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赤軍記者グロースマン 独ソ戦取材ノート1941-45
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赤軍記者グロースマン 独ソ戦取材ノート1941-45

アントニービーヴァー【著】, リューバヴィノグラードヴァ【編】, 川上洸【訳】

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赤軍記者グロースマン 独ソ戦取材ノート1941-45

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 白水社/白水社
発売年月日 2007/05/31
JAN 9784560026243

赤軍記者グロースマン

¥3,520

商品レビュー

4.7

7件のお客様レビュー

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2024/08/17

この本で何より印象的だったが、ナチスのホロコーストの現場を取材した部分です。ホロコーストというと、私たちはアウシュヴィッツを想像してしまいますが、トレブリーンカという絶滅収容所についてこの本では述べられています。そこでは80万人以上の人が殺害されています。その凄惨な殺害の手法は読...

この本で何より印象的だったが、ナチスのホロコーストの現場を取材した部分です。ホロコーストというと、私たちはアウシュヴィッツを想像してしまいますが、トレブリーンカという絶滅収容所についてこの本では述べられています。そこでは80万人以上の人が殺害されています。その凄惨な殺害の手法は読んでいて寒気がするほどです。それを現地で取材したグロースマンはどれほど衝撃を受けたのか想像することもできません。 独ソ戦という世界の歴史上未曽有の絶滅戦争を最前線で取材した彼の記録は必見です。とてもおすすめな1冊です。

Posted by ブクログ

2019/04/09

私の本棚の片隅には「いつか読むんだ」と手付かずのままの長編 作品がいくつか並んでいる。そのなかの一作品が『人生と運命』 全3巻である。 書いたのはヴァシーリー・グローズマン。旧ソ連の領土だった ウクライナ生まれのユダヤ人。第二次世界大戦時、独ソ連が 始まると愛国心から...

私の本棚の片隅には「いつか読むんだ」と手付かずのままの長編 作品がいくつか並んでいる。そのなかの一作品が『人生と運命』 全3巻である。 書いたのはヴァシーリー・グローズマン。旧ソ連の領土だった ウクライナ生まれのユダヤ人。第二次世界大戦時、独ソ連が 始まると愛国心から兵士としての参戦を希望したが叶わず、 従軍記者としてスターリングラード攻防戦、クルスク会戦、 赤軍のポーランド進撃、そしてベルリン陥落までを取材した。 従軍記者としての見聞を下敷きにして書かれたのが『人生と運命』 なので、大作を読む前段階の知識として本書は見逃せない。 副題にある通りに取材ノートからの独ソ戦を描いているので赤軍 礼賛は当然としても、戦場となった村や町の住民から赤軍兵たち の乱暴狼藉を聞き取った内容もメモされている。さすがにそのまま 記事にすることは出来なかったのだろうが。 本書の注目は赤軍のポーランド進撃後、多くの証言から再構成された ナチス・ドイツによるユダヤ人絶滅収容所を描いた文章だ。ただし、 スターリン体制下でのソ連ではユダヤ人の被害を強調することには かなりの検閲が入ったようだ。 アメリカの従軍記者だったアーニー・パイルは前線の兵士たちの 姿を報道することでGIやその家族から愛された。赤軍に従軍した グロースマンも兵士やゆく先々の住民の心を開かせ、話を聞き出す 才能を持っていた。ふたりとも、新聞に掲載された記事は読者から 注目された。 アーニー・パイルは沖縄戦で命を落としたが、グロースマンは戦後 のソ連ではユダヤ人であることで冷遇され、作品を発表する場も 奪われて胃がんに倒れた。 グロースマンの死後、作品が発表されたのはサハロフ博士が原稿を マイクロフィルムにして海外に持ち出したからだと言われている。 尚、独ソ戦と言えばあのアンサイクロペディアにさえ嘘を書かせな かったルーデル閣下だが、本書では出番なし。そうだよな、イワン側 からの独ソ連戦なのだから。

Posted by ブクログ

2013/09/23

独ソ戦の勃発から終戦のベルリンまで従軍した作家ワシーリー・グロスーマンの膨大な取材ノートやメモを元に構成されたドキュメント。ユダヤ系の家庭に生まれ、理想主義から従軍記者を志願し様々な戦場を転戦とするも、その出自やリアリズムへの姿勢の変化に次第にロシア人社会に疎まれ不遇の晩年を送っ...

独ソ戦の勃発から終戦のベルリンまで従軍した作家ワシーリー・グロスーマンの膨大な取材ノートやメモを元に構成されたドキュメント。ユダヤ系の家庭に生まれ、理想主義から従軍記者を志願し様々な戦場を転戦とするも、その出自やリアリズムへの姿勢の変化に次第にロシア人社会に疎まれ不遇の晩年を送ったが、本書内の取材ノートを読むとその類まれな文才と徹底した現場主義に驚かされる。ドイツ侵攻時のモスクワの混乱、突然の戦乱でそれまでの生活をめちゃめちゃにされてしまった地方の農村たち、「地獄よりも恐ろしい」スターリングラードの攻防戦からの赤軍の転機、そしてベルリンへ押し寄せる戦友とも言える自国軍が起こした非情な現実。悪名高いトレブリンカ絶滅収容所の描写は凄惨極まりないが、同時に「なぜこのような殺戮が機能してしまったのか?」という疑問を解き明かそうともしている。 グロースマンは理想としていた赤軍の残虐な行為も多く書き残したが、同時にエースパイロットから無名の歩兵まで、前線で戦ったいち兵士や農民をこよなく愛し、戦争の犠牲者を悼んだ。膨大な取材記録や、取り留めのない兵士たちのスラングを書いたメモの羅列をすべて読むにはかなりの集中力が必要だが(500ページ強!)一度読んでしまえばあっという間に引き込まれる情景の描写に彼の作家としての姿勢が伺える。

Posted by ブクログ

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