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リズムの本質
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | みすず書房/みすず書房 |
発売年月日 | 2006/12/26 |
JAN | 9784622072768 |
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リズムの本質
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商品レビュー
4.3
4件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
すべての有機生命体の現象には(空間的にも時間的にも)交互性、両極性がある→リズムがある (昼と夜、明と暗、夏と冬、生長と衰弱、生誕と死亡、貯蔵と分配、逗留と放浪、拘束と放逐、天と地、太陽と太陰、火と水、男と女、上と下、前と後、右と左、生成と消滅...) ただしリズムは同一者の反復(拍子。メトロノーム)ではなく類似者の再帰(熟練した指揮者)。 全体としては現代人が陥っている機械論的自然観を批判し、生命の躍動感をそのままに捉えられる感覚を取り戻すことを提唱している。 頭時計の例が面白かった。私が勉強している野口整体界隈でも目覚まし時計代わりとしてこのようなことは普通に行われていたらしい。 p.39 周知のとおり、すぐれて調整可能なあの「頭時計」(Kopfuhr)を利用している人が少なくない。前の晩のうちに心に決めておいたとおりに、任意の夜の時刻にいつでも、ふつう十分間までの誤差の範囲内で、正確に目覚めることができる。現象学的には、この事象はまったく理解されないか、〔理解されるにしても〕睡眠状態によって中断されない時間体験を前提としなければならない...「頭時計」が満足に作動しない人は、おなじような決心をすると、安心して眠れないのがつねである。神経の太い人でも、〔寝入る前に〕しばらくのあいだ寝つかれなかったことを、目覚めたあとでふっと気づくことがる。このような人は外的な資料の助けを借りずに睡眠時間を測ることができる。ときどきかなり狂うが、およそ時間どおりにうまくいくばあいが圧倒的に多い。これによって、あらためて、睡眠中のわれわれの時間体験が確証される。時間体験は現象体験の別名にすぎないのであって、われわれがまったく無意識に世界現象の特質を体験していることは疑いえないことである。 また、現象学の説明がわかりやすかった。 p.10「リズムが現象の世界に属するとすれば、それは事物(Ding)の世界に属さないということである。現象の世界に関する学問は現象学であり、事物の世界に関する学問は事実の学、あるいは原因の学である。事物として捉えるとき、わたしの書き机はつねに同一物であり、しかも、異なる時におけるわたしにとっても、任意の数の他の人びとのおのおのにとっても、同一物である。それにたいして、机の現象はたえず変化する。わたし自身の状態によってすら変化し、すこぶる爽快なときと、へとへとに疲れきっているときとでは見えかたが異なる。けっきょく、二人の異なる人物にとって正確におなじ現象はけっしてない。ふたりの人物が質的に同一の印象を受けることは考えられないからである。 「おなじ川のなかへ二度と入ることはできない」というヘラクレイトスの例の有名な命題を聞いて、昔の人びとはきっと、「つねに新しい水が流れてくるから」という表面上の意味よりももっと深い奥の意味を汲みとったであろう。そしてわれわれは、「おなじ池のなかへ二度と入ることはできない。そのあいだにわれわれが多かれ少なかれ年をとってしまうから」とも自信をもって補足することができよう...五歳の男児が遭遇する世界現象と七十歳の老人が遭遇するそれとを心のなかで比較してみるがよい。すると、きっともはやふたつの現象世界の差異を疑わないだろう。」 p.18「人間の目にとまるまでに、若い雄牛や石英や鷗は存在しなかっただろうか。しかし、そういうときに、人間あるいは人間の精神がはじめて形のない塊から直観像の世界をでっちあげるのだ、と人間に教え込んだのはどんな高慢ちき野郎か。現象世界―すなわち、多義的な外来語を選ぶなら、自然(Natur)―は、宇宙のもっともはるかな星雲塊やうずまき星雲から、極微のバクテリアあるいは滴虫にいたるまで、つねにすみずみまで形のととのった姿をしている。そして、それを混乱させ、撹乱させ、ときどきはおそらくまったくの「混沌」状態に陥らせる仕事が人間のためにのみ残されていた!この真理がわからなかったとはいよいよ恥ずべきことである。
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ひょっとすれば、リズムという現象自体が、生命現象なのかもしれない。エントロピー増大の法則に則って膨張していく宇宙の拍子に逆らう現象、それが生命活動のリズムであるのかもしれない。 人がリズムを感じる時、そしてその旋律に幸福を覚えるのは、人間には感情があるからである。でも、感情とは...
ひょっとすれば、リズムという現象自体が、生命現象なのかもしれない。エントロピー増大の法則に則って膨張していく宇宙の拍子に逆らう現象、それが生命活動のリズムであるのかもしれない。 人がリズムを感じる時、そしてその旋律に幸福を覚えるのは、人間には感情があるからである。でも、感情とは何だろうか。それこそ、拍子とリズム、そして感情というのは、表裏一体の現象なのかもしれない。それでは、その根源は、なぜ無から有という名のリズムが生まれたのだろうか。物理学的にいえば、CP対称性の乱れはなぜ起こったのだろうか。そもそも、無というものも、一つの現象として、何か不可思議な現象と拮抗し、揺れ動いているものなのかもしれない。 拍子とリズムに揺れて生きるとは、一つの仮想であると思った。この世界が生まれた訳も、はたまた、自分が生きている意味というものも、また拍子、リズム、そしてそれに呼応する感情が生み出した一つの現象なのかもしれない。
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タクトとリズムの違い、ひいてはモノとイノチの違いが判る本。生きている心臓は何故ドキドキするのか、ドキドキとは何なのか、なんて知らなくても生きていけるけど、知ってしまうとモノの見方、考え方が大逆転する。それを教えてくれるアリガタイ本。近視にとっての眼鏡、難聴にとっての補聴器、人にと...
タクトとリズムの違い、ひいてはモノとイノチの違いが判る本。生きている心臓は何故ドキドキするのか、ドキドキとは何なのか、なんて知らなくても生きていけるけど、知ってしまうとモノの見方、考え方が大逆転する。それを教えてくれるアリガタイ本。近視にとっての眼鏡、難聴にとっての補聴器、人にとっての言葉。我にとってこの本。
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