十一月の扉 の商品レビュー
何十年をも飛び越えて、イッキに同じ世代に戻ってしまった。 何をどうしてどんなふうにそう思ったか、少女の心の拾い方がとてもていねい。 彼女の書いたお話が、またユーモラスで楽しい。 最初、中2にしては幼く感じたけれど、いやいやどうして。 キラキラと豊かな2か月。 彼女がおばあさんにな...
何十年をも飛び越えて、イッキに同じ世代に戻ってしまった。 何をどうしてどんなふうにそう思ったか、少女の心の拾い方がとてもていねい。 彼女の書いたお話が、またユーモラスで楽しい。 最初、中2にしては幼く感じたけれど、いやいやどうして。 キラキラと豊かな2か月。 彼女がおばあさんになった時、この日々をどんな風に語られるのか、改めて聞いてみたい。
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☆4.7 六階の家の窓から覗いた双眼鏡から見えた赤茶色の屋根の白い家。 爽子は素敵なその家を探しに行ってみた。 そこには"十一月荘"という名前の洋館があった。 中学二年の二学期の終わりまであと二ヶ月、転校するまでの僅かな時間をその十一月荘で下宿することに。 ...
☆4.7 六階の家の窓から覗いた双眼鏡から見えた赤茶色の屋根の白い家。 爽子は素敵なその家を探しに行ってみた。 そこには"十一月荘"という名前の洋館があった。 中学二年の二学期の終わりまであと二ヶ月、転校するまでの僅かな時間をその十一月荘で下宿することに。 十一月荘では個性的な住人たちと触れあいながら、爽子の心のなかには住人たちを映した動物たちが住む"ドードーの森"が広がり始めた。 家族と離れたことや引っ越しのあとの東京の暮らしなど、現実への不安な思いも抱えながらかけがえのない時間を過ごしてゆく。 もう好き。とにかく好き。 胸がぎゅっとなる。 切なくて愛しくて泣きたくなる。 悲しいのではなく、あまりにも愛おしくて思いがあふれてしまうのだ。 進むにつれてドードーの森の物語も現実とリンクするようなことが起こったりと、爽子の世界自体が大きく広くなって関わりが増えていく様子が嬉しい。 耿介くんがなんだか気になる人から淡い淡い恋を向ける相手に変わって、戸惑うような胸の痛みに、自らも覚えのある初恋を思い出してみたり。 もうきゅんきゅんする。 きっと今日寝るときにまた思い出してきゅんきゅんする。 純粋成分をたくさん摂取した。 ありがとう、ありがとう。
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初めて読んだのは大学生の頃で、それから何度も読み返しているとても好きな本。 中学生の女の子が一時親元を離れて素敵な洋館に下宿する、下宿の大人たちや小さな女の子と交流する、特別なノートに物語を書く、背伸びをしてちょっと高級な喫茶店で紅茶を飲む……歳だけはいい大人になってしまった今でも憧れの気持ちがあふれてくる。 そんな物語のような生活の中で、少しずつ近づいてくる引っ越しや転校の日。新しい生活への不安や、十一月荘を離れることのさびしさ。自分のことのように感情移入してしまい、最後の方は涙をこらえながら読んだ。ラストの「だいじょうぶ。きっときっと、未来もすてきだ。」というモノローグが本当にまぶしい。 11月〜クリスマスあたりまでの時期設定もよくて、背筋が伸びるような寒さと、なおさらしみるような温かさが両方味わえる。来年もまた読みたい。
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11月中には読み終われなくて12月になってしまったけれど季節にぴったりでした。 ふわふわしていて穏やかで、たまにはこういう本も良いかもしれません。 短い間だったけれど、十一月荘での下宿は爽子にとって大切な記憶になるんだろうな。 新潮文庫じゃなくて青い鳥文庫で読んだのですが、高楼方...
11月中には読み終われなくて12月になってしまったけれど季節にぴったりでした。 ふわふわしていて穏やかで、たまにはこういう本も良いかもしれません。 短い間だったけれど、十一月荘での下宿は爽子にとって大切な記憶になるんだろうな。 新潮文庫じゃなくて青い鳥文庫で読んだのですが、高楼方子さんのお姉さんの千葉史子さんの挿絵も素敵でした。
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中学生の爽子が偶然見つけたのは「十一月荘」という名の洋館と、表紙に絶滅した鳥ドードーが型押しされた1冊のノート。 十一月荘で過ごすことになった爽子が抱く憧れや葛藤に懐かしさを覚える一方で、そんな爽子に影響を与える十一月荘の住人たちの言葉が温かい紅茶のように大人になった私の心にも染みわたる気がした。 気になった閑さんの言葉ー「いろんなことって、流動的だもの、その時その時、いいと思うことをやっていればいいんじゃないかしら。」 そして、「十一月荘」という名の由来―。 もうすぐ十一月。私も軽やかに丁寧に過ごしたい。
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内容(「BOOK」データベースより) 中学二年の爽子は、偶然みつけた素敵な洋館「十一月荘」で、転校前の数週間を家族と離れて過ごすことになる。「十一月荘」の個性あふれる住人たちとの豊かな日常の中で、爽子は毎日の出来事を自分の物語に変えて綴り始めた。のんびりしているようで、密度の濃い...
内容(「BOOK」データベースより) 中学二年の爽子は、偶然みつけた素敵な洋館「十一月荘」で、転校前の数週間を家族と離れて過ごすことになる。「十一月荘」の個性あふれる住人たちとの豊かな日常の中で、爽子は毎日の出来事を自分の物語に変えて綴り始めた。のんびりしているようで、密度の濃い時間。「十一月にはきっといいことがある」―不安な心を物語で鎮めながら、爽子はこれから生きて行く世界に明るい希望を感じ始めていた。
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福音館の本で読み始めたが、外出時は荷物になると感じ、図書館で借りてきて、外出時だけこちらで読んだ。読み終えたその瞬間、涙がすーっと流れました。何だろう、この気持ちは?頭が爽子になりきっていたのでしょうか。気持ちがとても晴れやかなのです!
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多感な時期の中学生の女の子の話。 とても素敵なお話なのだけど、爽子ちゃんの創作話が私には合わなかったなぁ。
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中学2年生の爽子が11月から12月にかけて、数週間だけ親元を離れ、素敵な洋館十一月荘に下宿する。十一月荘を取り巻く人々と交流し、物語を書き始める爽子。思春期の少女の憧れや不安、反発心、淡い恋心などが上手く描かれていて、甘酸っぱい気持ちになった。昔は少女だった、今は大人の女性たちの...
中学2年生の爽子が11月から12月にかけて、数週間だけ親元を離れ、素敵な洋館十一月荘に下宿する。十一月荘を取り巻く人々と交流し、物語を書き始める爽子。思春期の少女の憧れや不安、反発心、淡い恋心などが上手く描かれていて、甘酸っぱい気持ちになった。昔は少女だった、今は大人の女性たちの姿も良い。美味しい紅茶を飲みながら「たのしい川べ」を読みたくなった。
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大好きな一冊。 タイトルにひかれて、11月になると読みたくなるのでした。 私も爽子のような中学生だったら良かったけど、共通しているのは本が好きで、物語を書いていたことだけだったな…素敵な中学生活を送りたかった!(笑) 今からでも遅くないか。爽子にはなれないけど、いつか閑さんの...
大好きな一冊。 タイトルにひかれて、11月になると読みたくなるのでした。 私も爽子のような中学生だったら良かったけど、共通しているのは本が好きで、物語を書いていたことだけだったな…素敵な中学生活を送りたかった!(笑) 今からでも遅くないか。爽子にはなれないけど、いつか閑さんのような女性にはなれるかもしれない。
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