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99999 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社/新潮社 |
| 発売年月日 | 2006/05/01 |
| JAN | 9784102225226 |
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商品レビュー
3.7
7件のお客様レビュー
オールタイムベストな一編、「幸せの裸足の少女」を去年の夏に読んだのだった。 夏は追憶の季節だ。大好きな短編小説を読みながら、少し唐突にそんなことを思った。 盗んだ55年型キャディラック・エルドラドで目指すカリフォルニア、道中で出会う裸足の少女。ロンドン・コーリング。バーガー...
オールタイムベストな一編、「幸せの裸足の少女」を去年の夏に読んだのだった。 夏は追憶の季節だ。大好きな短編小説を読みながら、少し唐突にそんなことを思った。 盗んだ55年型キャディラック・エルドラドで目指すカリフォルニア、道中で出会う裸足の少女。ロンドン・コーリング。バーガー・キングとハーシー・パーク。人生で初めてのいいキス。道路を支配した7時間、彼女と過ごした5時間。春、というようりも初夏と言いたい、16歳の6月の特別だった数時間。スクラップブックに納められた「心の底から幸福感に満たされ」た瞬間、そこにあるノスタルジー。 夏らしいと言っても厳しすぎる日差しを浴びた後に乗り込んだ、少し冷房の効きすぎた車内でそんな短編小説を読みはじめると、わたしのスクラップブックも開かれた。もう随分と長い間忘れていたけれど、しっかりと収められていた記憶、ノスタルジーに浸る。夏は追憶の季節。 二人乗りの自転車で下る校舎の前の急な坂道、坂の途中にあったサミット。万引きをした同じクラスのあの子、少し溶けたチョコレート。ベンチの代わりにした駅前の植え込み。ポケットのカセット・ウォークマンの中には、たしか7inchから録音した大好きだったEbullitionのあのバンド。なんでもなかったようで、幸福だったのかもしれないと気がつく数十分間の記憶。そのときわたしも16歳だった。 しかし、思い出は過ぎた時間の分だけ美化されていくのかもしれない。 改めて省みる、あの頃思い描いていた未来とはだいぶかけ離れてしまった現在。その間にあった決定的な変化。過ぎていってしまった時間の取り返しのつかなさ。空白を埋めようとしたときに明らかになる事実。そのどれもがとても残酷だ。小説でも、多分現実でも。 打ちのめされた夜にソファーの上から、あるいはその光景を読んでいる午後の電車のシートで、追憶しノスタルジーに浸るとき、美しさの後ろにある残酷さを、輝きがくすんでいく様を、「途中でやめるべきだったのに読んでしまった最後の陰惨なページ」を感じる、知ってしまう、突きつけられるものなのかもしれない。ああ。 それでも、その全てが書かれた小説は、それが書かれているからこそ素晴らしいのだし、やはり美しいのだとも思う。何度も繰り返し読みたくなる魅力がある。きっと読み返すたびにスクラップブックも開かれる。追憶と未来と現在、人生を思う。少し大げさかも、とも思う。それでも、その繰り返しも、そこにある哀しみも、大切に抱きしめたい。 寸前で気がついて慌てて降り立ったホームに立ち尽くして、この特別な短編小説と特別だった過去について考えていた数十分も、またスクラップブックに収められ、いつかの夏に開かれノスタルジーに浸ることになるのだろうか。ならないだろうか。そんなことを考えながら噴き出してきた汗を拭う。 そうか、あの日聴いていたはずのAmber Innもカリフォルニアのバンドだった。そう気がつく。辿り着くことのなかった目的地。夏は追憶、それにエモーショナル、哀しみの季節でもあるのかもしれない。そんなことをわたしは夏の夕方に文庫本と静けさを手にして考えていた。
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文学めいた文学。 ショートショートみたいな切れ味勝負の作品もあるにはあるけど、作風としては曇りガラス越しに世界を眺めるような曖昧さをどっしりとした文章に乗せている。 海外では純文学という用語は存在しないようですが、その系譜をもつ作品と思います。 このような感性の持ち主が映画に...
文学めいた文学。 ショートショートみたいな切れ味勝負の作品もあるにはあるけど、作風としては曇りガラス越しに世界を眺めるような曖昧さをどっしりとした文章に乗せている。 海外では純文学という用語は存在しないようですが、その系譜をもつ作品と思います。 このような感性の持ち主が映画に流れて成功するのはあまり想像がつかない。 他の著作に目を通したことはないけれど、才能の一端でしかないということだろうか。 幸運の排泄物が心に残る。
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何かで「この本オススメ」みたいに書かれていたっぽく、手元の“読みたい本リスト”に載っていたので購読。 短編集。 基本的に短編集はその物語ごとの感想を書いているのだが、この本については出来なかった。 なぜなら、正直言って心に残らなかったからである。 薄っすらと記憶には残っているの...
何かで「この本オススメ」みたいに書かれていたっぽく、手元の“読みたい本リスト”に載っていたので購読。 短編集。 基本的に短編集はその物語ごとの感想を書いているのだが、この本については出来なかった。 なぜなら、正直言って心に残らなかったからである。 薄っすらと記憶には残っているのだが、オチや余韻に感心する事もなかったのだ。 例えば表題作である「99999」。音楽業界に身を置く主人公があるインディーズバンドの女性ボーカリスト・モリーに目を付け、 モリーだけをメジャーデビューさせる為に連れ出す。んでヤッちゃう。 バンドのリーダーでありモリーのボーイフレンドであった“サッド・ジョー”は怒り、 主人公とモリーが生活するマンションに来て、狂ったようにドラムを叩く。 サッド・ジョーは人としては「イイ奴」で、愛車の距離計が99999から00000になる瞬間を 仲間達とパーティをして祝うような、純粋な奴である。 で、最後にジョーは心身ともに傷つきながらも帰っていき、その後姿を見送る主人公。野望に燃えるモリー。 …終わりである。しかし、これをあちら(アメリカ?)の人々は大絶賛なのだ。 どうやら、自分には向いていない類の小説らしい。 この他の話も、何か特別な終わり方をするのではなく、何となく終わる。 それを良いと感じるか、何も感じ取れないかの違いなのだろう。 この手の話が好みの人が読めば、物語の持つ深みや厚みなんかを感じれるのではないだろうか。 申し訳ないが、個人的に好みじゃなかった。面白くない訳じゃないが。2点。
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