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そうかもしれない
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 晶文社/晶文社 |
発売年月日 | 2007/02/10 |
JAN | 9784794967060 |
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そうかもしれない
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商品レビュー
4.4
6件のお客様レビュー
絶筆を含む晩年の3部作集。脳軟化症の妻の世話をする主人公は80歳で、自身も癌を患って入院する。デイケアで入浴介護を受ける妻の痩せた体が神々しく思えた帰り道、このまま夫婦で火葬されたいという描写、壮絶で美しかった。
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レイモンド・ブリッグスのアニメ映画「エセルとアーネスト」を見ていて思い出しました。ブリッグスの作品は、息子の目から見た「父」と「母」の姿でしたが、この作品は「妻」と「夫」の姿が描かれています。 作家の目は、「妻」に対してではなく「私」に対して注がれているところが「私小説」たる...
レイモンド・ブリッグスのアニメ映画「エセルとアーネスト」を見ていて思い出しました。ブリッグスの作品は、息子の目から見た「父」と「母」の姿でしたが、この作品は「妻」と「夫」の姿が描かれています。 作家の目は、「妻」に対してではなく「私」に対して注がれているところが「私小説」たる所以ですが、文学にすべてを捧げた人間が、最後にたどり着いた世界の「残酷」が比類のない「哀しさ」として表れていると思います。 それにしても、それでも書くことを手放すことができない耕治人の中に棲むのは「鬼」とでも呼ぶしかないものかもしれません。 「エセルとアーネスト」の感想はこちらをお読みいただきたいと思います。 https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202003050000/
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
耕治人(こう はると)氏(1906~1988)、初読み作家さんです。「そうかもしれない」、2007.2発行です。共に80歳を過ぎ(同い年)、50余年連れ添った妻が認知症に、介護する夫も口腔内癌に。妻は特別養護老人ホームに、夫は大学病院に。妻が付き添いの人に連れられて車椅子で夫の病院に面会に来た時、「この方がご主人ですよ」の言葉に、妻は「そうかもしれない」と。老夫婦の愛を描いた著者の「絶筆」だそうです。 耕治人(1906~1988)「そうかもしれない」、連作3話、2007.2発行。長い解説は鶴見俊輔氏。著者は家族5人が肺結核で死去、小学生の著者だけに。後妻の義母に大切に育てられ、聖母のような人と結婚。著者の結婚後、義母は再婚。結婚数十年、聖母のような妻の呆けから物語は始まる。共に80歳。火の元、戸締りが心配。便・尿の垂れ流しから妻を老人ホームに。著者自身は舌の手術が必要で病院に長く入院。ある日、妻が付添人に連れられ老人ホームから著者の見舞いに。「ご主人ですよ」に「そうかもしれない」と。
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