなかに辛く、救いがない。 どうにも乱暴になってしまう人達の性は、境遇によるもなのか。乱暴を乱暴のままにして許してはいけないと思う。 先に、紀州という著者のルポ?を読みました。 作者の育った土地や、そこに住む人々が、作者が洞察し、描いた作品のとおりであるなら、あまりに悲しい。そういう事実や性質がそこにはあったのだと思いますが、その他のものもあると思います。良いところ、明るいところも。 文学として、あるいはその境遇を残すという意味で、価値あるものだと思いつつ、個人的にはもっと希望や救いを生きる上で持つべきだと思います…それは理想主義的?けど、出てくる人々があまりにも呪いのようなものに縛られ過ぎている。 岬は紀州サーガの第一作目で、枯木灘、千年の愉楽へと続くようで、作者が育った境遇、土地をどう昇華していったのか気になるところですが、ひとまずおやすみしたい。

Posted byブクログ

2025/08/11

1975年芥川賞受賞作。人物関係がややこしくて読みにくいです。出自という避けられない事実に苦しむ人間について書いてあります。今の世の中で「多様性」みたいに言われることの、本当の姿というものがあり、それが憑依して書かせた文章なので読みにくいのも仕方ないという印象。

Posted byブクログ