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夜明け前 第一部(下) 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社/新潮社 |
発売年月日 | 2012/06/01 |
JAN | 9784101055091 |
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商品レビュー
3.6
10件のお客様レビュー
非常に読むのが大変だ…
非常に読むのが大変だった。長いので暇な人は長期休暇でもつかって読んでみてください。
文庫OFF
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
書き出しがあまりに有名な、幕末から明治にかけての馬籠宿を舞台にした島崎藤村の小説。なんとなく森鷗外「舞姫」のような文体を想像していたので、意外と読みやすくてビックリした。さて、本作の主人公・青山半蔵は、本陣の当主であり、参覲交代や長州征伐などさまざまなできごとを通して、激動の時代を描き出している。幕末を舞台にした小説ではやれ坂本龍馬だのやれ勝海舟だのといった志士たちがとかく主人公になりがちであるから、フィクションとはいえ、こういう田舎のいち宿場町を通してこの時代を見つめるということが非常に新鮮で興味深かった。また、この時代に順応しようとする一方で、昔から信奉する国学に固執し、時代に抗おうともする半蔵のアンビヴァレントな感じも興味深かった。そして、なんといってもその怒濤の展開。時代が時代であるだけに、淡淡と日常を描くだけでも十分に物語になるはずであるが、やはり文学史上に残り続けているだけあって、それだけでは終わらない。自殺未遂やら発狂やら、後半には昼ドラも真っ青のエピソードが続く。まったく想像もしていなかったのでビックリしたが、そもそもこの内容でこの結末になると予想できる人がいるであろうか。半蔵は藤村の父・正樹がモデルのようだが、藤村本人も姪との関係をめぐって問題になったのは有名な話。半蔵=正樹の晩年の様子を見ていると、「血は争えない」ということがよくわかる。全篇を通してとにかく揺れ動く感情、揺れ動く時代、揺れ動く馬籠が巧みに表現されていて、しかもおもしろさも持ち合わせた、紛うことなき傑作である。
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上巻はあくまで導入部分に過ぎないように思えたが、下巻で展開は大きく変わる。大胆な改革により馬籠は経済的な危機にさらされ、幕府の長州征伐は失敗に終わってしまう。それまで主人公たちが暮らしていた世界が変貌し、来るべき新たな時代がようやく顔を覗かせた。第二部ではもっと波乱の展開になるこ...
上巻はあくまで導入部分に過ぎないように思えたが、下巻で展開は大きく変わる。大胆な改革により馬籠は経済的な危機にさらされ、幕府の長州征伐は失敗に終わってしまう。それまで主人公たちが暮らしていた世界が変貌し、来るべき新たな時代がようやく顔を覗かせた。第二部ではもっと波乱の展開になることを予測しつつ、あくまで主人公は希望を抱き第一部は終わる。時代小説は慣れていないが、当時の人々の心情が生々しく描かれていて(あくまで藤村の空想に過ぎないだろうが…)、物語としても非常に楽しめるようになってきた。
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