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地獄の思想 日本精神の一系譜 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社/中央公論新社 |
発売年月日 | 2007/05/25 |
JAN | 9784122048614 |
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地獄の思想
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地獄の思想
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『地獄の思想』 2024年3月3日読了 「地獄」が日本人に与えた影響に興味があり、タイトルに惹かれて読んだ一冊。 本書では日本の思想を流れる3つの原理として、①生命(いのち)の思想②心の思想③地獄の思想を挙げる。日本の思想や宗教をこの3つの原理で考えている。 前半は釈迦から...
『地獄の思想』 2024年3月3日読了 「地獄」が日本人に与えた影響に興味があり、タイトルに惹かれて読んだ一冊。 本書では日本の思想を流れる3つの原理として、①生命(いのち)の思想②心の思想③地獄の思想を挙げる。日本の思想や宗教をこの3つの原理で考えている。 前半は釈迦から法然・親鸞にいたる仏教の祖師について、「地獄の思想」という観点から彼らの考えを分析している。文中で何度も筆者が述べているように、仏教思想に精通しているわけではないのだろう。しかし、広範な知識と熱量でもって書き上げられた文章は、試論であるにせよ、地獄の思想を考える上で核となるのではないだろうか。 本書の本領は後半にいたって発揮される。ここでは『源氏物語』から太宰治に至るまでの日本文学についても、「地獄の思想」という点から分析している。特に、宮沢賢治と太宰治の論が面白い。彼らの文学作品のみならず、生き方や思想にまで言及しており、一つの作家論としても十分な論考といえよう。 本書の最終ページに記述にドキリとする。 「…今、世界は地獄に落ちてゆこうとするのではないか。…今や、全世界をいっきょに破壊させるかのごとき武器でもって。世界を地獄に化そうとしているのではないか。」 令和の時代になっても世界各地で戦争が起こっている。地獄とは死後に落ちるものではなく、現在も世界のどこかにあるものなのだろう。そして、それを生み出すのはわたしたち人類なのだ。 「世界と人生にひそむ地獄を深く凝視せよ。それのみが極楽への道である。――それが仏教の、大乗仏教の教えた心理なのである。」 自身の身の回りが平和であるからこそ、世界各地で今起こっている地獄から目を背けてしまう。でも、それでは世界はよくならない。
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前半の地獄の思想の系譜が知りたくて読み始めたけど、後半の地獄を切り口にした日本文学の考察もおもしろかった。やや勢い頼りなところはあったけど、その熱量に夢中にさせられた感じはある。独自視点で切り開かれる日本文学の新しい解釈は、事実正否は別としても、論考としてとてもおもしろかった。宮...
前半の地獄の思想の系譜が知りたくて読み始めたけど、後半の地獄を切り口にした日本文学の考察もおもしろかった。やや勢い頼りなところはあったけど、その熱量に夢中にさせられた感じはある。独自視点で切り開かれる日本文学の新しい解釈は、事実正否は別としても、論考としてとてもおもしろかった。宮沢賢治の引用されていた詩は特に仏教的世界観との重なりをわかりやすく感じられた。
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極楽よりも近くにあり、極楽よりも広い、そして極楽よりもずっと古くからある地獄。仏教が生んだ地獄の思想を、釈迦、智顗、源信、親鸞、法然と、印度から中国、そして日本へと辿り、地獄という切り口で、『源氏物語』を、『平家物語』を、世阿弥を、近松門左衛門を、そして宮沢賢治を、太宰治を論じて...
極楽よりも近くにあり、極楽よりも広い、そして極楽よりもずっと古くからある地獄。仏教が生んだ地獄の思想を、釈迦、智顗、源信、親鸞、法然と、印度から中国、そして日本へと辿り、地獄という切り口で、『源氏物語』を、『平家物語』を、世阿弥を、近松門左衛門を、そして宮沢賢治を、太宰治を論じてみせる。文学とは多様な解釈がありうるのだと分からせてもらえる。いよ! 梅原節! と言いたくなる。
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