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十一月の扉 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社/新潮社 |
発売年月日 | 2006/10/28 |
JAN | 9784101298719 |
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商品レビュー
4.1
41件のお客様レビュー
何十年をも飛び越えて、イッキに同じ世代に戻ってしまった。 何をどうしてどんなふうにそう思ったか、少女の心の拾い方がとてもていねい。 彼女の書いたお話が、またユーモラスで楽しい。 最初、中2にしては幼く感じたけれど、いやいやどうして。 キラキラと豊かな2か月。 彼女がおばあさんにな...
何十年をも飛び越えて、イッキに同じ世代に戻ってしまった。 何をどうしてどんなふうにそう思ったか、少女の心の拾い方がとてもていねい。 彼女の書いたお話が、またユーモラスで楽しい。 最初、中2にしては幼く感じたけれど、いやいやどうして。 キラキラと豊かな2か月。 彼女がおばあさんになった時、この日々をどんな風に語られるのか、改めて聞いてみたい。
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☆4.7 六階の家の窓から覗いた双眼鏡から見えた赤茶色の屋根の白い家。 爽子は素敵なその家を探しに行ってみた。 そこには"十一月荘"という名前の洋館があった。 中学二年の二学期の終わりまであと二ヶ月、転校するまでの僅かな時間をその十一月荘で下宿することに。 ...
☆4.7 六階の家の窓から覗いた双眼鏡から見えた赤茶色の屋根の白い家。 爽子は素敵なその家を探しに行ってみた。 そこには"十一月荘"という名前の洋館があった。 中学二年の二学期の終わりまであと二ヶ月、転校するまでの僅かな時間をその十一月荘で下宿することに。 十一月荘では個性的な住人たちと触れあいながら、爽子の心のなかには住人たちを映した動物たちが住む"ドードーの森"が広がり始めた。 家族と離れたことや引っ越しのあとの東京の暮らしなど、現実への不安な思いも抱えながらかけがえのない時間を過ごしてゆく。 もう好き。とにかく好き。 胸がぎゅっとなる。 切なくて愛しくて泣きたくなる。 悲しいのではなく、あまりにも愛おしくて思いがあふれてしまうのだ。 進むにつれてドードーの森の物語も現実とリンクするようなことが起こったりと、爽子の世界自体が大きく広くなって関わりが増えていく様子が嬉しい。 耿介くんがなんだか気になる人から淡い淡い恋を向ける相手に変わって、戸惑うような胸の痛みに、自らも覚えのある初恋を思い出してみたり。 もうきゅんきゅんする。 きっと今日寝るときにまた思い出してきゅんきゅんする。 純粋成分をたくさん摂取した。 ありがとう、ありがとう。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
初めて読んだのは大学生の頃で、それから何度も読み返しているとても好きな本。 中学生の女の子が一時親元を離れて素敵な洋館に下宿する、下宿の大人たちや小さな女の子と交流する、特別なノートに物語を書く、背伸びをしてちょっと高級な喫茶店で紅茶を飲む……歳だけはいい大人になってしまった今でも憧れの気持ちがあふれてくる。 そんな物語のような生活の中で、少しずつ近づいてくる引っ越しや転校の日。新しい生活への不安や、十一月荘を離れることのさびしさ。自分のことのように感情移入してしまい、最後の方は涙をこらえながら読んだ。ラストの「だいじょうぶ。きっときっと、未来もすてきだ。」というモノローグが本当にまぶしい。 11月〜クリスマスあたりまでの時期設定もよくて、背筋が伸びるような寒さと、なおさらしみるような温かさが両方味わえる。来年もまた読みたい。
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