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安土往還記 新潮文庫
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安土往還記 新潮文庫

辻邦生(著者)

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安土往還記 新潮文庫

605

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社/新潮社
発売年月日 2005/11/01
JAN 9784101068015

安土往還記

¥605

商品レビュー

4.2

31件のお客様レビュー

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2010/05/28

大殿(シニョーレ)=…

大殿(シニョーレ)=織田信長が本能寺の変で倒れるまでを、宣教師と共に日本にやってきた外国人の視点から描いたもの。この辻先生独特文体は、うなづけます。

文庫OFF

2024/07/22

歴史小説という枠を超え、見事に描かれる人間・信長像。 信長の信任が厚かったオルガンティノ神父と共に来日したイタリア人の友人の「私」が語り手です。この「私」 は小銃の名手であり、銃を用いた用兵や造船の知識を持ち、信長に鉄砲の三段構えを教えたり、本願寺との戦いに用いられた鉄甲船の造船...

歴史小説という枠を超え、見事に描かれる人間・信長像。 信長の信任が厚かったオルガンティノ神父と共に来日したイタリア人の友人の「私」が語り手です。この「私」 は小銃の名手であり、銃を用いた用兵や造船の知識を持ち、信長に鉄砲の三段構えを教えたり、本願寺との戦いに用いられた鉄甲船の造船にかかわったりするという設定です。 もっとも、様々な事件は単なる背景で、あくまで信長の人格・精神を炙り出しが主眼です。信長を「事の道理に適わなければ、決して事は成らぬ」と考え「事が成る」事に全ての力を集中する人物であると規定。それゆえに西洋の論理的な理(建築学・天文学)を追い求め、理に反していると思えば自らの恣意など簡単に放り捨て、戦においては(残虐さからでなく)理を通すために徹底的なせん滅を目指す。一方で遠く海を超えて日本まで来て滅私の活動をする神父たちには心を許し、多大な庇護を与える人物だと定義します。そして様々な事件・事象を通しその検証をしている作品です。 緊張感のある重厚で美しい文体でぎっちりと書き上げられた名作です。 家に有った文庫本。多分再読です。奥付を見ると昭和47年4月発行、昭和48年3月二刷となっています。小口はまっ茶に焼け、フォントは小さく掠れ、行間は狭く。高校生の頃の私が背伸びしながら読んだ本の様です。

Posted by ブクログ

2022/01/30

信長を題材としているが、その主旋律は「宿命とそれに対する処し方」。主人公は、人殺しの過去を肯定するために、あらゆる宿命に打ち勝とうとする。信長、そしてヴァリニャーノは、事を成すことに生命をかけその宿命としての孤独に震える。そのなかで信長はキリシタンに全幅の共感を覚える。孤独さこそ...

信長を題材としているが、その主旋律は「宿命とそれに対する処し方」。主人公は、人殺しの過去を肯定するために、あらゆる宿命に打ち勝とうとする。信長、そしてヴァリニャーノは、事を成すことに生命をかけその宿命としての孤独に震える。そのなかで信長はキリシタンに全幅の共感を覚える。孤独さこそが唯一の友の条件だという、逆説的だが腑に落ちる説を展開している。こうしたテーマはもちろん、抑制のうちに洩れる美しい描写もすばらしかった。特に、信長とヴァリニャーノとの別れのシーン。光と闇が交錯し、「また会いたい」(が、もう逢えないだろう)という悲しみが浮かび上がってくる。 いささか冗長な部分もあったが、じっくり読むに堪える小説だった。 それにしても、昔の「別れ」の重み。二度と会えないことがほとんどであり、一期一会という言葉がいまのように軽薄に使われることはなかっただろう。だから、昔の人は別れでよく泣く。それが今生の別れだから。さようなら(ば、私はいかねばならぬ)という言葉は、出会いと別れの鮮烈な無常をじつによく表している。 See you、再見という言葉にも、明るさより悲しさがあふれている。いまは、会おうと思えばいつでも会えるがゆえに、結局あやふやな別れを迎える。別れを自覚的に生きることは大切なことなのだ。そうでないと、その人と交わることができなくなるからだ。

Posted by ブクログ

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