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富士 中公文庫
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富士 中公文庫

武田泰淳(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社/中央公論新社
発売年月日 1973/08/10
JAN 9784122000216

富士

¥550

商品レビュー

4.1

10件のお客様レビュー

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2022/09/27

約700pに及ぶ長大なボリューム。面白すぎて凄まじい速度で読了。 あまりにもカオスで深淵、一言で表現が出来ない。 解説の堀江敏幸も本作を『樹海』と表現。 富士とは何を指すのか、ほんの僅かに分かった(気がした)だけでも、読んだ甲斐があった。

Posted by ブクログ

2022/09/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

精神科の先生ではないようで、確かに内容からも伝わってくる。疾患へのイメージなどもすこし大雑把 精神病院における医師と患者の立場の逆転とはまた怖い発想だ。時間が経てば退院する患者と違って医師は生涯を病院で過ごす。また社会のあらゆる制約に縛られない精神患者と違い、精神科医を縛るものは法律やら規範やら数多い。確かに患者の側が怯える医師を観察しているという表現もなるほど一理がある。拘束の権利を与えられているのはその立場の弱さゆえかもしれない。 この立場の逆転の考え方は辻仁成の海峡の光、吉村昭の破獄で学んだもの 神と選ばれたる民 神は恵みの神、救いの神でありつつ、また怒りの神、抹殺の神でもありうるという運命をもつ 脳が脳を裁く 優しさという拘束具 各行の最初の文字に必ず漢字をえらんでいるのはてんかん病患者特有の傾向 患者をつくりかえる「神の指」となり、患者をおびきよせる「神の餌」をばらまかねばならないのだ

Posted by ブクログ

2020/10/11

武田泰淳 「富士」戦時の精神病院を舞台とした医師と患者の物語。 モチーフは ヨブ記だと思う。登場する人物は 不条理な苦難を受け、物語は終始 混沌としている。「カラマーゾフの兄弟」や 埴谷雄高「死霊」の描く世界に似ている 章構成が「神の餌」で始まり、「神の指」で終わる。主題は...

武田泰淳 「富士」戦時の精神病院を舞台とした医師と患者の物語。 モチーフは ヨブ記だと思う。登場する人物は 不条理な苦難を受け、物語は終始 混沌としている。「カラマーゾフの兄弟」や 埴谷雄高「死霊」の描く世界に似ている 章構成が「神の餌」で始まり、「神の指」で終わる。主題は 「人間の狂気性に苦悩する医師と神の関わり」だと思う。 神が人間にどう関わるか〜沈黙する神、寄り添う神、慰める神。富士は 神の象徴? 物語の中で 精神病や患者の死は 何を意味するのか〜人間の限界を知ること。その限界の中で人間に何ができるかを問うこと。 宗教批判や戦争批判は感じないが、階級批判や平等主義は随所に感じた

Posted by ブクログ

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