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日本文化における時間と空間
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店/岩波書店 |
発売年月日 | 2007/03/27 |
JAN | 9784000242486 |
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日本文化における時間と空間
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商品レビュー
3.8
8件のお客様レビュー
時間と空間のとらえかたについて、日本の文化(絵画、和歌、俳句、演劇)からその特徴を捉えようとする本です。まず時間について、世界には(1)はじめと終わりのある時間(ユダヤ教)、(2)円周上を無限に循環する時間、(3)無限の直線上を一定の方向に移動する時間、(4)始めなくおわりのある...
時間と空間のとらえかたについて、日本の文化(絵画、和歌、俳句、演劇)からその特徴を捉えようとする本です。まず時間について、世界には(1)はじめと終わりのある時間(ユダヤ教)、(2)円周上を無限に循環する時間、(3)無限の直線上を一定の方向に移動する時間、(4)始めなくおわりのある時間、(5)始めがありおわりのない時間、の5類型がある。そして古事記から始まる様々な例をひもとき、例外はあるものの、日本は(2)(3)の無限の時間の概念が主流だと主張しています。そこでは時間の分節化が難しく「いま」の連続で時間が流れゆくとのこと。 ついで空間についてですが、こちらは(1)開かれた空間、(2)閉じられた空間、という類型の中で、日本は想定通り(2)だという主張がなされます。これだけですと真新しさはないのですが、私が最も興味深かったのは、日本の空間の3つの特徴として、「オク(奥)」の概念、水平面の強調、そして建て増し思想が挙げられていたことでしょう。これは実感にあいますし、現実の建築物だけでなく企業の組織にも同様の特徴があると思いました。特に3つ目の建て増し思想については、よく隠喩で「熱海の旅館」という表現がされることがありますが、熱海の旅館に行ったことがある人ならわかるように、無節操に建て増しされた迷路のような構造になっています。著者はここから、日本の空間思想を、部分から全体へ、つまり部分重視、細部重視主義であり、全体ではなく「ここ」を何よりも重視していると指摘します。 そして2つがあわさると「いま=ここ」志向が、日本文化に見られる時間と空間の特徴だと結論づけるわけです。確かに禅宗のお寺で座禅に参加すると「いま=ここ」に集中せよ、そこにこそ真実があると諭すわけですが、これだけ座禅がブームになっていることを裏返すと、現代人は、「いま=ここ」ではなく、過去や未来、そして「ここ」以外の事象に囚われすぎているということが言えるのかもしれません。いろいろと考えさせてくれる良書でした。
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7/13は日本標準時制定記念日 時間つながりでおすすめ。日本文化を貫く時間と空間に対する独特な感覚とは? 可能性と限界に迫ります。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日本文化を「雑種」と定義づけたことで有名な加藤周一。この本では、日本文化における時間と空間に関して考察がなされていた。西洋との比較・具体的な文献(例えば、古今和歌集の引用)などが多く、説得力があった。 時間論の入門書として手に取るのも良いだろう。 直線上の時間という考え方(キリスト教的)と、円周上を循環する時間(仏教的・輪廻転生)という考え方など勉強になる。 また、日本の伝統としての空間に関する考察も興味深い。宗教的建築物や世俗的建築物に置いて、日本で縦の線を強調する建築ができたのは、第二次世界大戦以降だそうだ。それ以前は、水平の面に沿い地を這うような様式が一般的であった。また、舞台などでも地に沿う考え方があり、例えば日本舞踊は両足が同時に床を離れることはないという。 こんな所にも、知らず知らずのうちに日本人らしさというものが隠れているのだと思うと、興味深い。
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