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安土往還記 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社/新潮社 |
発売年月日 | 2005/11/01 |
JAN | 9784101068015 |
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安土往還記
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商品レビュー
4.2
30件のお客様レビュー
大殿(シニョーレ)=…
大殿(シニョーレ)=織田信長が本能寺の変で倒れるまでを、宣教師と共に日本にやってきた外国人の視点から描いたもの。この辻先生独特文体は、うなづけます。
文庫OFF
信長を題材としているが、その主旋律は「宿命とそれに対する処し方」。主人公は、人殺しの過去を肯定するために、あらゆる宿命に打ち勝とうとする。信長、そしてヴァリニャーノは、事を成すことに生命をかけその宿命としての孤独に震える。そのなかで信長はキリシタンに全幅の共感を覚える。孤独さこそ...
信長を題材としているが、その主旋律は「宿命とそれに対する処し方」。主人公は、人殺しの過去を肯定するために、あらゆる宿命に打ち勝とうとする。信長、そしてヴァリニャーノは、事を成すことに生命をかけその宿命としての孤独に震える。そのなかで信長はキリシタンに全幅の共感を覚える。孤独さこそが唯一の友の条件だという、逆説的だが腑に落ちる説を展開している。こうしたテーマはもちろん、抑制のうちに洩れる美しい描写もすばらしかった。特に、信長とヴァリニャーノとの別れのシーン。光と闇が交錯し、「また会いたい」(が、もう逢えないだろう)という悲しみが浮かび上がってくる。 いささか冗長な部分もあったが、じっくり読むに堪える小説だった。 それにしても、昔の「別れ」の重み。二度と会えないことがほとんどであり、一期一会という言葉がいまのように軽薄に使われることはなかっただろう。だから、昔の人は別れでよく泣く。それが今生の別れだから。さようなら(ば、私はいかねばならぬ)という言葉は、出会いと別れの鮮烈な無常をじつによく表している。 See you、再見という言葉にも、明るさより悲しさがあふれている。いまは、会おうと思えばいつでも会えるがゆえに、結局あやふやな別れを迎える。別れを自覚的に生きることは大切なことなのだ。そうでないと、その人と交わることができなくなるからだ。
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西欧人が語る大殿(シニョーレ)織田信長は、きっとこのような人物だったのだろうと思わせる。 好奇心高く芸術家を敬い西洋の技術に深く関心を持ち、道理を求め「事が成る」ことをもって自身の道を貫くために非情となり、それは周囲の理解を得られず孤立していく。 宣教師らには人なつこく冗談に笑う...
西欧人が語る大殿(シニョーレ)織田信長は、きっとこのような人物だったのだろうと思わせる。 好奇心高く芸術家を敬い西洋の技術に深く関心を持ち、道理を求め「事が成る」ことをもって自身の道を貫くために非情となり、それは周囲の理解を得られず孤立していく。 宣教師らには人なつこく冗談に笑うほど心を許したと言うのも安土城下にその城郭と同じ青瓦のセミナリオを建立させた事からも本当だったのだろう。 宣教師ヴァリニャーノがヨーロッパに帰国する事になった際、見送る為に催した夜の祭典で、安土城が一斉の篝火で浮かび上がった情景は素晴らしく、黒装束で信長自らがたいまつを掲げ宣教師に言葉を送ったと言うのも、西洋の宣教師らに対する深い思いが伝わってくる。 信長の時代がもっと続いたらどうだったかななど思いを巡らせながら歴史が現在につながっている事を痛感するから史実は面白い。 豪華絢爛な安土城が現存していないのが本当に残念です。
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